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ギザ(エジプト)の雑記|エジプトの洗礼編|海外ひとり旅

 一生に一度は見てみたいピラミッド。とは言えエジプトのみの旅行を計画するほどの熱量でもなかったので、世界一周のタイミングで行ってしまおうと思い旅行先に選んだ。
 ただ、エジプトは初心者には強烈な国だった。
 書き出すと止まらなくなったので、観光の話は別にして、エジプト人のたくましさと適当さについてnoteに残しておこうと思う。

空港到着からホテルまでの受難

 モロッコ・カサブランカ空港から2時間半ほど、北アフリカを横切りカイロに到着したのは20時半。エジプトは入国ビザがオンラインもしくは米ドル現金で必要と聞いていたが、カード支払いでも問題なかった。ただ、現金支払いとは窓口が別で、現金の列に無駄に並んでタイムロス。張り紙一枚でもあると嬉しいのだが。

 その時間はフライトが集中する時間帯だったようで、ビザも入国審査も満員電車並みの人だった。ホテルまで送迎を頼んでいたので、ドライバーに状況を随時共有しながらひたすら待つ(なお空港wifiは一切繋がらない)。

 やっと入国審査の順番が来る直前、ある女性が私の前の男性に話しかけたかと思うとするっと横入りした。この男性と一緒なの?と聞くと頷く。ただ男性は顔をしかめ肩をすくめる。すると私の後ろでベビーカーを押していた男性が、みんな並んでるんだからどきなさい、と女性に伝えた。
 彼女は男性を睨み、私は急いでるんだ、絶対に動かない!と開き直り、バトルが始まる。女性はfワードを連発し、子供をダシにして正論吐くな!とわめき、男性はstupid!と叫んでカウンターの職員にアラビア語で状況説明をする。結局職員が拒否してその女性は引き下がるのだが、捨て台詞に一番汚い暴言を吐いていき、男性が怒りで震える。周囲の人たちで信じられない…と顔を見合わせた。

ああ、エジプト、何だか疲れるぞ。

 そして。入国ビザはシールになっているのだが、スイスと韓国のスタンプの上にドカッと貼られ、ちょっとショック。パスポートには白紙のページの方が多いのに、わざわざ旅の思い出を潰さなくても良いじゃないか…

 フライト到着時刻からドライバーを2時間待たせ、文句を言われながらギザのピラミッドの傍に取ったホテルまで送ってもらう。チップに100エジプトポンド(310円)渡す。ぼーっとしていたのか、空港のATMでなぜか300ポンド(930円)しか下ろしていなかったので、手持ちが200ポンド札(620円)のみとなった。疲れているのでお金のことはまた考えよう。

最高のホテルと出会い

 今回のエジプト旅で幸運だったのは、ホテルLE GRAND PIRAMYDSを選んだこと。家族経営で、家族みんな笑顔でサービスしてくれ、オーナーは非常に親切だった。

 1泊目は無料アップグレードしてくれて、屋上にありピラミッドが見える、バスタブ付きの広い部屋に泊まることが出来た。
 またオーナーは観光時の細かい注意をしてくれた。声を掛けられても話に乗るな、ピラミッドの内部は無料のシャトルがあるからそれに乗れ、もし心配ならチケット売場まで一緒に行く、ただあなたにエジプトを楽しんで欲しいのでとにかく注意して、と念を押された。実際、このアドバイスを聞いていなければ、嫌な経験をしてエジプト嫌いになっていたかもしれない。

 このホテルは50%割引になっており、宿泊直前に予約したのだが、イラン攻撃の影響で予約の53%がキャンセルされたとのことだった。
 まだ新しいホテルなので、予約獲得もなかなか難しく、苦肉の策の50%割引だったそうだ。オーナーは悲しそうに、エジプトは何も危なくないのにみんな誤解している…と話していた。
 最初の印象が良かったので、その場で最高のレビュー投稿を約束する、と伝え、googleにも★5つで投稿しておいた。

