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女性研究者支援の新制度が発表されるたび、静かに消えていく優秀な人たちのことを考える

特別枠が増えるほど、優秀な人が消えていく現実

文科省がまた新しい制度を発表した。

若手女性研究者を支援するため、大学が負担軽減の仕組みを整えれば年間最大5000万円の補助金を出すという。出産や子育てと両立できる環境を整え、女性研究者を増やして研究力を底上げする、ときれいごとが並ぶ。

だが現場を少しでも見ていればわかる。こうした「女性限定」の優遇が積み重なるほど、優秀な男性研究者は声を上げることなく静かに場を去っていく。

公募の半分近くが女性限定になる分野も珍しくなくなり、応募すらできない人間が増えている。文句を言えばすぐに「差別主義者」のレッテルを貼られると悟った人たちは、中国やアメリカに移るか、研究そのものを諦める。声が上がらないのは、彼らが沈黙を選んだからだ。残るのは制度を礼賛する側だけ。結果として研究室の競争力は確実に落ちていく。

属性で人を選ぶ政策が競争を壊す仕組み

入試の女子枠も教員の女性限定公募も、同じ発想から生まれている。性別という本人が変えられない属性で機会を区切り、特定の側だけを優遇する。

表向きは「多様性」や「是正」を掲げるが、実態は限られたポストと予算の奪い合いを歪めているだけだ。優秀でも男性であるという理由で門前払いされ、逆に属性さえ合えば基準が下がる。

これを続けていれば、全体のレベルが下がるのは当たり前だ。研究は能力と結果で評価されるべき世界なのに、属性を優先するたびにその原則が崩れていく。優秀な人材が去れば去るほど、残った組織はさらに属性重視に傾き、悪循環が加速する。これが「研究力の底上げ」の正体だ。

責任を取らない推進者が国益を削り続けている

この手の政策を推し進める人たちは、なぜか失敗の責任を一切負わない。数字が悪化しても「まだ支援が足りない」「社会の意識が低い」で済ませる。

国益を口にしながら、実際には優秀な人材を国外に追い出し、国内の競争力を削っていることに無頓着だ。現場で何が起きているかを知ろうともせず、きれいな言葉で補助金をばらまき続ければ解決すると本気で信じているのだろうか。

属性優遇を重ねるほど、本気で研究を続けたい人間ほど居場所を失う。残るのは制度に適応した人たちだけになり、創造的な研究は遠のいていく。これを「底上げ」と呼ぶ感覚自体が、すでに歪んでいる。

このままでは日本の科学技術は確実に地に落ちる

特別扱いを増やせば増やすほど、静かに消えていく人材は増える。

声を上げにくい空気が定着すれば、批判すら封殺される。結果として日本の研究現場から競争と緊張感が失われ、国際的な存在感は薄れていく。属性で人を選ぶ政策を続ける限り、優秀な人間から先にいなくなる構造は変わらない。

研究力を本気で高めたいなら、性別を問わず若手が長く安定して働ける環境を整えるべきだ。それを「女性限定」という形で切り分ける必要など、どこにもない。このまま進めば、日本の科学技術は絶対に地に落ちる。すでにその兆候は、静かに、しかし確実に広がっている。

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