未来マネーラボ週報(2025年5月3週目)
未来マネーラボ週報(2025年5月3週目)
~CPI後の“凪”に潜む構造的ズレ。スタグフレーションへの目線は外せない~
◆ 今週のマーケット概況(5/13〜5/17)
ドル円:145.5円前後で推移。
週初はやや軟調だったが、水曜以降は持ち直し堅調。とはいえ方向感は依然不明瞭。金(ゴールド):3200ドル前後。
ドルの軟化を受ける形で買い優勢。短期ヘッジとしての機能が続く。WTI原油:61.7ドルで終了。
需給タイト感と中東情勢が背景。週を通じて底堅い展開。株式指数:
S&P500は堅調を維持。
一方でNASDAQはやや軟調。金利の高止まり観測がテックへの圧力となっている。
◆ CPIの結果と、見えてきた“構造的ズレ”
今週は、トランプ政権による関税発動後、初のインフレ指標となるCPIが発表された。
結果は市場予想を下回る内容で、現時点ではマーケットに「凪」をもたらしている。
しかし、FOMC後のパウエル議長のコメント通り、
「即時利下げ」という流れにはならないというのがFRBの基本姿勢だ。
現在、FedWatchで確認できるマーケットの織り込みでは、
7月に1度の利下げが見込まれているが、
実際の数字と期待のズレが生じたときこそがサプライズの瞬間となる。
今、市場が本当に注視しているのは以下の2点:
10%超の関税水準での貿易妥結が、物価へ波及するか
その結果として、雇用にどのような波及効果があるか
つまり、いまだスタグフレーションリスクの芽は消えていないということだ。
この構造の中で、舵取りをしているのがベッセント財務長官。
一方で、市場を揺さぶる要因としてのトランプの発言も健在。
「揺らされ、そして鎮められる」──今の米市場は、この2名による“往復ビンタの構造”になっている。
◆ 来週の注目指標
今週(5/20〜)は一見落ち着いて見えるが、観測対象は多い:
5/22(水)PMI(購買担当者景気指数)
→ 実体経済の先行指標としての信頼性ありその他注目:
・米石油在庫
・新規住宅販売件数
・英国・ドイツなどユーロ圏主要指標
米国だけでなく、世界の消費・建設・製造業にまたがる変数が同時に動く週となるため、リスクイベントとしての意識は持っておきたい。
◆ 投資スタンスと注釈(更新あり)
現在のポートフォリオは「ネガティブ→ニュートラル寄り」へと移行済み。
その上で、今週の変化点として米テックに対する見通しを再評価。
中東諸国からのテック企業への資金流入(ブルームバーグ報道)
→ 米国が投資マネーの流入先として選好されている構図が強まる
→ 特にテクノロジー関連は再び主役になりうると判断し、追加投資を行った
一方で、ムーディーズによる米国格付けの段階的な引き下げが報じられた。
警告色の強い評価ではあるが、市場の反応は「やはりか」という程度。
大きな動揺にはつながっていないが、“長期的な米ドル信用”という観点では継続的な警戒が必要。
◆ 今週のまとめと視座
市場は「凪」。だが、“見えにくいズレ”が進行している週だった。
スタグフレーションの足音は完全には消えていない。
テックは一度売られたからこそ、今後の資金流入先としての再注目もあり得る。
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