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『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』 第28話「私の血に値しない者ども」

 スティリアのカーミラの城に奇襲をかけるアイザック。その隙にヘクターはレノーアを結界に閉じ込め、単身アイザックと対峙する。しかしアイザックは自分の望みは復讐ではないと見逃し、ヘクターは指を犠牲に魔物を止める。そしてアイザックは満身創痍のカーミラと最後の戦いを繰り広げるが……

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 いよいよシーズン4も、いやこの作品も残すところ5話、ここから一気にクライマックスに突入します。

 突如としてスティリアの空に出現した空間の切れ目――それは魔術師の街とスティリアを結ぶ魔法の鏡の出口でした。しかし結構空中に出現したのは、魔術師の街の塔の上から繋いだからなのでしょうか。いずれにせよ、そこからポロポロ飛び降りる魔物たちはともかく、アイザックは――と思いきや、有翼のちょっとイケメンの魔物(『闇の呪印』でアイザックが使っていたイノセントデビルのジ・エンド?)に捕まって宙に舞います。
 スティリアの城を守るのは、カーミラの吸血鬼兵とヘクターが作った魔物、そしてモラーナが手配した人間の傭兵たち。そんな守備戦力を、数百にも及ぶアイザックの魔物が蹂躙していきます。

 その襲撃を察知して、ヘクターを逃がそうと現れたレノーア。しかしヘクターは用意していた魔法の結界でレノーアを閉じ込めると、サンジェルマンに魔法の鏡で通話してドラキュラ復活のアドバイスを与え、自分は覚悟を決めた表情でアイザックを待ちます。そして現れたアイザックがレノーアを殺そうとするのを止め、首を差し出すヘクター。しかしアイザックは、もう復讐のためには戦っていないと語り、ヘクターを殺す気もないと告げるのでした。
 その言葉に応え、あらかじめ場内に設置していた魔法の石を用いたカーミラの部屋への道をアイザックに託すヘクター。さらに彼は、自分に与えられた束縛の指輪の魔力から逃れ、自分が作った魔物の応戦を止めるため、指輪の嵌まった指を切り落とします。ここでヘクターが語る指輪の魔力とは、ヘクターの行動がレノーアやカーミラたちに筒抜けになるというもので、もっと精神操作系かと思いきやちょっと拍子抜けではあります。しかし、騙し討ち同然とはいえ、愛し合う中で自分が与えた指輪を、指を捨ててまで外す男を見て、レノーアはどう思ったか……

 そして乱戦の中、ヘクターが用意した魔法の石を発動させるアイザック。これは単純なポータルというだけでなく、一種の物理的な結界でもあるらしく、運悪く発動の現場に遭遇した者たちは切り裂かれ、カーミラも自室に閉じ込められることになります。そのカーミラは、無数の魔物たちに襲われたのを返り討ちし、その血が川のように城の床を流れるほどになったものの、彼女も無傷ではありません。
 そのカーミラに対し、自らの手で戦いを挑むアイザック。さすがに一騎打ちではなく、要所要所で魔物たちがフォローするものの、これは悪魔精錬士としての彼の戦い方なのですから文句はないでしょう。しかしそのアイザックをしても、カーミラに止めを刺すのは容易ではありません(というより、吸血鬼のカーミラと互角に肉弾戦を展開するアイザックが異常)。それでも追い詰められたカーミラは、己の最後の時を悟ります。
 しかしアイザックの手にかかることなく、自ら自決――というより盛大な大爆発を起こすカーミラ。登場シーンからアイザックを献身的に支えてきたジ・エンドは、ここでも彼を守り、アイザックは無傷で戦いを終えるのでした。

 その爆発を、ちょうど城に帰還直前だったモラーナとストリーガが目の辺りにします。カーミラの死を直感した二人は、城に戻って仇討ちを挑むのではなく、これまで攻め取った領地に依り、二人で生きる道を選びます。おそらくは、彼女たちにとってはこれが最も幸せな道かもしれません。この先、彼女たちが物語に絡むことはもうないのでしょう。

 そしてレノーアを地下牢に閉じ込め、自室で待っていたヘクターの前に現れたアイザック。ヘクターはドラキュラ復活を持ちかけますが、アイザックはそれはヘクターの贖罪のための行動に過ぎず、その贖罪も既に終わっていると応えます(シーズン3で酷い目に遭ってきたからね……)。
 自分たちがやるべきことは、ドラキュラやカーミラがそうしてきたように、誰かの道具として動かされるのではなく、自分の意思で歩むべき道を――生き方を決めること。奇しくもこれは、アルカードやトレバーが気付いている(気付きかけている)ものと同じですが、やはりこれこそは、この物語の結論なのでしょう。
 その道を最初に歩むことになったのが、様々な人物(人間以外も含む)との対話を通じて、最も早くそれに気付いたアイザックだったのは、故なきことではありません。人間の未来のために何かを残したいと語る彼には、ドラキュラ城にいた時の自罰的な鬱屈した姿はもうありません。レノーアとこの地で生きたいと語るヘクターにも、彼なりの明るい未来は待っているのでしょうか。

 かくして、意外にもシーズン4後半突入一話目で退場となったカーミラ。そしてこれは、アイザックとヘクターが実質的に物語から退場することを意味するのでしょう。結局ほとんど全く主人公組と絡まなかった(戦わなかった)のはどうかな、という気はしますが、上で述べたようにアイザックの変化こそがこの物語の目指すところを体現したものであるとすれば、それもまた良しとすべきでしょうか。
 少なくとも二人にはもはや復讐の意思はなく、そして人間を(必要以上に)傷つけることもないのでしょうから――これは、『闇の呪印』のあったかもしれないもう一つの結末なのかもしれません。(いや、あっちのアイザックはアレだからそれはないか……)


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