『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』 第2話「死の街」
トレバーが向かったグレシットの街では、夜毎魔物が人々を襲い、多大な犠牲を出していた。しかし街の人々は、被害は旅の「語り部」たちのせいだと思い込んでいた。語り部の長老を襲った教会の手の者を叩きのめしたトレバーは、なりゆきから地下墓地で行方不明になったという長老の孫を探すことに……
前話の紹介はこちら。
前回、ムルデヌの村のパブでトレバーが登場したところで続くとなりましたが、今回はそのパブで、前回からアレっぷりを発揮していた村人たちとトレバーが乱闘を繰り広げることになります。これがその前の口論を含めて結構長い尺なのですが、しかしその中で、トレバーに関する二つの重要な点が描かれています。
一つはトレバーのキャラクター――いかにも冒険者という外見のトレバーですが、その内面はかなりのノリが良い、そしてちょっとやさぐれた兄ちゃん。村人たちに絡まれても気の利いたセリフで切り替えしたり、その一方でどうにもならないと見るや容赦なく(といっても素手でやっている辺り、十分手加減していたのは後でわかりますが)ぶん殴ったりと、初登場からかなりはっちゃけた暴れぶりを見せます。
そしてもう一つは、トレバー、というよりベルモンド家の作中での立ち位置です。前回のラスト、気に入らない貴族の代名詞的に村人の口からベルモンド家の名が挙がりましたが、今回さらに語られたベルモンド家が忌避される理由は、貴族である以上に、異端のため――黒魔術を用いて魔物たちを呼び出したと、世間から思われているからであるとわかります。
原作ゲームの設定では「そのあまりにも人間離れした能力のために、人々からは恐れられ、疎んじられてきた」とあるベルモンド家ですが、本作ではさらにそれを踏み込んだ形で描いているといえるでしょう。そしてこの設定は、さらにある意味を持つのですが――それは後述。
さて、村での悶着の後にグレシットの街を訪れたトレバーですが、前回ドラキュラの軍勢が向かった結果、街は大層ゴアゴアな感じで死者が溢れ、住人たちはその片付けに追われている状況。それでも魔物の来ない昼間は市場が立ち、それなりに普通の暮らしを送っているように見えるのは、どこかリアルと感じます。
そして街で情報収集するトレバーが耳にしたのは、この街の地下には伝説の英雄「眠れる兵士」が眠っていることと、そして今の災厄は街にやって来た「語り部」たちがこの英雄を封じ込めてしまったからだということ。もっとも、ドラキュラ世界の街の人間は嘘を言うことがあるので要注意ですが……
さて、この「語り部」は本作独自の設定かと思いますが、居住地を定めず旅を続け、知識を学び、集める人々の集団とのこと。その知識でもって苦しむ人々を助けるのを旨とする人々ですが、しかし自分たちの権威を揺るがすような相手は、徹底的に排除にかかる教会からは敵視されている状況です。
放浪の(教会から)差別される人々というのは、実在のある人々を連想させられますが――あくまでもそれはこちらの深読みでしょう。しかしブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』で「彼ら」がドラキュラの手下扱いであったことを思えば、それなりに考えさせられるものがあります。
それはさておき、語り部の長老が教会の人間に暴行を受けようとしている場に出くわしたトレバーは、ため息をつきつつも割って入り、彼らを叩きのめします。この時、相手も武器を持っていたとはいえ、ベルモンドの代名詞というべき鞭を振るい、しかも欠損ダメージまで与えるのはちょっとやり過ぎ感もありますが――しかしその後の長老との会話の中で、その理由がわかります。
先に人々から激しく忌避されていることが語られたベルモンド家ですが、それはある意味政治的理由によるもの――要するに教会が人々を扇動した結果であることが語られます。それ故、同様の目に遭っている語り部たちを見過ごせず、そして教会の人間に過剰に報復したわけですが、むしろここで注目すべきは、ドラキュラ(の妻のリサ)もまた、同じような形で教会によって苦しめられたことでしょう。
その点においては、本作におけるベルモンド家とドラキュラはコインの裏表。同じ教会とそれに扇動された人々の被害者である彼らが、宿敵として対峙することになる――なるほど面白いアレンジだと思います。
さて、トレバーは、語り部たちが街を去らない理由の一つが、長老の孫が「眠れる兵士」を探しに街の地下墓地に潜り込んで消息不明となったことだと知ることになります。このまま街にいれば、間違いなく悲惨なことになる彼らを街から退去させる条件として、トレバーが(嫌々ながら)その行方を探すことになったところ で次回に続きます。
しかしこの時の会話では、完全に孫は亡きものと決めてかかっているトレバーですが――さて。
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