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境界が溶ける街、グラナダ

ネルハから
太陽の海岸 (Costa del Sol) 沿いをぬけて
内陸の方へとバスで移動する。

青い海と爽やかな海風の風景から
緑の少ない乾燥地帯へと
丘を越えて進んでいく。

同じスペインでも、
場所によって、
こんなにも雰囲気が違ってくるんだな。

そう思いながら、
変わっていく風景を眺めていた。

バスに乗ること、5時間半。
グラナダという街にやってきた。

堂々と誇らしげな姿で
街に鎮座するグラナダ大聖堂。

黄金色がまぶしい装飾と、
息を詰めるような細密さに、
思わず立ち止まった。

どうだと言わんばかりの品々に
かつて世界の中心であった、スペイン、
大航海時代を感じた。

そして、
これだけの建築を完成するに要した、
財力、権力、植民地の資源に思いを巡らせた。


グラナダ大聖堂のように
所謂ヨーロッパ的な建築物がある一方で、
アラブの面影を残す旧市街地、アルバイシンなどもある。

迷路のような造りになっている
マーケットには、
アラブ文化を彷彿する、
色とりどりの布などが
所狭しと並べられていて、
何処からともなく、
エキゾチックなスパイスの香りも漂っている。

入り込んだマーケットの構造が頭に入らず、
今、自分がどこの国に来ているのかさえ
わからなくなっていた。

数時間前までいたネルハは、
遠い別の国のように感じた。


そして、
グラナダで最も有名と言っても過言ではないアルハンブラ宮殿。

美しい幾何学模様のような
繊細で規則的なデザインが施された天井、
開放的な中庭、
宮殿の建物と建物をつなぐ、理路整然とした小道。

その広さは想像を遥かに越え、
かつてのイスラ王朝の大きさを感じた。

外は、乾いた空気と灼熱の太陽。
歩くだけでも、身体に堪える。

その一方で、宮殿の中は、
ひんやりとした大理石、
中庭の大きな噴水など
涼やかに快適に過ごす工夫がたくさん施されている。


ここが、
かつてはイスラム王朝だったと思うと、
国境とは何なのだろうという思いが湧いてくる。

アルハンブラ宮殿、
アルバイシン、
アルカイセリア、
大航海時代を彷彿するグラナダ大聖堂。

この街にいると
国や時間軸を越えて旅をしているようで、
自分が今立っている場所が
曖昧になっていく感じがした。

それでも、
ここでは
多種多様な言語・文化背景の人たちの営みの層が重なっていることだけは
はっきりしていた。

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