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『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』 第29話「大いなる業」

 トレバーたちが足を踏み入れた地下宮殿で待っていたのは、難民たちと使うあてもない財宝、王と王妃の朽ち果てた死体だった。半ば狂気に陥っていたザンフィアを説得するサイファだが、そこにラッコ率いる魔物たちがなだれ込む。一方、難民を収容したドラキュラ城にも、ドラガンの軍が迫っていた。

作品のまとめ記事はこちら。

 前回、ヘクター/アイザックパートが怒涛の(ほぼ)完結を迎えましたが、元祖主役三人組の方は、今回は決戦を目前にした嵐の前の静けさといった内容です。
 前々回、ザンフィアが首元に取り付けられた追跡石は気付かれることなくそのまま残っており、ラッコとヴァーニーはその力でついにトゥルゴヴィシュテの地下宮殿の在処を突き止めてしまいます。
 しかしいよいよ襲撃という段階になってから二人は罵り合いを始めてしまうのですから、本当にどうしようもありません。
 えらい勢いでエスカレートする二人の口論ですが、ラッコがヴァーニーを三流吸血鬼呼ばわりするのは無理はないとして、ヴァーニーの方はラッコを戦争既知外と罵るのがちょっと面白い。(もっとも、ラッコの方は戦闘イコール虐殺と言い張っているのですから、これも無理はありません)
 そんな中、ヴァーニーが自分を指した言葉が何やら意味深でしたが……

 さて、その頃地上では、上から目線のザンフィアに業を煮やしたサイファが食って掛かるのをトレバーがフォローするという普段と逆の構図になりつつ、ようやく二人はザンフィアの案内で地下宮殿に足を踏み入れます。迷路の先、厳重な守りの先にあった地下宮殿は――しかし地上と対して変わらぬ、絶望と退廃に取り憑かれた人々が屯する空間でした。
 違うのは金貨の山などいかにも高価そうな宝がそこかしこに山積みになっていることですが、外に持ち出して使わないのであればなんの役にも立ちません。
 そしてザンフィアの制止を振り切って半ば強引に最奥の玉座の間に足を踏み入れた二人が見たものは――既に朽ち果て、ミイラ化した王と王妃の死体でした。

 しかし、ザンフィアは王たちは眠りについているだけでいずれ目覚める、街の民はそのために耐え忍び、奉仕すべきだと言い張ります。もちろん吸血鬼ではあるまいし、そんなことはあるわけはないのですが――しかしザンフィアは王たちの復活に固執し、既に精神の均衡を失っているように見えます。
 いや、見えるのではなく、実際に失っていることは、ザンフィア自身理解していると彼女は語ります。あのドラキュラ侵攻の夜、空に巨大なドラキュラの顔が浮かんだ時に、自分は狂ってしまったのだと……
 それでも生き延びた彼女は、ありもしない王の復活にすがるしかなかったのでしょう。そしてその在り方は、既に地獄に居るドラキュラ復活を望む者たちと、よく似ていると感じられます。

 もっともサイファにとっては、そんなことにしがみついて地上と地下の民を犠牲にしているのは許せないことも間違いありません。一方、怒るサイファとザンフィアその対立を尻目に、トレバーは宮殿のお宝を漁り、北欧の吸血鬼ハンターがインドの鍛冶職人に作らせたというわけのわからない経歴を持つ、短剣から十字剣に変形する奇剣を見つけたりしてご満悦です。
 ちなみにここで吸血鬼が十字架を苦手とする理由として、吸血鬼の特殊な視界は、幾何学的模様が入ると混乱する云々とトレバーが語っている(だからインドの吸血鬼にも十字架は効く)のですが、これは日本で籠目が魔除けになっているのと通じるものがあって興味深いですね。

 そんな時間もつかの間、冒頭のとおり場所を知ったラッコ率いる魔物の群れが、壁を突き破って地下宮殿への攻撃を開始することに……

 一方、ドラキュラ城では、アルカードに受け入れられた難民たちが幻想水滸伝で本拠地を手に入れた時みたいな感じで生活を始めています。そんな中、アルカードは城の上の張り出しでボーッとしていたところに下から子供たちに声をかけられ、そこからイーグルダイブ――そして寸前で空中静止して「ばぁ」という斬新過ぎるムーブを披露。そこをグレタに目撃されて恥ずかしい感じになっていますが、かつて城には子供は自分一人しかいなかったことを思い、子供についつい構ってしまう気持ちはわかります。

 しかし、そんな間も、サンジェルマンは密かに城内に魔法石を仕掛けつつ、ドラガンの軍隊に合図を送ります。そして城に向けて進軍を開始した魔物たちの群れの中には、新たな吸血鬼の姿が。そしてあの安定がなさそうでありそうな二足歩行の巨体は――『蒼月の十字架』でお馴染みのゲーゴス!? 
 こんなボスキャラまで投入されては苦戦は必至。はたしてアルカードたちの運命は……


作品のまとめ記事はこちら。


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