【ドニゼッティ作品編曲】フランツ・リストのピアノ曲紹介
この記事ではガエターノ・ドニゼッティとジュゼッペ・ドニゼッティに関連する曲を紹介します。ジュゼッペはガエターノの兄になります。特記されていない場合は、ガエターノ・ドニゼッティの作品が基になります。
「ランメルモールのルチア」の回想 (ドニゼッティ) S.397
ガエターノ・ドニゼッティによるオペラ「ランメルモールのルチア」に基づくリストの「ルチア幻想曲」が巨大になりすぎたために出版社が2つに分割するように要請したものの一つ。1835年から1836年にかけて作られた。両曲のコーダは似通っている。初期の秀作オペラファンタジー。この曲のサブタイトルは「劇的幻想曲」。
演奏はホルヘ・ボレット。
「ランメルモールのルチア」の行進曲とカヴァティーナ (ドニゼッティ) S.398
分割された「ルチア幻想曲」のもう一つ。同じく1835年から1836年にかけて作られた。
演奏はエンドレ・ヘゲドゥシュ。
ポジリポの夏の夜 - ドニゼッティの曲集の動機による3つのアミューズマン S.399
ドニゼッティによる12の歌曲集「ポジリポの夏の夜」(独唱6曲、二重唱6曲)より3曲を抜粋してピアノ独奏曲に編曲したもの。作家でイギリス・リスト協会の創設メンバーのひとりであるサシェヴラル・シットウェルはこの曲集を高く評価していた。メルカダンテの作品を編曲した「イタリアの夜会 S.411」(全6曲)の続編のような形で出版されたこともあり「イタリアの夜会 第7番~第9番」のように表記されることもある。
演奏はコンスタンティーノ・カテーナ。
第1曲 船子 (舟歌) S.399/1
第2曲 ビーチェの吐息 (夜想曲) S.399/2
第3曲 ビアゾーネの塔 (ナポリのカンツォーネ) S.399/3
「ルクレツィア・ボルジア」の回想 - お気に入りの動機による大幻想曲 (ドニゼッティ) S.400
ドニゼッティのオペラ「ルクレツィア・ボルジア」による。1848年作。リストは1840年/1841年にルクレツィア・ボルジア幻想曲を作っているが、その時は酒宴の歌のみ。
演奏はマーク・ヴァイナー。
第1部 第2幕の三重唱 S.400/1
この第1部は今作を作るにあたり付け足されたもの。ハワードによると「これは第2幕ではなく第1幕」とのこと。
第2部 酒宴の歌 (狂乱の宴) 〔第2稿〕 S.400/2
以前に作られた「ルクレツィア・ボルジア幻想曲」はこの曲の初稿。
「ルクレツィア・ボルジア」の回想 〔短縮稿〕 (ドニゼッティ) S.400bis
「ルクレツィア・ボルジアの回想 S.400」は巨大な作品で20分以上かかるため、作曲家でピアニストでもあるジュゼッペ・ブオナミチがリストに許可を得て、第1部と第2部を一緒にして短縮したもの。
演奏はコンスタンティン・シチェルバコフ。
優しき魂 (「ファヴォリータ」より) (ドニゼッティ) S.400a
およそ1840年作。ドニゼッティのオペラ「ファヴォリータ」の初演後すぐに作られたが、1992年にリスト協会の機関誌にて出版されるまで世に出なかった。サールの作品カタログに記載されていないが、ハワードは便宜上S.400aとしている。
演奏はウィリアム・ウォルフラム。
「ルチア」と「パリジーナ」の2つの動機による奇想ワルツ (ドニゼッティ) S.401
ドニゼッティのオペラ「ランメルモールのルチア」と「パリジーナ」を素材とするワルツの初稿。1842年作。ただしこの第1稿では終盤にそれらオペラではない別の素材も使用されている。その部分はリストオリジナルの可能性もある。後に改訂され「ルチアとパリジーナの動機による演奏会用ワルツ」というタイトルで「3つの奇想ワルツ S.214」という曲集に組み込まれる。
演奏はコンスタンティン・シチェルバコフ。
「ドン・セバスティアン」の葬送行進曲 (ドニゼッティ) S.402
ドニゼッティのオペラ「ドン・セバスティアン」より。1844年作。葬送行進曲のみではなく、同オペラ内の様々な主題を使用している。
演奏はレイモンド・レーヴェンタール。
スルターン<アブデュル・メジド=ハーン>のための行進曲 (G.ドニゼッティ) S.403
作曲者は有名なガエターノ・ドニゼッティの兄であるジュゼッペ・ドニゼッティ。ジュゼッペによるこの作品のオリジナルタイトルは「大行進曲」。ジュゼッペはこの作品を1839年のアブデュル・メジドハーンのスルターンとしての戴冠式のために作曲し、一時期はオスマン帝国の国歌となる。リストはこの編曲を1847年のイスタンブール訪問の際に作曲。
【関連作品】
「ルクレツィア・ボルジア」の動機による幻想曲 〔第1稿〕 (ドニゼッティ) S.399a
「ルクレツィア・ボルジアの回想 S.400」の第2部「酒宴の歌」の初稿。1840年作。
演奏はアンドレイ・イヴァノフ。
3つの奇想ワルツ 第3番 「ルチア」と「パリジーナ」の2つの動機による演奏会用ワルツ (ドニゼッティ) S.214/3
「ルチアとパリジーナの2つの動機による奇想ワルツ S.401」を改訂したもので、「3つの奇想ワルツ」という曲集の第3番。およそ1850年に改訂された。リストの作品カタログによっては「華麗なる大ワルツ」と呼称されることもある。ドニゼッティの主題を素材にしているが、リストのオリジナル作品とみなしてよい。
演奏はジャン=イヴ・ティボーデ。
スルタン<アブデュル・メジド=ハーン>のための行進曲 〔簡易稿〕 (G.ドニゼッティ) S.403bis
同じくジュゼッペ・ドニゼッティの作品「大行進曲」のリストによるピアノ独奏編曲の簡易稿。1848年作。
● 楽譜紹介
新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています

・「ランメルモールのルチア」の回想 S.397
・「ランメルモールのルチア」の行進曲とカヴァティーナ S.398

・ポジリポの夏の夜 - ドニゼッティの曲集の動機による3つのアミューズマン S.399
・「ルクレツィア・ボルジア」の回想 - お気に入りの動機による大幻想曲 S.400
・「ルクレツィア・ボルジア」の動機による幻想曲 〔第1稿〕 S.399a
・「ルチア」と「パリジーナ」の2つの動機による演奏会用ワルツ S.214/3
・「ルチア」と「パリジーナ」の2つの動機による奇想ワルツ S.401
・「ドン・セバスティアン」の葬送行進曲 S.402
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・優しき魂 (「ファヴォリータ」より) S.400a
・スルターン<アブデュル・メジド=ハーン>のための行進曲 (G.ドニゼッティ) S.403
・スルタン<アブデュル・メジド=ハーン>のための行進曲 〔簡易稿〕 (G.ドニゼッティ) S.403bis
それではみなさま良い一日を
