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『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』 第25話「立ち去る選択」

 魔術師の街を魔物を使って再建するアイザックに、その理由を問うハエの魔物。その頃、最前線ではモラーナとストリーガがこの戦いの行く末に不安を抱く中、村人たちの集団が襲いかかる。そしてトゥルゴヴィシュテでは、トレバーたちが街の惨状を目の当たりにしていた。

作品のまとめ記事はこちら。

 このシーズンが始まってから初登場となったアイザックですが、前シーズンラストでレギオンを操る魔術師と戦った街にまだ留まり、魔物たちに死人の埋葬と壊れた建物の再建をさせていたことが語られます。埋葬はともかく、青空の下で魔物たちが壁を補修したり資材を運ぶ姿は、シュールですらある奇妙な景色ですが――その理由を問うハエの魔物と、アイザックは問答します。

 我ら魔物たちは、破壊と殺戮のための存在であるはずというハエの魔物に対し、そうではない可能性を語るアイザック。かつては神の愛に悩み、ドラキュラに依存したアイザックは、ドラキュラ亡き後の出会いと戦いの中で、少しずつ――そして作中の登場人物の誰よりも大きく変わった、いや成長したといえます。地獄の死人を魔物として甦らせ罰として働かせるという、自分がこれまで信じてきた悪魔精錬士としてのあり方を否定し、誰かの手で振るわれるナイフではなくその手であろうとする――運命や状況に流される者がほとんどである本作において、そんな彼の姿は大いに魅力的に映ります。

 そしてそのアイザックにとって、ドラキュラの復活はもはや意味があるものとは感じられないのでしょう。魔法の鏡で連絡を寄越し、協力を要請するヴァーニーをぞんざいにあしらい、鏡に着信拒否を命じる(本当にそんな感じ)アイザックの姿に、迷いはありません。

 その一方で、大いに悩み、不安にかられていたのは、モラーナとストリーガの二人です。カーミラの回廊構想を実現するため、最前線の状況視察にやってきたストリーガと、兵站担当として彼女に同行してきたモラーナですが、後方支援がメインのモラーナにとって、戦場の状況は耐えられるものではありません。いや、耐えられないのはそのことではなく、この戦いがいつまでも終わらないのではないか、ということ――人間を豚並みの存在と見なすモラーナですが、しかしそれでも人間は知恵を持ち、力を合わせて反抗する存在でもあることを、彼女は知っているのですから。

 そしてそれを証明するように、夜明けを見計らって吸血鬼たちの駐屯地を襲撃してきた人間たち。ストリーガは昼間用の装備――鴉を思わせる禍々しい装飾(顔を日光から守りつつ視界を確保する黄色のガラスパーツが格好良い)の鎧をまとい、みんな大好き背丈ほどもある超幅広大剣を手にして、単騎で数多くの人間たちを文字通り叩き潰していきます。

 見るからに武人キャラのストリーガですが、考えてみれば彼女のアクションシーンはこれが初めてであったはず。メトロイドヴァニアというよりもソウルライクな感じの存在感の彼女の戦いぶりは、作中でも随一の禍々しさを感じさせますが、この戦いの状況には観ていて違和感を覚えます。それは完全武装のストリーガと対比するように、人間たちが貧弱な装備――ほとんど普段着と、人によっては農具しか手にしていないことに由来します。
 そう、彼らは兵士などではなく、地元民のレジスタンス――いわば戦闘の素人。そんな彼らが必死に歯向かってくる姿に、ストリーガもまた、モラーナと同様の不安を抱くのでした。

 そんなところに魔法の鏡で通信してきたカーミラは、ヘクターが魔物を作り始めると告げるのですが、それが本当に状況を変えるのか……

 そして今回のラストでは、トゥルゴヴィシュテでのトレバーとサイファの姿が描かれます。冒頭の魔術師の街とはまったく対照的に、人間はいるもののまったく復興が進まず、街全体が死と困窮に喘ぐかのような状況でザムフィルと再会した二人は、上から目線の彼女をそっけなく扱います。もう人のために戦うのを止めたいと思っているサイファたちですが(この辺りも冒頭のアイザックと対照的)、結局二人が戦いを放棄するとは思えません。

 とはいえこちらも泥沼の状況。前々回見つけた魔法の短剣と、前回見つけた光る石を組み合わせると何やらパワーを発揮する――という妙な発見が、この先でどのように影響するか、それはまだわからないのです。


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