産まれてすぐ、NICUに運ばれた君へ。小さかった君が教えてくれたこと
この記事はnote企画「#これから大きくなる君へ」に参加しています。私の子どもがNICU(新生児集中治療室)に入院していた頃のことを、いま改めて振り返って書いてみました。
君が元気に走っている姿を見るたびに、「よくここまで元気に育ってくれたなぁ」と、ふと思う瞬間があります。
でも、君が生まれたとき、私はすぐに抱っこできなかった。
私は、赤ちゃんを産んだらすぐに抱っこできて、きれいな産婦人科でお祝い膳を食べているものだと、当たり前のように思っていました。
SNSでよく見る光景を、私も当然のように経験できるんだろうなぁ、と。
だけど現実は、突然の破水から始まりました。
まだ妊娠8ヶ月。産休にも入っていない。
かかりつけの産婦人科に慌てて電話すると、「今すぐ来てください」と言われました。
その後、周産期センターのある大きな病院へ救急車で運ばれることに。
私はベッドの上で、陣痛を抑える点滴に繋がれたまま、動けずにいました。
入院から2週間が経った頃、「羊水が減ってきています。明日、お産にしましょう」と言われたその夜に陣痛が強まり、君はすぐに生まれてきました。
生まれたばかりの君は、1500gしかありませんでした。
君はすぐにNICUへ運ばれていき、私はただ、見送ることしかできなかった。
毎日1回、15分だけの面会。
コロナ禍の制限で、たった15分のために、車で1時間かけて毎日病院まで通いました。
雨の日も、雪の日も、君に会うことを目的に。
保育器の中で、たくさんの管に繋がれて眠る君の姿は、初めての育児とは思えないほど張り詰めたものがありました。
それでも、看護師さんから「今日は体重が10グラム増えていましたよ」と聞くたびに、私は心の中でほっとしていました。
君が少しずつ大きくなることだけが、私の支えでした。
だけど、気持ちはずっと追いついていなくて、理由もなく涙が出てしまい、気づけば泣いている日が増えていきました。
病院のスタッフの方が気づいて、臨床心理士さんとのカウンセリングを勧めてくれました。
「よく頑張ってきましたね」
たったその一言で、もうどうしようもなく涙が止まらなくなってしまいました。
NICUの看護師さんたちにも、何度も救われました。
ある日、涙が止まらない私に、看護師さんが声をかけてくれました。
「赤ちゃんは、お母さんが思っている以上に生きようとする力が強いんです。毎日、がんばっていますよ。」
その一言で、また涙が止まらなくなってしまった。
君は、あの場所でがんばっている。
私もしっかりしなくちゃ、と気づいた瞬間でした。
君が生まれてから、私は自分をずっと責めていました。
妊娠が分かってからも仕事の手を抜きたくなくて、いつも通りに営業先を回っていた。
それが早産の原因になったのかもしれないと、ずっと思っていました。
突然の入院で仕事の引き継ぎもできず、会社にも、君にも、申し訳ない気持ちで押しつぶされそうでした。
そして、コロナ禍だったから、誰にも会うことができなかった。
夫にも、両親にも、面会制限で一切会えない日々。
そのことも、当初は「どうしよう」と思ったけれど、逆によかったのかもしれないと思いました。
誰にも気を使わず、強がらず、無理に笑顔もつくらずに過ごせたからです。
あの時間があったから、崩れそうな気持ちをどうにか保てたのだと思います。
生まれて1ヶ月が経ったころ、君はGCU(新生児回復室)に移動し、保育器ではなくコットで眠るようになっていました。
その日、私はようやく君を抱っこすることができました。
初めて小さな体を抱いたとき、「ああ、やっと抱っこできた」と、静かに思いました。
それからの毎日は、君はどんどん大きくなっていって、生まれてから2ヶ月が経った頃にようやく退院が決まりました。
今では、私の手を振りほどいて走り出すようになったね。
これから大きくなる君へ。
焦らなくていい。
君のペースで、君らしく育っていけばいい。
そして、もしこの話を聞く日が来たら、私は君に伝えたい。
あなたは、「ママ、心配なんてしないでよ!」っていう声が聞こえてきそうなほど、生まれたときから強かった。
元気に育ってくれて、ありがとう。
いつか、この経験も誰かの安心につながることがあるといいな。
早産を経験した、ひとりの記録として残しておきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは、ありがたくコーヒー代に使わせていただきます☕️