🩺医者シリーズ 第5話#小児科の“好きなところ”と“しんどいところ”── 正直に話す、小児科医のリアル
🪄 小児科は「かわいいだけ」の科ではない
小児科医として十数年働いてきたけれど、
なぜかよくこう言われる。
「子ども好きなんですね!」
「優しい仕事ですよね!」
……いや、あのね?
優しい日もあるけど、
優しく“してもらえる日”はそんなに多くない。
しかも小児科は、世間のイメージとは違って
“癒し系のゆるふわ科”ではまったくない。
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🧩 小児科に押し寄せる“なんでも来る”問題
たとえば内科なら、
• 消化器内科
• 呼吸器内科
• 内分泌内科
• 循環器内科
など専門がしっかり分かれていて、
自分が病気になったときも
「どこに行けばいいか」想像がつく。
でも、小児科は──まったく違う。
いわゆる一般小児科には とにかく何でも来る。
• お腹痛い(消化器)
• 咳が長引く(呼吸器)
• 低身長(内分泌)
• 食物アレルギー(アレルギー)
• 行動の相談(発達)
• 深夜の発熱
• そしてなぜかケガや歯の痛みまで
「いや、それ本来は別の科なんだけど…?」
という案件すら迷い込んでくる。
救急外来でもまず小児科に回されることが多く、
• 緊急性はあるのか
• 自分で診るのか
• 他科につなぐのか
• そもそもこれは小児科なのか
……を 瞬時に判断 する必要がある。
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🧠 だから、小児科医は常に判断し続ける
「どこまで自分で診るか」
「いつ専門に送るか」
この2つを、毎日・毎時間問われる。
小児科は“ミニ内科”でも“ミニ外科”でもなく、
子どもと家庭の 総合窓口 としての役割を担っている。
広さと難しさが全部ここに押し寄せるから、
好きじゃないと続けられないし、
好きなだけでは絶対に続かない。
今日はその “好き” と “しんどい” を、
小児科医の本音で全部書く。
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👶💡 (その前に、閑話休題。)とはいえ……研修医・医学生へ一言だけ(もし読んでくれた人がいれば…)
もしここまで読んで
「小児科、難しそう……」と思ったなら、
それで選択肢から外すのは違う。
むしろ、小児科ほど
医師としての基礎力が育つ科はない。
• 問診の極意
• 鑑別の広げ方
• 救急の初期対応
• 家族背景の読み取り
• 子どもの“変化”を見抜く目
こういう力は、実はどの科に進んでも役に立つ。
しかも、“小児科の見方・コツ” はちゃんと存在する。
このシリーズでも、
いつか研修医向けの小児科の攻略記事を書く予定。
だから、小児科を怖がって
選択肢から外すのだけはやめて欲しい。
あなたの強みが、小児科では武器になる。
本編に戻る
🌱 小児科の"好きなところ"
✔ 子どもの成長に立ち会える
ミルクが2mL → 5mL飲めただけで嬉しい。
言葉が1つ出るだけで一緒にガッツポーズしたくなる。
大人にはない、
“爆発的な伸びしろ” を見られる仕事だ。
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✔ 家族が一緒に育っていく
小児神経・発達ではとくにそう。
診断を伝える瞬間、張り詰めた空気の中で震える親。
支援が始まって数ヶ月後、表情が柔らかくなる瞬間。
医療というより、
家族の成長物語に並走する感覚がある。
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✔ 子どもはとにかく生命力が強い
昨日ぐったりしてた子が、
今日ケロッと元気になってゲームしている。
医療の教科書を普通に裏切ってくる“回復力の暴力”。
これが小児科のすごさ。
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😅 小児科の“しんどいところ”
✔ 深夜の小児科外来はわりとカオス
怒鳴る保護者、パニック状態、説明が通じない……
(もちろん普通の人のほうが圧倒的に多いけど)
深夜3時の
「明日の遠足行けますか?」
は、なかなかパンチがある。

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✔ 家庭環境が子どもへダイレクトに影響する
虐待、ネグレクト、不適切養育。
医療ではどうにもならない現実にぶつかる時がある。
そのたび心が削られる。
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✔ とにかく体力勝負
当直 → 翌日も通常勤務。
休みの日は書類と勉強。
コロナ禍では全員が限界突破していた。
働き方はかなり改善されつつあるけど、
“昔の小児科は普通に修羅場”だった。
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💡 それでも小児科を続けられる理由
• 子どもの変化が嬉しい
• 家族の表情が変わることがある
• 医療を超えて人間の成長に触れられる
• 「役に立てた」という実感が確かにある
結局、ここが大きい。
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🧠 発達に惹かれて、小児神経へ
小児科の“好き”が積み重なった先で、
私は小児神経に進んだ。
長く関わる医療がしたい。
子どもの育ちそのものを支えたい。
その気持ちは、発達外来と出会った時に明確になっていった。
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⏭ 次回予告
《医者シリーズ 第6話:小児科医が“発達”にこだわる理由
── 医療・家族・学校の境界線で見えた現実》
