【50代☆年の差婚のチャレンジライフ中!】創作大賞2026年恋愛小説部門エントリー作💛『セカンド・ロングバケーション』第12話~南風に揺れる再会~
~あらすじ~
沖縄で新生活を始めたミライは
慣れない仕事と孤独な夜に
少しずつ心をすり減らしていた。
そんなある日
北海道に残ったケンから届いた
一通のLINE。
「生きてますか?」
不器用すぎるその一言に
ミライの心は思いがけず揺れ動く。
離れていたからこそ
素直に話せる仕事の不安
将来への迷い
そして互いを気にかける気持ち。
何気ないやり取りの中で
ケンは「暖かい場所へ行きたい」とこぼす。
ミライが軽く「沖縄はどう?」と
返した数日後、再び届いたメッセージ。
「沖縄に、遊びに行ってもいいですか?」
その一文を見た瞬間
ミライの心は静かに波立ち始める。
ただの友達としての再会なのか
それとも、二人の距離が
もう一度動き出す合図なのか。
💛第12話~南風に揺れる再会~
2021年 年末の那覇空港
もし、この到着口から
ケンが出てこなかったら
そんな不安を
私は何度も胸の奥へ押し込める
観光と帰省で予想以上に混み合うロビー
南国らしい明るいざわめきの中で
私だけが落ち着かず
何度も北海道便の
到着ボードを見上げていた。
会いたかった
でも、会うのが少し怖い
あの北海道の千歳空港で
私を送り出してくれたケンが
本当にこの沖縄まで来てくれるのか?
LINEで話すようになってから
画面越しの言葉だけでは
埋められない寂しさが
少しずつ胸に積もっていた。
その時だった
人の流れの奥から
黒いリュックを片方の肩にかけたケンが現れた。
私を探すように歩いている。
ケン・・・
目が合った瞬間
那覇空港のざわめきが
ふっと消えた。
相変わらず肌は雪国の光を
そのまま閉じ込めたみたいに白い。
黒いダウンにデニム
足元にはティンバーランドのブーツ。
南国のやわらかな空気の中で
冬支度だけが
北の寒さをそのまま連れてきたようだった。
ケンは私を見つけた瞬間
足が少し止まった。
それから、ふっと表情がやわらぐ
あの、はにかんだような笑顔
大きく笑うわけではないけれど
口元が少しだけ緩み
目の奥が静かに明るくなる。
「ケンくん!」
私は思わず手を振っていた
変わっていない彼
四か月ぶりなのに
北海道と沖縄ほど離れていたのに。
懐かしい顔を観た瞬間
私の中の時間だけが
ふっと古いアパートの階段へ
戻っていく気がした。
「ミライさん、久しぶりです」
ケンはそう言いかけて
「久しぶり!」っと言い直す
胸の奥が、小さく跳ねた。
名前を呼ばれただけ
ただ敬語をやめただけ
「はいさい、沖縄へ」
私はできるだけ平常をよそおった
ケンは周囲を見回しながら
少し困ったように
照れながら眉を寄せる。
「ここ、暑い」
「第一声、それ?」
「北海道から来たら
季節がバグってる」
そう言いながら
ダウンの脱いだ
その仕草が妙におかしくて
私は思わず笑ってしまった。
「暑いの?一応、冬だから寒いよ」
「あっ?ここは冬?」
相変わらずくだらなくて
けれど不思議と温かい。
そんな私たちのやり取りは
止まっていたリズムの続きを
もう一度ゆっくり奏で始めた
「沖縄初上陸、私のドライブで
楽しんでね」
「あーーミライさんの運転か、、なれた?」
私は微笑をうかべ
OKサインを出し
湾岸線を走りぬけた
「おーーきれいだなー」
ケンはエメラルドグリーンの海岸に
魅了さていた
窓の外を流れる景色は
北海道とは何もかも違っていた。
雪におおわれた道も
厳しい寒さもない。
OKINAWAのFMラジオからは
アメリカンポップが流れだす
南国の光を浴びた
ヤシの木が道路沿いに並び
カラフルな建物が
青空の下で陽気に肩を寄せ合っていた。
アメリカ軍のベースに囲まれている
北谷町に近づくにつれ
街の空気はどんどん明るくなる。
英語の看板
ポップな壁画
甘いバターの匂いがするカフェ
ラテンカラーの派手な色の
ショッピングモール
海沿いを歩く外国人の家族
テラス席からこぼれる楽しそうな声
そこは沖縄の海辺に
アメリカの休日を
そっと置いたような場所だった。
「ここ、本当に日本?」
ケンが窓の外を見ながら言った。
「一応、日本」
「一応?」
「ここは、日本と外国の間で
気持ちよさそうに
昼寝してるみたいな顔をするの」
「何だ?その説明?」
「南の島の案内人の詩的な解説です」
「案内役?だいぶ感覚派だな~」
「地図より雰囲気で連れていくタイプなの」
「不安しかないぞ」
そう言いながらも
ケンの目はキラキラしていた。
普段のケンは
感情を大きく外へ出すタイプではない。
嬉しくても 驚いても
どこか少し斜め後ろから
世界を見ているようなところがある。
けれどその日のケンは違った。
アメリカンビレッジを歩き始めると
子供みたいに
あちこちへ視線を動かした。
「すごい。一年中クリスマス?街が浮かれてるぞ」
「このエーリアだけはずっとお祭りかな?」
ケンはカラフルな壁画の前で足を止め
雑貨店のウィンドウをのぞき込み
海沿いのテラス席を珍しそうに眺める
こんなケンを見たのは、初めてだった。
でも今、南の島の光を浴びたケンは
