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【不動産屋が】気になる不動産関連ニュース ~ミガロHD(株)2026年3月期決算(2026.5.11)過去最高益。ワンルーム販売から「顔認証IDプラットフォーム」の旗手へ~

そもそもミガロHD(株)とは?

ミガロホールディングスは、DXを軸に「DX推進事業」と「DX不動産事業」を展開する企業グループです。収益の柱である不動産事業では、投資用・居住用マンションの開発販売や中古マンション販売、賃貸・建物管理を行い、安定収益を確保しています。一方、成長領域として顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」やAI・デジタルインテグレーション事業を拡大。不動産で得た収益をDX・AI領域へ投資し、「デジタル」と「リアル」を融合した新しい生活・仕事環境の創出を目指しています。
以前はプロパティエージェントとして新築マンションのワンルームを売却する事業をメインに行っていましたが、進化が見られます。

決算概要


2026年3月期は、売上高575億円、営業利益30.6億円、経常利益23.4億円、親会社株主に帰属する当期純利益14.3億円で着地しました。前年比では、売上高+11.3%、営業利益+12.8%、経常利益+10.6%、当期純利益+3.1%と増収増益です。特に売上高・営業利益は過去最高水準です。

会社計画に対しては、売上高は600億円予想に対し575億円で達成率95.9%とやや未達でした。一方、営業利益は102.0%、経常利益は104.3%、当期純利益は104.7%と、利益面は会社計画を上回って着地しています。

セグメント別では、DX推進事業の売上高が44.7億円、営業利益が3.6億円、DX不動産事業の売上高が532.4億円、営業利益が42.4億円です。DX不動産が引き続き利益の大半を稼ぐ一方、DX推進事業も黒字化が進み、グループ全体の増益に寄与しました。

要因分析

増収増益の主因は、DX推進事業の早期収益化と、DX不動産事業における販売単価・粗利率の改善です。

DX推進事業では、顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」の導入拡大に加え、DX支援の新規受注増、さらにテラ・ウェブクリエイト、ユー・システム・クリエイションのM&A効果が寄与しました。売上高は前年比+19.0%、営業利益は75百万円から366百万円へ大幅増となっています。


DX不動産事業では、新築投資用マンションの販売比率が高まったこと、中古物件についても賃料上昇を背景に粗利率が上昇したことが増益要因です。売上高は前年比+10.8%、営業利益は+9.8%となりました。

一方で、金利上昇の影響は出ています。会社側も、金利上昇の影響はあったものの、財務コントロールにより経常利益・当期純利益とも増益を確保したと説明しています。

また、売上高が計画未達だった理由として、2026年3月期の利益が想定より順調に進捗したため、プロジェクト利益最大化を目的に第4四半期の新築物件の一部引渡しを翌期へ変更したことが挙げられています。「今期目標を余裕で達成したため、無理に安売りせず、来期(2027年3月期)の好スタートを確定させた」という、経営側の強い余裕の表れです。2027年3月期1Q〜2Qの業績が「約束された勝利」になっている点は、株主にとって非常にポジティブな材料です

今期予測・着地

2027年3月期の会社予想は、売上高650億円、営業利益33億円、経常利益24.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益15億円です。前年比では、売上高+13.0%、営業利益+7.8%、経常利益+4.4%、当期純利益+4.6%の増収増益予想です。

売上面では、DX推進事業・DX不動産事業ともに増収を見込み、650億円を目指す計画です。一方、営業利益はDX推進事業の収益化やDX不動産事業の販売単価上昇を見込むものの、建築費高騰と長期金利上昇の影響を織り込み、増益率は売上成長率より低めの+7.8%に抑えています。

四半期別には、2026年3月期に新築物件の一部引渡しを翌期へ変更した影響で、2027年3月期の第1四半期売上は大きくなる想定です。また、新築物件の引渡しが第2四半期に多くなる見込みのため、会社側は第2四半期売上が最も高くなる想定を示しています。

配当は、2026年3月期の年間8.5円に対し、2027年3月期は年間9.0円を予想しています。中間3.0円、期末6.0円で、0.5円の増配計画です。

その他・注目点

財務面では、現預金が68.9億円から99.6億円へ増加し、有利子負債は383.8億円から355.8億円へ減少しました。棚卸資産も442.1億円から432.0億円へやや減少し、自己資本比率は20.4%から26.3%へ改善しています。

ただしROEは12.9%から10.9%へ低下しています。これは増資などにより純資産が増えた影響が大きいと見られます。会社側は、強化された財務基盤をもとに、今後は間接金融を活用しながら成長投資を加速し、ROE向上を図る方針です。

事業戦略としては、DX不動産事業で稼いだ収益を、成長の柱であるDX推進事業へ投資する構図が明確です。資料では、DX不動産を「収益の柱」、スマートシティ・AI顔認証・AI/デジタルインテグレーションを「成長の柱」と位置づけています。

KPI面では、FreeiD導入マンション棟数が376棟、DX不動産会員数が191,153人、DI稼働案件数が450件、賃貸管理戸数が7,272戸、建物管理戸数が6,115戸となっており、DX推進・DX不動産の双方で基盤拡大が続いています。

不動産屋の目線は?

iPhone/iPadのFace IDは競合にならないのか。iPhone/iPadのFace IDは「個人端末の本人認証」で、セキュリティ上は非常に強い一方で、マンションのエントランス、宅配BOX、エレベーター、住戸扉、オフィス、決済端末などを横断して共通IDとして使う設計ではありません。

一方、FreeiDは、同社資料上では「一度の顔登録で、入退・本人確認・決済を利用可能にする顔認証IDプラットフォーム」と位置づけられています。複数の顔認証エンジンをまたげるマルチプラットフォーム性や、住宅設備との連携、サービスIDの統合を強みにしています。

特にマンション領域では、FreeiDはエントランス、宅配BOX、エレベーター、住戸扉などの住宅設備と連動する仕組みを持ち、導入マンション棟数は376棟、導入社数は累計98社まで拡大しています。
この部分は、単に「iPhoneで顔認証する」だけでは置き換えにくい領域です。

金利上昇場面、建築資材等の高騰からDXサービスへの転換を大きく進めているように見える同社ですが、マネタイズがもっと進むのかそのあたりの見極めは重要だと思います。

また気になるニュースがあれば取り上げます。


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