(有料部分はおまけ程度。本文は無料です。)発達障害という言葉の、少しややこしい話。― 神経発達症について(第1回/全7回)―
今日は、以前に少し触れたけれど、本当はチャッピーに止められた内容を書く。
「教科書的なところは、わざわざしうまいが書かなくても、みんな書いている」
と言われた。
確かにそうだと思ったし、一度はやめた。
noteの中を見渡すと、とてもわかりやすい記事を書いている方がたくさんいる。
それでも!(パチンコネタ)今後、自分が神経発達症について何かを書いていくとき、それを読んでくれる人がいるならば、前提を何も説明しないのは不親切だと思った。
それに、自分の勉強も兼ねて、あえて整理してみたくなった。
すると今度は、
「とてもいいですね」
とか言ってくる。
やはり盲目的に信用していたらダメなやつだ。
最初に断っておく。
内容は教科書的だ。
そして、完全に正しいとも限らない。
自分で間違いに気づいたら直すし、
新しい知見が出れば更新する。
読むたびに少しずつ変わるかもしれない。
それは申し訳ない。
でも、それも含めて今の自分の理解だ。
そして、対象は医学知識が全くない人にむけてのつもりだ。むしろ、わかりづらい所があればそれはいつも自分が説明できていないということなので、どんどん教えて欲しい。
では始める。

「発達障害って、病気なの?」
外来で、よく聞かれる。
この質問の裏にはたぶん、
・治るのか
・薬でどうにかなるのか
・育て方の問題なのか
そんな不安が含まれている。
まずここを整理したい。
神経発達症は、風邪みたいに“かかって治る病気”ではない。
治る・治らない、という軸で考えるものでもない。
脳の発達の特性による偏り。
それが出発点になる。
生まれつきの脳の発達の特徴に関係するグループの状態
とも言い換えられる。
言葉の話を少しだけ
これまで「発達障害」と呼ばれてきたものは、
現在の国際的な診断基準(DSM-5-TR)では「神経発達症」という枠組みで整理されている。
ASDやADHD、LD、知的発達症などをまとめて、
“Neurodevelopmental Disorders(神経発達症群)”と呼ぶ形だ。
ただ現実では、「発達障害」という言葉も普通に使われている。
法律もその名称のままだし、
日常会話ではこちらの方が通じやすい。
だから実際は、両方の言葉が混在している。
この記事では、医学的な整理として「神経発達症」という言葉を使いながら、
文脈によっては「発達障害」という言い方も併用する。
名前が変わったからといって、本質が変わったわけではない。
大事なのは、構造だ。
神経発達症って何なのか
医学的に中心になるのは、主にこの3つ。
・ASD(自閉スペクトラム症)
・ADHD(注意欠如・多動症)
・LD(限局性学習症)
そして、そこに絡んでくるのが
知的発達症(いわゆる知的障害)。
全部まとめて「発達障害」と言われるけれど、
中身は違う。
ただし、独立していることもあれば併存もある。
よく使われる図だが、これがわかりやすいと思う。
重なり合うこともあるし、それだけのこともある。

へたくそだからです。
共通しているのは、
・発達期から続いている
・脳機能の偏りがある
・環境との相互作用で困りごとが出る
という構造。
神経発達症には、チック症や発達性協調運動症(DCD)など、他にもいくつかの診断がある。今回は混乱を避けるため、まずはASD・AD/HD・LD・知的発達症の話から整理していく。
個人の欠陥ではない
これは強く言いたい。
神経発達症は、
性格の問題でも
努力不足でも
しつけの問題でもない。
特性はある。
ASDなら、
・人とのやり取りが独特
・こだわりが強い
・感覚が過敏/鈍麻
ADHDなら、
・注意が散りやすい
・衝動的に動く
・じっとしていられない
LDなら、
・読み書きや計算など、特定の学習だけが極端に苦手
これは“やる気”の話ではない。
脳の処理の特性。
でも同じ特性でも、困らない人もいる。
なぜか。
環境との相性だ。
困りごとは相互作用で生まれる
自分の中ではいつもこう整理している。
神経発達症は、
特性 × 環境 = 困りごと
の問題。
つまり『その子の特徴』と『まわりの環境』の組み合わせで生まれる問題、というイメージである。
静かに座っていなければならない教室。
空気を読むことが前提の社会。
マルチタスクが求められる職場。
そこに注意が散りやすい特性があれば、困る。
でも、
明確なルールがある環境。
個人作業中心の場。
体を動かせる仕事。
だと、強みになることもある。
だからこれは「欠陥」ではない。
ミスマッチの問題だ。
なぜ“増えている”ように見えるのか
「最近、増えてますよね?」
そう言われる。
自分は、“増えた”というより
見えるようになった
という側面が大きいと思っている。
① 診断の整理
スペクトラムという考え方が広がった。
② 社会の要求水準の変化
空気を読む力、同時処理、集団適応。
③ 情報へのアクセス
保護者も本人も気づきやすくなった。
これは悪いことではない。
支援につながる入り口が増えたということでもある。
診断はゴールじゃない
診断はレッテルではない。
自分にとっては、
支援につなぐための道具。
診断があることで、
・学校での配慮
・福祉サービス
・医療的支援
につながることがある。
でも、
診断がなくても支援はできる。
大事なのは名前ではなく、
今、何に困っているか。
困りごとが軸になる。
ここから先は分解していく
ASDは
対人・こだわり・感覚の特性。
ADHDは
注意・衝動・多動の特性。
LDは
特定の学習の特性。
そこに知的発達症が併存することもある。
ここを混ぜると分かりにくい。
だから次回から、
1つずつ分けて書く。
今日は土台だけ。
神経発達症は、
治す対象というより
理解して整える対象。
良い悪いの話ではない。
困りごとがあるなら、
そこを一緒に減らしていく。
自分はそう考えている。
次回 ASDについて デュエルスタンバイ!
神経発達症シリーズ
第1回 神経発達症とは何か
第2回 ASDとは何か
第3回 AD/HDとは何か
第4回 LDとは何か
第5回 知的発達症とは何か
第6回 病院の役割は何か
第7回 発達障害は白黒ではない(まとめ
おまけ(HSPについて。読まなくても困らない話)
ちなみに、最近よく聞く「HSP」という言葉については、少しだけ立場を明確にしておきたい。
noteでは本当によく目にする言葉だ。
だからこそ、私がどう考えているのかも、どこかで触れておきたかった。
否定をしたいわけではない。
ただ、この話題は人によって受け取り方が大きく違う。
本編はここまでで完結している。
ここから先は、あくまで補足だ。
立場をはっきりさせる話になるので、
読みたい人の目にだけ届けばいいと思い、あえて有料にしておく。
前回の記事で「売れたい」だの「パチンコ代」だの言っていた人間が何を言うんだ、という感じもあるが、これは本当に利益目的ではない。
ここだけが切り取られて、意図と違う形で広がるのを避けたい。
そのための線引きだ。
あくまでおまけ。
本編の続きではなく、補足だ。
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