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神のギフト外伝#2 うつ病と診断され休職20日後、俺は“発酵”し始めた

◾️主治医に勧められたウォーキングという名の発酵

休職して20日。
俺は見事に“熟成”されていた。

いや違う。
腐っていた。

布団という密封容器の中で、
動かず、考えず、ただ時間だけが進む。

完全なる“俺発酵”。
診察の日に主治医に恐る恐る聞いてみた。

俺「20日間、寝てばかりでした。いいのでしょうか」

先生「いいよ。それがいい」

この時点で俺の中の常識は一回死んだ。

俺「何かしたほうがいいと思うのですが」

俺は焦っていた。
泡立っていた。
妻と子供の前で、ただの発酵前の物体として存在していることに。

何かしたい。
でもエネルギーはゼロ。
むしろマイナス。

先生「1時間くらい歩くのがいいよ。30分でもいいし」

俺「歩く…?」

その瞬間、俺の中に微弱な電流が流れた。

滑稽発酵予備反応。

俺は素直だ。
というか、考えると死ぬタイプだ。

だから考えないでやる。

Googleマップを開く。
公園を探す。

外周1.3キロ。

俺「3周で4キロ弱か…」

俺「適切だ!(何が?)」

装備はヨレヨレのジーンズ。
ジャンバー。
完全に“発酵しかけた男の散歩”。

そして歩く。

がしかし、1周で限界。

いや歩ける。
でも魂が拒否する。

俺「これは…手強いな」

筋力:腐敗
体力:崩壊
意欲:絶滅危惧種

ただの散歩が、
極限ミッション化していた。

それでも続けた。

理由は単純。

・先生と約束したから

・公園の近くの店に卵サンドがあるから

この卵サンドがまた良い。
発酵しかけた俺に、
新たな発酵を重ねるような味。

👉完全にセロトニック(上質な発酵)。

最初の2週間は地獄だった。

行くのが辛い。
歩くのが辛い。
帰るのが辛い。

全部辛い。

そして、雨が降った。

俺「明日はウォーキング無しか」
俺「寝ていよう」

神は、ここで一手打つ。

翌日。

俺「……なんか、動きたい」
俺「外行きたい」
俺「太陽…吸いたい…」

?????

俺「いやいやいや」
俺「お前うつ病だぞ?」

でも体は知っていた。

発酵が始まっていたことを

密封されていた俺の中で、
何かがゆっくり変わっていた。

セロトニンという名の微生物が、
俺を内側から発酵させていた。


これが転機だった。

ウォーキングは運動じゃない。

回復という名の発酵プロセス

腐っていた俺は、
ゆっくりと“使える何か”に変わり始めた。

俺の回復は、静かに、しかし確実に進んでいった。

この続きは、次回書こうと思う。

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