どこか解放されている
凍った湖の表面に
やわらかな春の光が
差し込んでいくみたいに。
私はその様子を見ながら
胸の奥がホッとした。
来てくれてよかった・・・
そう思った
いや、本当は少し違う
会えて、嬉しかった
素直にそう言えたら
どれほど楽だろう。
その気持ちを
胸の奥でそっと抱えたまま
いつものようにふるまった。
「どう? いい感じかな?」
私が冗談交じりにケンを覗き込む
「案内というより、巻き込み型」
「どういう意味?」
「気づいたら、知らない場所に連れてこられてる」
「それ、危ない人みたいじゃない」
また変なジョークが飛び交う
「でも、悪くない」
そう言って
ケンは満足げだった
海沿いを歩く頃には
夕方の光が街をやさしい
オレンジ色に染め始めていた。
遠くで波が白く崩れ
港に並ぶ船の影がゆっくり伸びている。
海風は少し湿っていて
でも冷たくはない。
冬なのに
どこか春の入り口みたいな匂いがした。
ケンは手すりに寄りかかり
しばらく海を見ていた。
「ケンくん、楽しめそう?」
私が聞くと、彼はすぐには答えなかった。
風が彼の前髪を少し揺らす。
「来てよかったよ」
短い言葉だった。
でも、そこには観光地を
褒めるだけではない
もっと深い息のようなものが
混じっていた。
「ミライさんがここで暮らしてる理由
少し分かる気がする」
「え?」
「明るいのに、ちゃんと寂しい場所ですね」
その言葉に、私は何も返せなかった。
明るいのに、ちゃんと寂しい。
それは、今の私そのものだった。
沖縄の空の下で
私は新しい人生を始め
笑って、働いて、
前を向こうとしていた。
でも心のどこかに
北海道に置いてきたものが
ずっと残っていた。
そのひとつが、今
隣に立っている。
私は海を見つめながら
静かに息を吸った。
この三泊四日は
どんな旅行になるか
楽しいだけで
終わらないかもしれない。
そんな予感があった。
嬉しい再会
温かい時間
幸せなくだらない会話
その全部がやさしいほど
少しだけ怖くなる
ケンは今、
何を思っているのだろう
寒い北海道から離れて
開放的な環境で気分転換を
しているだけなのか。
それとも、私と同じように
この再会の奥にある
何かを感じているのか。
もちろん、聞けない
聞いてしまえば
友達という薄い膜が
破れてしまいそうだったから
夕暮れ前のアメリカンビレッジに
少しずつネオンが灯り始めていた。
海風に混じって
旅行客の甘いパフュームの
匂いが踊り出す
ケンはその光景の中で
いつもの彼より少しだけ自由に見えた。
そして私は、その自由なケンを
いつまでも見つめていたいと
感じていた。
年齢のことも
距離のことも
この先の不安も
その瞬間だけは
全部が遠くにあった。
ただ隣にいる人と
同じ空の下で
海を見ている。
それだけで
胸の奥が満たされていく。
南国のサンセットは
まるで私たちの気持ちを
知っているかのように
ゆっくりと
あたたかな色に染めていく
十か月前
人生観も世代もまるで違う私たちが
北海道の古いアパートで偶然出逢った。
あの時、私たちが同じだったのは
孤独を抱えていたこと。
そして新天地で、もう一度
自分の人生を始めようとしていたこと。
それだけだったはずなのに。
今、また違う場所でケンと再会している
あの出逢いは
ただの偶然ではなかったのかもしれない
この年末年始を一緒に過ごしたあと
私たちはどんな気持ちで
別れを迎えるのだろう。
まだ何も分からない。
けれど、この穏やかな海と空の下で
二人の時間が静かに
動き始めていることだけは
確かに感じていた。
💛第13話はこちらから
~ごあいさつ~
こんにちは
ミライです♪
たくさんの記事の中から
訪れていただき
本当にありがとうございます!
このストーリーは
実在する
昭和世代の浦島太郎状態の妻
平成時代の堅実派な夫
出会い
遠距離恋愛
破局
マインドリセット
復縁
そして結婚までの
この五年間の歩みを描いた物語です
私たちの激動の1800日を
フィクションも少し交えながら
過ごしてきたストーリーを
お届けいたします。
アダルトチルドレンの私は
24歳も年下相手に
何度も本気でぶつかり
大泣きしてしまうような日々も
たくさんありました
それでも今は
涙あり
笑いあり
そして少しだけ
人生のヒントもある
人生再生&恋愛小説として
綴りました。
この五年間のチャレンジは
本当に紆余曲折の連続でした
50代の私にとって
決して楽な道のりではありませんでした
それでも
年齢に対する
不必要な常識の壁を
少しずつ越えていく中で
私はようやく
自分らしく輝いていいのだと
思えるようになりました
人生はいくつになっても
変わることができます!
そして
何かを突き抜けた先には
必ず明るい未来が待っていると
私は信じています
この物語が
同じように人生の岐路に悩み
迷いや不安を抱えている皆さんの心に
小さな勇気の灯りを
ともすことができたら
とても幸せです♪
いつからでも
誰でも
何度でも
あなたしだいで
ゆっくりと柔らかい光が
心に必ず差し込み始めます♪
ここまで
読んでいただき心から感謝です
ありがとうございました😊
ミライ
