ごめんねとがんばっての気持ちがこもった、はじめてのお金
※
【#はじめてのお金】企画への参加noteです。
僕が育ったのは、
車で15分かけてやっと最寄り駅に
たどり着くような田舎町。
父は自営業、母はパート。
裕福とは言えなかったけれど、
食べるものに困った記憶はない。
ただ、大人になってから、
その『程度』がわかるようになった。
父の仕事は決して余裕のある
収入ではなかった。
長い間、朝5時からのバイトを
掛け持ちしながら家族を支えていた。
夜、父の作業場を覗いたとき、
アルバイト求人誌を眺めていた姿を
覚えている。
18歳になる頃には、
自分もバイトをして、
おこづかいは自分で稼ぐようになった。
就職で地元を離れることが決まった。
それまで一度も離れたことのない家、家族、町。
出発の日。
駅まで送ってくれる車の中では、
特に寂しさを感じず、
正直、平気かなと思ってた。
電車に乗る直前。
母が封筒を渡してくれた。
中には手紙が入っていた。
電車の中で読んだ。
「貧乏させてごめんね」
「いつまでも、あなたのお母さんです」
そして、「少ないけど」と、5万円が入っていた。
普段、泣くことがないのに自然に涙が出た。
感情が一気にあふれてきて、
電車の中でぐすぐす泣いた。
それまでにもらってきたおこづかいやお年玉とは、まったく違う。
「ごめんね」と「がんばってね」の
"気持ちがこもっている"ことを実感した、
はじめてのお金
社会人になって1ヶ月。
初任給が入った。
叔父からメッセージが来た。
「初任給の一部は、
これまでのお礼として両親に
渡してあげなさい。
もしなければ貸してあげるから。」
GWで帰省したときに、
初任給から、もらったお金の分を、
きちんと返そうと思った。
でも、ただ現金で渡すことに、抵抗があった。
もしそのまま現金で返してしまったら、
その想いまで一緒に“突き返してしまう”
そんな感覚があった。
だから、5万円分のヤマダ電機の
ポイントカードに変えて渡した。
“想い”だけを受け取って、
“お金”として返した。
「近いうち、何かしらの家電が壊れるでしょ」
って言って。
両親は、笑って受け取ってくれた。
あのポイントは2ヶ月後に、
新しい固定電話機にかわった。
ちょうどいいタイミングで壊れてくれた。
何かの縁か、
母の日にこの出来事を思い出し、
記事にしている——。
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