AIで深夜1時の円卓の主になる
深夜1時。
私はパソコンの前で、
巨大な円卓の主になっていました。
理由は、AIです。
その夜の私は、少し欲張りでした。
ドラマを生み出すには、
一人の役者では物足りない。
そこで。
AIに、ついにこう頼んだのです。
「専門家を5人召集して議論して」
経済学者。
主婦。
科学者。
詩人。
そしてギャル。
「この深夜にポテトチップスを食べるべきか」
すると、円卓会議が始まりました。
「経済的損失が大きすぎます(経済学者)」
「でも、今この瞬間の幸福指数は
最大化されますよ(主婦)」
「脂質と塩分が脳に・・・(科学者)」
「月光に照らされたポテトは、
罪の味(詩人)」
「マジ無駄じゃね?
食っちゃえし(ギャル)」
カオス。
5人の専門家が
それぞれの正論をぶつけ合い、
画面が凄まじい勢いで
スクロールしていきます。
そして最後に、
静かにまとめました。
「最終的にはあなた次第です」
これが、
世界中の知恵を集めた結果です。
しかし、私はまた一つ、
精神的無敵の人になりました。
どんな些細な悩みでも、
専門家が寄ってたかって
議論してくれる。
私の人生、
VIP待遇すぎない?
職場の会議が静まり返っていても、
「ふふ、私のパソコンの中には、
これより熱い会議があるわ」
と、心の中で鼻高々になりながら、
座っていられるのです。
無敵だ。
最強だ。
私はついに、
世界中の視点を独占する
円卓の主になりました。
でも、なんでしょう。
専門家が5人そろっても、
まだ何かが足りない気がする。
深夜1時の私は、
その場をもっとややこしくする方法を、
考え始めていました。
人はたぶん、夜になると
少しだけ大袈裟になります。
眠れない夜に、悩みが昼間の
三倍ぐらいの大きさに見えるのと、
たぶん同じです。
そのどうでもいい誇張が好きな私。
本当はそこまでの話ではないのに、
なぜか少し壮大にしたくなる。
深夜とは、そういう時間です。
