ウォーターメロン
「これは何?」
僕はダイニングテーブルの上に置かれたその物体を見て、彼女に訊ねた。
それは、丸い透明なボールの中に入った水とメロンだった。
「手作りスイカだけど」
彼女は当たり前のようにそう答えた。
「え?」
僕は絶句した。
「スイカは英語でウォーターメロンって言うでしょう? だからメロンを水に入れて手作りスイカを作ったのよ」
彼女は自慢げにそう説明をした。
「そんなのスイカじゃない!」
僕は思わずそう叫んだ。
「あ、あなたって手作りチョコレートのことを認めないタイプなんでしょう? そんなのチョコレートを解かして固めただけなんだから、手作りチョコレートだなんて言えないよって言うタイプなんでしょう?」
彼女は不満げにそう言い返した。
「いや、それとこれとは違うよ。手作りチョコレートはチョコレートだけど、水に入れたメロンはスイカにはならない」
「何でそんな水を得た魚みたいなことを言うのよ」
「え、どういうこと?」
「水臭い」
「うん、たしかに水臭い。っていうか水浸し」
「じゃあこれを何て言うの?」
「a melon dipped in the water」
「何で英語で言うのよ?」
「君がスイカのことを英語で言うからだろう?」
「ウォーターメロンはアメロン、デイブ・スペクターじゃないわよ」
「そんなこと言ってない」
「まあいいわ、この手作りスイカを切ってあげるから、食べましょう」
彼女はそう言ってメロンを4つに切った。
僕はそれを見て、思わずつぶやいた。
「クウォーターメロン」

おわり
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「謎解きはディナーの後に、みたいに言うな!」