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心は本当に求めるものを、すでに分かっている【New Balance 992/993】

前回の続きというほどでもないが

私は服は靴下、下着、ズボン、Tシャツ、ブルゾン、ダウンまで、ほぼ毎日ユニクロで統一している。

ユニクロが特別好きなのわけではなく、かといって服に関心がないわけでもない。

諦めた。考えることを止めたのだ。色々探して、雑誌やYoutubeを見て吟味して、失敗を繰り返して、足を使って店を回って、その時間は楽しいが、きりがない。

好きなもの、夢中になれるものがあるのは幸せともいえる。でも、果てのない欲望は、いつか苦しむことになる。何よりお金は有限なのだ。

そんな私が、一目で心を奪われた靴があった。

New Balance 992

結局、ジョブズの影響じゃないか。と言われそうだが、その通りだ。

服選びの追及をあきらめた時、ジョブズとザッカーバーグの同じ服を着続けるエピソードは、私にどれだけ希望を与えてくれたか。(ちなみに私は服はユニクロだが種類は色々買って楽しんでいるので全然徹底はできていない)

ちなみに、ジョブズのエピソードを調べれば、彼がずっと992を履いていたわけではないことは有名な話だ。iPhoneの発表という革命を起こした2007年頃によく履いていた。というくらいだろう。

私はそれまで、New Balanceを買ったことがなかった。なんとなく流行りすぎていたのと、値段とラインナップの違いがあまりわからなかったからだ。

しかし、992を見たとき、私は直感的に、これだと思った。

人も服も、一目惚れというのはほとんどない人生だった私が、運命的な何かを感じたのだった。

これは、ジョブズが履いてたから、という言葉だけでは言い表せられない感情だった。言語化ができない。色なのか、形なのか、なんか、、なんかいいんだ!

しかし、調べてみるとほとんど店頭では売ってない。しかも定価で3万円以上!?私が今まで履いてた靴が3足は買えそうだ。

私は1度買った靴や服を、少なくとも5年以上は使う。持っている靴のいくつかは、加水分解したものもあった(さすがに最近捨てた)

これは、、いつか人生のどこかで出会えばいいな。と思っていた昨年、運命は動き出した。zozotownで急遽、抽選販売が行われたのだ。

そして、私は一瞬迷いつつも応募し、見事に手に入れた。それは・・・

New Balance 993

そう、992ではなく993である。

しかし、私の興奮はすごかった。現物を見た瞬間、あまりの神々しさに全確度で写メを撮り、友人たちに送り付けていた。

ジョブズにはなれなかったけど、これが私の、靴の一張羅だ。

最初に履いた日のおそるおそる感は今も覚えている。あれから1年近く経ったが、今も大切に、それはもう大切に履いている。

履きやすさは、実をいうと、最初はよくわからなかった。雲を歩いている感じもなければ、4万円弱の値打ちを感じるかと言われると、、疑問があった。

しかし、後から気づくことになる。この靴を履いて以来、それまで持っていた靴や、新しい靴の試し履きをすると、ちょっとしんどいのだ。

フィット感、柔らかさ、膝への負荷、反発性。私には判断軸がなかった。知ったことで、私は戻れなくなってしまった。

そして、今月。

992の抽選が遂に行われることになった。オフィシャルとしては5年ぶりの販売だという。

私は990v6をカートに入れてはやめて、店舗で試し履きし、買わずに帰り、またカートに入れて、キャンセルする。という奇行を随分と繰り広げていたが、頭にはずっと992への想いがあった。

993があるんだから、もう992はいいんじゃない?と何度も思ったが、そういう話ではないのだ。

しかし抽選は、落ちた。

これで忘れられる。昨日、私は渋谷に行き、Salomon、HOKA、NIKE、MERRELL、Asics、様々な靴を試した。これから梅雨にもなるだろう。Gore-Tex製なんてのもいいかもしれない。なんて思いながら

渋谷から原宿方面に向かい、その突き当り、New Balance原宿。せっかくだからと店舗に入り、4階に上がる。

USA製のみを置いた。高級感あふれるフロアに、それはあった。

New Balance 992TB

抽選ってなんだったんだろう。いやいや、極端に大きなサイズが残っていたのだろう。店員さんにそっと声をかける。

「サイズありますよ、履いてみますか」

抽選ってなんだったんだろう(2回目)

実物に触れる。頭が真っ白になっていくのを感じた。

992。あぁ、やっぱりこれだ。

私は欲しいものがあまりない。昔は無邪気にあったかもしれない。

でも、届かないものが増えたり、考えることが付かれたりして、いつしか好きや、欲しいという熱が、減っていた気がする。

この感情は久しぶりだった。好き、欲しい。心の奥では、本当に欲しいものは既にわかっているんだな。

高い買い物をした。でも993を1年履いた経験もふまえて、身体を守る生活必需品と思えば、納得している。

憧れたジョブズのグレイカラーでもなければ、履いても仕事ができるようになるわけでもないが、宝物が増えた。いまはそれが嬉しい。


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