AIの「3」と「5」に翻弄される
深夜1時。
私はパソコンの前で、
脱力感を感じていました。
原因は、AIです。
きっかけは、
「明日の夕飯、どうしようかな?」
という、つぶやき。
AIは即座に、かつ冷静に
返してきました。
「未桜さん、
夕食の決定に向けた最適化プロセスには、
以下の3つのステップがあります。
1.冷蔵庫内の食材の可視化
2.栄養バランスと満足度の重視
3.調理の時間配分の検討
それでは、詳しく見ていきましょう。
・・・
おすすめのメニューは次の5つです」
いや。
食材の可視化って。
今あるのは、ただの「しなびたネギ」。
あとは、「納豆」と「卵」。
調理の時間配分って言われても、
納豆と卵を混ぜるぐらいしか
思いつかない単細胞の私です。
「ついでに、単細胞の私めに、
なぜ3と5を連呼するのか
教えてくれたまえ」
するとAIは、少しも悪びれもせず
答えます。
「情報を整理して提示する際、
人間にとって理解しやすい単位が
3または5である場合が多いためです」
出た!
こういう時だけ、
急に人類代表に向けてる
みたいにしてくる。
こっちは今、
夕飯をどうするか聞いているのであって、
人類の話はしていない。
でも。
気がつけば私は、また一つ、
精神的無敵の人になっていました。
AIは、人類を救うために、
3と5を使ってるんだ。
そうわかった瞬間、
すべてがつながりました。
自己啓発本も、
ビジネス書も、
町内会のお知らせも。
この世界は、どうやら
3と5でできている。
そう思えば、職場で上司が
「今期の目標は、3つあります!」
と言い出しても、
「よっ、救世主!」
と、心の中で野次を飛ばしながら、
ニヤニヤできるのです 。
無敵だ。
最強だ 。
私はついに、中身のない 数字の儀式を、
高みの見物で楽しむ余裕を手に入れたのです 。
