「くだらないこと」がくれる、優しい余白
毎日を丁寧に暮らそうとすればするほど、私たちの心は知らず知らずのうちに、少しだけ緊張しているのかもしれません。
「家のことをきちんとやろう」
「あの仕事の準備を進めておかなければ」
そんなふうに、意味のあることや、正しいことで満たされた一日の終わりに、私はふと、引き出しの奥にあるなんでもないものを引っ張り出してみたくなるのです。
たとえば、引き出しの隅で見つけた、いつかのお菓子のきれいな包み紙。
ただそれを、西日の差し込む窓辺にかざして、色の重なりをぼんやりと眺めてみる。
あるいは、お気に入りのペンのインクが、白い紙にじわじわと染み込んでいく様子を、意味のない線をただ引きながら、ただただ見つめてみる。
客観的に見れば、それはきっとくだらないことで、何の意味も、生産性もない時間です。
けれど、その役に立たない時間の中にいるとき、私の心はとても静かで、自由な呼吸を取り戻していることに気づきます。
何者でもない自分に戻って、五感の真ん中にある心地よさだけを、そっとすくい上げる。
そんな小さな、愛おしいくだらなさが、心を優しくほどいてくれるのです。
完璧な一日でなくても、効率的でなくても、私たちは十分にがんばっています。
ときには、誰の役にも立たない時間の中で、心をぷかぷかと浮かべてみるのも、心地よい生き方のひとつなのかもしれませんね。
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