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okinawa_omiyage
【創作】幼馴染はじめました
あの子は夏休み前に転校した。
告白できなかったオレの初恋は幕を閉じた。
社会人になっても、ふとした瞬間に思い出し、
やさしい痛みを感じさせる。
そして今、新しい職場で
「はじめまして」
と差し出された手。
同じ名前。
同じえくぼ。
忘れるわけがなかった。
それでも「はじめまして」と返した。
彼女は覚えていない。
それでいい。
また会えただけで十分だった。
隣の席で関係はゼロから始まった。
ある朝、彼女はダンボールを持って、
階段を降りようとしていた。
バランスを崩す。
身体が勝手に動き、思わず叫んだ。
「みっちゃん、危ない!」
間に合った。
彼女の腕をつかみ、
自分が何を叫んだか気づいた。
小さい頃に呼んでいた彼女のあだ名。
慌てて彼女の名字を呼び直そうとして、
盛大に噛んだ。
彼女はきょとんとして、
それから、ゆっくり目を見開いた。
忘れていた記憶が、
あだ名ひとつで溢れたように。
「…けんちゃん?」
もう一度、ゼロから。
いや、続きから。
また、幼馴染はじめました。
文字数…408文字/410文字
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