戦後のレトロラベル|03
🧻 狸々…昭和の500枚、謎の迷宮入りラベル
これは推測ばかりの記事になります。ご容赦下さい。中央に「狸々」、上には「OKINA TOKYO(翁 東京)」という文字。下には「五〇〇枚入」(または100枚入り)。いったいこれは何のラベルだったのでしょうか?
■ 「狸々」と「翁」の謎
まず目に飛び込んでくるのが「狸々」という、どこか親しみのある名前。繰り返し字(々)を使ったこの言葉は、「たぬきたぬき」なのか、「りり」と読ませるのか、それとも別の意味があるのか、今となっては分かりません。
そしてブランド名と思われる「翁(OKINA)」長寿や縁起物を連想させるこの名前には昭和らしい素朴な信頼感があります。ロゴには笑顔の翁らしき人物の顔が描かれており、消耗品に込められた“まじめな安心感”のようなものを感じさせてくれます。
下部に小さく印刷されている「五〇〇枚入」という文字。これが、このラベルを読み解く手掛りではないでしょうか。
■ これは「チリ紙」ではなかったか?
500枚という量の多さは便箋や折り紙といった文具類にはあまり見られません。ですが戦後の家庭で日常的に使われていた「チリ紙」、つまりトイレットペーパー代わりの薄い紙(「落とし紙」とも言われました)なら話は別です。
「チリ紙」とは元々紙くずや古紙から作られた再生紙で、昭和20年代から40年代にかけて、多くの家庭のトイレで使われていました。現在のようなロール型のトイレットペーパーが普及する前、紙を平らに積んで束にした「チリ紙500枚入」はごく一般的な日用品でした。
当時の「チリ紙」には、こうした帯ラベルを巻いて売られていたものが多く、シンプルな図柄の中に親しみやすいキャラクター名やブランドロゴがあしらわれていました。「狸々」も「翁」も、まさにその系譜にあるように思えます。

でも、このラベルはよく見ると、文字通りの粘着面がある「ラベル」のようです。チリ紙の帯に別途ラベルを貼る形態は一般的ではなかったと推測されます。高級チリ紙があったとしても…。謎です。
■ メーカーの正体は、今も謎のまま
「翁」や「狸々」といった言葉を手がかりに商標登録や古い電話帳、業界名簿を調べましたが、今のところ該当する企業や商品名も見つかっていません。大いなる小さな謎を今に伝える名もなき日用品…。
■ おわりに──レトロラベルは、記憶の入口
この「狸々」のラベルが、実際にどこで売られ、どのように使われていたのかを完全に知ることは難しいかもしれません。1955年の小学3年生が作った「ラベル集」から、70年の眠りから甦った謎のラベルのお話でした。
※この記事は、「昭和30年前後に存在したラベル」を分析・推測したものです。企業名・製品名の正確な同定は現時点では未確認です。もし情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報ください。
