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ぶった斬るシリーズ 第96弾「新幹線“自由席”は、本当に自由なのか?」

♦️前書き


この前な。

新幹線の自由席で、ちょっと面白い光景を見た。

席は空いてる。
でも座れない。

理由はシンプル。

席の上に、荷物が置いてある。

で、座ろうとした人にこう言うんだ。

「すみません、あとから友人来るんで」

……いや待て。

ここ、自由席だよな?

SNSではよく見る話らしい。
相席ブロック」とか言うんだと。

マナー違反だ。
迷惑だ。

まぁ、そりゃそうだろう。

でもな。

ミリムはその光景を見ながら、
ちょっと別のことを考えてた。

それ、本当に
マナーの問題だけか?

自由席って言葉のわりに、
あの車内、全然自由じゃないよな。

今日はそのへん、
ちょっとぶった斬ってみようと思う。




♦️登場人物紹介


▪️ミリム
「破壊の暴君(デストロイ)」の異名を持つ魔王。
面白そうな違和感を見つけると、すぐ首を突っ込む。
今回は新幹線の自由席に潜む「妙な空気」を見つけてしまった。

▪️ヴェルドラ
暴風竜(ストーム・ドラゴン)。
ミリムとは古くからの付き合い。
だいたいの話を「それおかしくないか?」と素直に突っ込む、読者目線の竜。

▪️ゴブタ
テンペストの住民代表。
難しい制度の話より、「それ普通に迷惑っすよ」で物事を見る生活者視点の男。
今回も新幹線の席取りを見て、率直な感想をぶつける。

♦️第1章
自由席なのに、自由じゃない


ミリム
「なぁヴェルドラ。人間の世界の“新幹線”って乗り物、知ってるか?」

ヴェルドラ
「お主、また妙なところに目をつけたのう。あの速い鉄の乗り物のことじゃろ?」

ゴブタ
「ミリム様、なんすか急に。旅でもするんすか?」

ミリム
「いや、この前ちょっと面白いもん見てな。新幹線の“自由席”だ。」

ゴブタ
「あー、聞いたことあります。早い者勝ちで座るやつっすよね。」

ミリム
「そう。それなんだけどな、席は空いてるのに座れない席があるんだよ。」

ヴェルドラ
「空いているのに座れぬ?どういうことじゃ。」

ミリム
「席の上に荷物が置いてある。」

ゴブタ
「あー……。」

ヴェルドラ
「なるほどのう。」

ミリム
「で、座ろうとするとこう言われる。“すみません、あとから友人来るんで”ってな。」

ゴブタ
「いやいやいや、それ普通にダメなやつじゃないすか!自由席っすよ?」

ヴェルドラ
「ふむ。待てミリム。そこは自由席なのじゃろう?」

ミリム
「そうだ。」

ヴェルドラ
「ならば、誰でも座れる席なのではないか?」

ミリム
「普通はそう思うよな。でも現実は、そう簡単じゃない。自由席って言葉のわりに、あそこは完全に椅子取りゲームだ。」

ゴブタ
「椅子取りゲーム?」

ミリム
「始発駅で並ぶ。席を取る。途中駅ではもう埋まってる。だから人は席を守ろうとする。」

ゴブタ
「荷物で?」

ミリム
「荷物で。」

ゴブタ
「いや、それ迷惑っすよ。」

ミリム
「SNSでも同じこと言ってた。“相席ブロックはマナー違反だ”“自由席なのに席を取るな”ってな。」

ヴェルドラ
「それはその通りではないか?」

ミリム
「まぁな。迷惑なのは確かだ。でもな、ミリムは見ててちょっと引っかかった。」

ヴェルドラ
「何がじゃ。」

ミリム
「それ、本当にマナーだけの問題か?」

ゴブタ
「え?」

ミリム
「自由席って言葉のわりに、あの空間は全然自由じゃない。座れるかどうかは、並ぶ時間、始発か途中駅か、席の数……全部で決まる。」

ヴェルドラ
「なるほど。」

ミリム
「つまりな。席を守ろうとする人間が出てくるのも、ある意味当然なんだよ。」

ゴブタ
「いやでも迷惑は迷惑っすよ。」

ミリム
「そうだな。迷惑だ。でもなゴブタ、この話たぶん人間のマナーの話じゃない。」