 対応もさることながら、ウェルカムドリンクのマンゴージュースは人生で一番美味しかったし、ピラミッドを見ながら食べる朝食は、質もボリュームも素晴らしかった。

ホテルの屋上から大迫力のピラミッド
朝食はボリューミーで丁寧に準備してくれた


商魂たくましい客引き

 ホテルから歩いて2分の場所にピラミッドのチケット売り場があるのだが、まずそこに行くまでが大変だった。
 どこから来た?どこへ行く?名前は?日本人ならホテルの台帳に名前を書いてくれ!(架空の宿泊実績を作りたいのか)など、引っ切り無しに声を掛けられる。
 『優しく騙されやすい』日本人女性、しかも一人は恰好のカモなのだろう。最初は新鮮で面白く、機嫌よく反応しながら歩いていたのだが、ぼったくりラクダやガイドに導きたい彼らはしつこく追いかけてくるので、途中から名前を聞かれたらHello Kitty!どこに行くのかにはsomewhere!で答えていた。
 チケット売り場でも声を掛けられたので塩対応すると、キレ気味で「俺はここのスタッフだ!」と首から下げたIDを見せられた。彼はこの反応を毎日食らっているんだろう、大変だな。

 ホテルから大エジプト博物館へ行く時のこと。
 徒歩で45分かかるのだが、街歩きをしたかったのでマップを頼りに歩く。車道スレスレの細い道を歩いたり、横断歩道が無い片側3車線の道路をエイヤッと渡らなければならなかったりで、なかなかハードな道のりだったのだが、それよりタクシー勧誘がきつかった。

 声を掛けるだけなら良いのだが、クラクションを鳴らし、しばし並走されるのだ。最初はno thank youで断っていたが、ずっと並走してこられるとさすがに鬱陶しく、「話をしたくないので去ってくれ!」と日本語では絶対言わない語気の強さになったりもした(彼らからしたら何てことないのだろうけど)。

歩行者を想定していないだだっ広い道路


ピラミッドでの写真撮影

 ピラミッドに行った時のこと。
 入るとすぐにスフィンクスが見え、自撮りしようとスマホを構えると、そこにいた男性がスッと私の手からスマホを取り、写真を撮ってきた。
 ポーズを指示され、言われるがままに数枚撮られ、見せてもらうとうまいこと映っている。
 彼は首からIDぽいものを下げており、後で請求されるな…と一瞬迷ったが、写真の出来が良かったので、1000円くらいまでなら払おうかなと決め、そのまま数十枚ほど撮ってもらった。

 和やかな雰囲気の中、本当は17ドルだけど君は16ドル(≒2500円)で良いよ、と言われた瞬間、急に1ドルも払いたくなくなった。
 服の下に隠しているセキュリティーポーチに20ドル札を入れていたのだが、お金が無いの…とウェストポーチを開き、入っていた35ポンド(≒110円)を手渡す。こんなの1ドルにもならない、とムスッとして返してくる。

 困り顔をしていると、サングラスをくれと言ってきた。日本で買った安物だが気に入っており、この形は海外ではあまり無いことも分かっていたので、サングラスはあげられない、申し訳ないから撮ってもらった写真を削除するよ、とスマホを開くが、それは意味がない、と止められる。

 彼の言うことはごもっともなのだが、意地でもお金を払いたくない私はもじもじしながら彼の出方を伺う。すると、私が被っていた帽子をくれと言ってきた。旅行中に使い倒して汚れており、日本では使わないなと思っていたので喜んで差し出した。

 帽子は彼の頭には小さく、ちょっと悪いことしたな…と思ったが、アコギな商売をしている自覚はあるだろうから良しとする。


 この後も、絵葉書としおりをフリーと言って渡されてからやっぱりお金を請求されたり、この先に入るためにはチケットが必要だと嘘のとおせんぼをされたりと、小さなトラップが色々あり、一つずつクリアしながらピラミッドを観光した。

