優しい主人ほど、許可を曖昧にしない――「座らせていただいてもよろしいですか」に宿る立場
これは、私が従者と築いている「許可制の主従」について書いたものです。
私は普段、自分を優しい主人だと思っている。
怒鳴らない。
威圧もしない。
いわゆる「ドミドミした主人」を演じることにも、あまり興味がない。
だからなのか、ときどき勘違いする従者がいる。
優しい主人なら、このくらいはいいだろう。
親しくなったのだから、いちいち許可を取らなくてもいいだろう。
少しくらい言葉遣いが崩れても、気にしないだろう。
そうやって、ほんの少しずつ立場を忘れていく。
私は、そういう小さな変化をよく見ている。
そして私にとっては、怒鳴らなければ維持できない主従より、椅子へ座る前の一言だけで維持される主従のほうが美しい。
だから、一緒にいるときは許可を取らせる。
座るとき。
食べ始めるとき。
私の判断に属することをするとき。
勝手には動かない。
それを窮屈だと思う人もいるだろう。
けれど、心地いいと思う人もいる。
私は後者と主従を築きたい。
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