ヴェルドラ
「……ほう。」

ミリム
「もっと単純な話だ。」

ヴェルドラ
「単純とは?」

ミリム
「仕組みの話だ。」


♦️第2章
マナーの問題?いや、それ違うだろ


ゴブタ
「でもミリム様、やっぱ迷惑っすよ。自由席なのに席取るとか。」

ミリム
「そうだな。迷惑なのは間違いない。」

ヴェルドラ
「ならば話は終わりではないのか?」

ミリム
「いや、終わらない。ミリムが気になったのはそこじゃない。」

ゴブタ
「そこじゃない?」

ミリム
「ゴブタ、お前さっき言ったよな。“座りたいから”って。」

ゴブタ
「え?あぁ、そりゃ座りたいっすよ。立って新幹線とか嫌じゃないすか。」

ミリム
「そうだろ。人間はみんなそう思う。」

ヴェルドラ
「それの何が問題なのじゃ。」

ミリム
「問題は、その“座りたい”がぶつかる場所だ。」

ゴブタ
「ぶつかる?」

ミリム
「指定席が取れない。」

ヴェルドラ
「ほう。」

ミリム
「だから自由席に流れる。」

ゴブタ
「あー。」

ミリム
「でも自由席は少ない。」

ヴェルドラ
「なるほど。」

ミリム
「つまりどうなる?」

ゴブタ
「椅子取りゲームっすね。」

ミリム
「そういうことだ。」

ヴェルドラ
「では荷物を置いて席を守るのは、そのゲームの中の行動ということか。」

ミリム
「そう。」

ゴブタ
「でもそれズルじゃないすか。」

ミリム
「ズルだな。」

ゴブタ
「やっぱダメじゃないすか。」

ミリム
「でもな。」

ヴェルドラ
「まだあるのか?」

ミリム
「もし自由席がガラガラだったらどうなる?」

ゴブタ
「……誰も席取らないっすね。」

ミリム
「そうだ。」

ヴェルドラ
「つまり席が足りぬのか。」

ミリム
「そういうこと。」

ゴブタ
「でもそれ、誰のせいなんすか?」

ミリム
「そこだよ。」

ヴェルドラ
「ほう。」

ミリム
「人間の社会ってな、問題が起きるとすぐこう言う。」

ミリム
「マナーが悪い。」

ゴブタ
「まぁ言うっすね。」

ミリム
「でもな、大体それ違う。」

ヴェルドラ
「違うのか?」

ミリム
「本当の原因はもっと前にある。」

ゴブタ
「前?」

ミリム
「仕組みだ。」

ヴェルドラ
「仕組み。」

ミリム
「席が足りない。だから人は席を守る。
それだけの話だ。」

ゴブタ
「うわ……。」

ヴェルドラ
「確かにのう。」

ミリム
「だからミリムは思う。」

ゴブタ
「なんすか?」

ミリム
「席を守る人間を怒る前に。」

ミリム
「その状況、誰が作ったのか考えろ。」

ヴェルドラ
「……。」

ゴブタ
「……。」

ミリム
「自由席。その名前。
ちょっと皮肉すぎると思わないか?」


♦️後書き



新幹線の自由席。

名前だけ聞けば、
誰でも座れる席のはずだ。

でも実際の車内は、
そんなにのんびりした場所じゃない。

並ぶ者。
席を取る者。
席を守る者。
そして、立つ者。

確かにあれは、
ある意味で椅子取りゲームだ。

始発で並ぶ。
早く座る。
途中駅ではもう席がない。

そういう仕組みになっている。

でもな。

だからといって、
ルールを無視していい理由にはならない。

自由席の基本は
「一人一席」。

荷物を置いて席を占領する。
「友人が来るから座るな」と言う。

それは戦略じゃない。

ただのルール違反だ。

椅子取りゲームで
椅子を二つ三つ抱えて座る奴がいたらどうなる?

そいつは勝者じゃない。

ただの迷惑な奴だ。

自由席が椅子取りゲームなのは確かだ。

でもな。

そのゲームには
ちゃんとルールがある。

それを守れないなら、
最初からゲームに参加する資格はない。

それだけの話だ。



※この回は後日メンバー向けに整理します


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