なお、帽子はやっぱり必要なので、その後トルコで840円で購入した



クセの強いUber

 安心安全なはずのUberも、エジプトでは一筋縄では行かなかった。
 最初に乗った時は、行先をピラミッドのチケット売り場と指定し、現金決済の設定としていた。

 やってきたドライバーが「ピラミッドを回るには10キロくらいあるので車かラクダをチャーターしなければいけない」と言ってきた。
 無料シャトルを使うから必要ないと伝えるも、スマホ翻訳で「正規の値段は4500ポンド(14,000円)するので、自分が安く案内する」などとあの手この手でふっかけて来る。断り続けるがいつまでも引かない。

 到着したところで130ポンドの代金を払うため、200ポンド札を渡そうとすると、今度はお釣りが無いとのこと。支払いをカードに変更しようと調べていると、外に居たセキュリティとドライバーが何やら揉め始めた。

 面倒なことになりそうだったので、車のダッシュボードに置いてあったいくばくかのお金を指差し、よこして!とひったくり数えると35ポンド。チップなんて1円たりとも払いたくないが仕方がない。200ポンド札を叩きつけ、165ポンドという法外な値段(510円くらいだが)を払って車を出た。


 大エジプト博物館から空港近くのホテルへ行く時もUberを使ったのだが、カード支払いの指定に対し、ドライバーがみな現金を要求するので、マッチしてはキャンセルされ…を繰り返した。

 あと何台断られたら虎の子の20ドルを発動しようか…などと考えながら、Uberを装ったタクシーが勧誘してくるのを断り続け、5台目のマッチでやっとカードでも乗せてもらえた。が、乗った直後に、現金無いならATMに寄ろうか?なんて言ってくる。明日の朝エジプトを発つので現金は不要なの、チップを弾むからカードでお願い!と頼み込みOKしてもらった。

 そのドライバーは陽気なおじさんで、タバコを勧めて来たり、助手席に座って欲しいと言ってきたり、結婚してる?なぜしていない?など、高速道路を走りながらスマホ翻訳でどんどん話しかけてくる。
 危なっかしいし面倒だしトホホな40分間だったが、なんだか憎めない人で、カード決済を受け入れてくれただけでも有難かった。

 降りる時、Uberのチップ最大額を選択する画面をこれ見よがしに見せ、プラスで現金35ポンド、合計200円くらいのチップを支払った。



 空港近くのホテルには、空港シャトルサービス有、とあったので依頼すると、ホテルスタッフからUberの方が良いよ、と押し切られた(朝早いのが嫌だったのかも)。
 もしまた現金しか無理と言われたり、お釣りが無いと言われた時に備え、スタッフに20ドル札の両替を頼んだ。ok、お金を崩したら連絡するよと快く言ってくれ、念のためwhatsappでも明確に要求しておいたのだが、当然のように何の連絡も来なかった。

 翌朝祈るような気持ちでUberを頼むとおじいちゃんドライバーが来て、「Terminal3?」以外の一言も発さず、カード決済で送り届けてくれた。
 普通のサービスに対し心から感謝の気持ちが芽生え、チップを弾んだ。


 入国ビザは外貨のみ、観光地では外貨+カードのみの場所もあり、Uberでは現金を要求されるなど、自国通貨が弱いお国事情を肌で感じたエジプトでの3泊4日だった。
 常にお金のやりくりを考えなければならないのはちょっとストレスだったが、私が現金を持たなさすぎるのが問題であったことも否めない。

結局、エジプトは楽しかった

 長々と書いたが、善意100%の嬉しい声掛けや交流もたくさんあった。
色んな人が笑顔で「welcome to Egypt!」と言ってくれて、エジプト人の強引さは即ち、人懐っこさや距離感の近さから来るものだと感じた。
 またここまで多くの人とコミュニケーションを取った旅行先は初めてで、エジプトに滞在していると確実にコミュ力が上がると思う。

 次の記事で書くピラミッドと大エジプト博物館は素晴らしく、トータルでは満足感のある楽しい旅行になったのであった。(ただし絶対にツアー旅行がお勧め!)

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