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高市自民は選挙に強いか?

 このようなタイトルをつけておいて明確なことは言えないのですが、どんなふうに明確に言えないのかということを簡単に書きたいと思います。


発足時の内閣支持率について

 まず、発足時の内閣支持率についてです。これは高いところだと産経新聞・FNNで75.4%、低いところだとANNで58.7%で、10月末の現時点までに発表された各社の世論調査の数字がこの間におさまります。平均は68.0%でした。報道では高めだという論調が多いように思います。

 ここで、「支持率が歴代何位である」といったたぐいの記事は特に参考にはなりません。第一に昔と今とでは世論調査の回答率が違い、第二に手法が違います。たとえば田中(角栄)内閣の頃だと、世論調査の回答率は80~90%くらいありました。それが小泉内閣の頃に60~70%になり、今はだいたいが40~50%前後になっています。これらを同列に比較したところで妥当な解釈は難しく、せいぜい話題作り程度のものにしかなりません。

 多くの調査では2016年以降に携帯電話やスマートフォンが調査対象に加わっているので、本当にきちんと比べられるのは、それ以降のすが 、岸田、石破内閣の発足時くらいになるでしょう。これらの比較からは、高市内閣の発足時の支持率は岸田や石破より高く、すが と同程度だということは言えそうです。

 とはいえ、発足時の支持率はそこまで深く解釈しようとしても仕方がありません。発足時の内閣支持率の高さは主に、多くの有権者が、選ばれた首相や閣僚をあまり知らないことによっています。その証拠に、時間がたつにつれて支持率と不支持率が逆転するのは一般的な現象であり、これまでのほとんどの内閣がそのような経過となっています(細川内閣は例外です)。発足時に与党が活気づいて、政権末期に野党が活気づくのはいつものことなのです。

 発足時にはその政権が何をするのかわからないから支持率が高く、やがて何をするのかが見えてくると支持率は低下します。はじめからそれを見越して”bet”しているのが不支持層にあたります。つまり発足時の支持率は判断の保留という面を、不支持率は判断の確定という面をもっています。新たな首相が早期の解散を選択する場合、選挙は支持率の高さというよりも、不支持率の低さ(批判の弱さ)で戦おうとする面があるのだと言えるかもしれません。

 発足時の内閣支持率は意味が希薄なので、「こけおどし」のようなものだとみなしておけば十分です。時間が経つにつれて内実のある評価が積み重なり、支持率の意味は濃くなります。半年や一年たったときにも依然として高い水準にあるのなら、そのときには「強い」ということになるでしょう。低くなるなら「弱い」ということです。これからの動きが重要です。そのあたりはきっちり追跡していきます。


公明党が離れたことなどについて

 自民党から公明党が離れた影響を見積もることは、現時点ではまだ困難です。自民党は公明党と26年も一緒にやってきており、その間に支持者の在り方も選挙の形も変化してきました。

 自民党はもちろん情勢調査を行いますが、そこで票を入れると回答した人が実際にどれほど入れてくれるのかということに、従来と同じような期待をもつことはできないでしょう。公明党の票は全政党の中で最も固く、小選挙区制のもとで大きな効果を発揮します。維新などの票は緩い部類で、頼りにすることができません。

 直近の自民党の支持率は上昇傾向にあるものの、従来と比べるといまだに低い水準にあり、高市内閣の支持率の多くは、他の政党の支持層や無党派層によって供給されています。参政党や国民民主党の支持層がどれほど自民党の候補に投票するのかも、予測の難しいファクターです。

 また、公明党が離脱した影響は、本当は票だけにとどまるのではありません。自民党はこれまで選挙運動の少なからぬ部分を公明党に依存してきており、公明党が抜けて選挙の際の活動量が低下することは「その時点の情勢調査の数字」だけでなく、「情勢調査の数字が投票日に向けてどのように変化していくのか」に関わります。

 これらのことから、自民党は情勢調査に確信を持つことができないでしょう。解散を選ぶとすれば、それはかなりの博打になるわけです。しかし高市氏はトランプ氏のように自身の周りをイエスマンで固めてしまったので、それが博打であることがどこまで伝わるのかは疑問です。わりと早期の解散を選ぶ可能性は否定できないかもしれません。

 もしも衆院選をやるのなら、自民党は従来よりも空中戦に頼った選挙をすることになるはずです。その時は、ネット上で排外主義的な主張が拡散されたり、デマが飛び交うのではないかということが大きな懸念事項です。昨今の選挙で問題になっていることでもあり、各政党は対応できるように備える必要があるのではないでしょうか。



 お読みいただきありがとうございます。今回は特に分析でもなく、少し書きたかったことを書いたというだけです。今後またいろいろな検討を行っていくので、よろしくお願いいたします。

2025.10.30 三春充希