『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』 第27話「よみがえり」
アルカードとグレタの指揮の下、ダネスティ村からドラキュラ城まで移動する村人たちを次々と襲う魔物。その頃、スティリアでは、レノーアがヘクターにカーミラの世界征服計画を語り、不安を口にする。一方、アイザックは魔物の軍団を指揮し、魔法の鏡を使ってスティリアに攻め込もうとしていた。
作品のまとめページはこちら。
シーズン4も折り返し地点で一気に物語は動き始めた感があります。
前回ラストにダネスティ村の人々をドラキュラ城で保護することになったアルカードですが、昼まで待てないということか、戦慄の夜が訪れた間に移動を開始。これは逆効果なのでは? と観ながら思っていたらグレタも同じ疑問を口にしますが、訓練された魔物は指揮官たる吸血鬼がいなくても昼間に活動できる、吸血鬼に察知される前に動こう――と、これはこれで納得の理由をアルカードは語ります。というより、昼間はアルカード自身の活動が(100%ではないものの)制限されかねないわけで……
しかし、いくらなんでもドラキュラ城まで歩くのは無理では? と思いましたが、前回のグレタのセリフによれば、村から城までは30キロ以上離れているとのこと。逆にいえばそれよりも少し多いくらいであれば、一晩で歩き通すのは無理ではないでしょう。(アルカードが二話かけて馬を飛ばしてきたので、めちゃくちゃ距離があるような気がしてました)
とはいうものの、その間もサンジェルマンが密かにドラガンに毒づくほど、魔物の襲撃は幾度となく続き、アルカードとグレタはもちろんのこと、村の人々も必死に戦うことになります(本作の中世市民の皆さん、魔物に負けずに戦うのがいい)。しかしその一方、苦しい旅路の合間にもアルカードはグレタと言葉を交わし、シーズン3でのつらい経験を語るなど、すっかりうちとけた様子。グレタも男女同時に付き合ってたら修羅場が――と何気に豪傑ぶりを語りますが、この二人かなりいい感じです。
そんな中、グレタにアルカードは語ります。自分の生き方は、孤独・戦い・救済(人助けだけでなく、自分自身の救いも含むのでしょう)の繰り返しだと――しかしアルカード自身は、既にそんなエンドレスワルツが自分の運命だと受け入れたようです。その後の彼の人生を思えば、何とも考えさせられる言葉ですが、彼の中では少なくともシーズン3の傷は癒えつつあるのでしょう。
そしてドラキュラ城に到着して、容赦なく不気味だなんだと突っ込むグレタに、ちょっと引いた顔で、あの城で子供時代から育ったんだと言うアルカードが妙に可笑しい……
一方、もう一人のシーズン3の犠牲者であるヘクターは、いよいよ悪魔精錬を開始します。しかし開始早々にレノーアは作業をストップさせ、自分が抱える不安をヘクターに打ち明けるのでした。
カーミラは当初語っていたスティリアからブライアまでの地帯を支配して「食料庫」にするに留まらず、それを足がかりに世界すべてを(シーズン2で死んだ各国の吸血鬼たちの領地を)奪う気だと。自分はカーミラに利用されたと語るレノーアに対し、ヘクターは自分がドラキュラにされた仕打ちと同じだと語ります。
というわけで、以前、モラーナとストリーガが語っていた、戦いは終わらないのではないかという不安は杞憂ではなかったことが明らかになりました。それでも、ここでの二人の姿は、悩み(弱み)をためらわずに語るレノーアと、それを自分の経験と照らし合わせながら受け止めるヘクターと、なかなか理想的に感じられます。
そして互いを受け入れ合う男女という点では先輩の、トレバーとサイファは相変わらずトゥルゴヴィシュテをうろついている最中。そんな中、サイファは冒険に夢中になって状況に流され、自分で考えることを忘れていたことを認めますが、これこそ、シーズン3ラストでトレバーが指摘していたことなのでしょう。
こうして自分自身で考えるようになったサイファですが、街の人々の姿に苛立ちを露わにします。というのも彼らはただ毎日生きのびるために活動するだけで、街の復興のために前向きに動いていない――まさに流されているだけ。しかしサイファがそんな状況を我慢できず、人々を指導して動き始めるのは語り部の一族ならではですが――それだけでなく、王族のために人々の食料を奪っていこうとするザムフィルに臆することなく噛みつき、意見を認めさせるのは実に彼女らしいところでしょう。
そんなサイファを惚れ惚れと見ている感じのトレバーは、自分にできることとして吸血鬼がどこに潜んでいるか分析を始めたものの、その分析は速攻で当たり、羽根のある魔物が地下から飛び出します。魔物自体は速攻で倒されたものの、ザムフィルは首の後ろに何やら魔法の追跡装置的なものを仕掛けられてしまったのが気になるところです。
そして、ラストに登場するのはアイザック。ついに魔術師の街の復興を終えたらしく、大量の魔物たちを集結させたアイザックは、巨大な魔物の鏡を用いてスティリア征服を宣言――雑魚は魔物たちに任せ、ヘクターは自分自身で殺すと決めているようですが……
というわけで、久々に主人公たちが全員登場、四つの舞台でそれぞれ動き出した姿が描かれた今回。特にアルカードとヘクターが復活しているのが嬉しいところですが、彼らを含めた主人公たちの姿からは、本作では自分自身の意思で生きることを何よりも重んじていることが感じられます。
そんな自分自身の意思を持った主人公たちの運命は、いかなる形で交錯するのか――いよいよクライマックス突入です。
作品のまとめページはこちら。
