排煙脱硫装置のポンプ寿命問題、水酸化マグネシウム法で現場が悩むこと
化学工場や食品工場では、製造プロセスを支える「ボイラー」が欠かせません。
蒸気を作って、加熱や乾燥に使う。
製造業の縁の下の力持ちです。

でも、ボイラーが燃料を燃やすと必ず出てくるのが、排ガス。
そのなかには、大気汚染の原因となる硫黄酸化物(SO2)が含まれています。
そこで必要になるのが、排煙脱硫装置。
排ガスからSO2を取り除く設備のことです。
今回は、この排煙脱硫装置、とくに水酸化マグネシウム法と呼ばれる方式で使われているポンプが短命になってしまう理由と、その対策についてご紹介します。
なぜ「水マグ法」が選ばれるのか

排煙脱硫にはいくつか方式があります。
石灰石膏法(大型の火力発電所で多い)
水酸化マグネシウム法(中・小型ボイラーで多い)
海水法
アンモニア法 など
そのなかでも、化学工場や一般産業の中・小型ボイラーで広く使われているのが水酸化マグネシウム法。
水酸化マグネシウム(Mg(OH)2、通称「水マグ」)は、石灰に次いで安価な材料として普及しています。
そして、副生物が水溶性の硫酸マグネシウムになるので、石灰石膏法のような石膏回収工程がいらず、設備を簡素にできるというメリットがあります。
排ガス中のSO2を水マグスラリーに吸収させて、酸化させて、最終的に硫酸マグネシウムにする、という流れです。
SO2 + Mg(OH)2 → MgSO3 + H2O
MgSO3 + 0.5 O2 → MgSO4
シンプルで、スペースもそれほど食わない。
だからこそ、中小プラントでは使いやすい方式、というわけなんです。
ダブルパンチの水マグスラリー

ただ、この設備には悩みがあります。
水酸化マグネシウムスラリーは、かなり摩耗性が高いこと。
ポンプ内部をヤスリのように削っていくので、一般的な金属製ポンプでは長持ちしないんです。
しかも、液中にSO2由来の硫酸成分が溶け込んでいるので、腐食性も同時に問題になってきます。
もともと、水マグ法の排煙脱硫装置では、主に3か所でポンプが活躍しています。
① 水マグ供給ポンプ(吸収塔へMg(OH)2スラリーを送る)
② 酸化塔ポンプ(吸収後の液を酸化塔へ循環)
③ シックナー引抜用ポンプ(沈殿した固形物を脱水機へ送る)
どのポンプも、摩耗と腐食のダブルパンチがかかる過酷な場所。
ステンレス製でさえ、すぐに傷んでしまうケースが多いという課題があります。
ゴムライニングという選択肢

実際、ある化学工場のユーザーから、こんな声が聞こえてきました。
ステンレス製のスラリーポンプを使っていたが、耐久性が悪くオーバーホールに費用がかかる。
部品が高価で、交換ごとの負担が重い。
これは、水マグ法の脱硫装置でよくある悩み。
摩耗が早いぶん、オーバーホールの頻度が上がり、部品コストが積み上がっていく。
「ポンプ本体代よりメンテ代のほうが高い」なんて話が、ここでもまた出てきます。

そこで提案したいのが、みつわポンプのラバーセルポンプ(自吸式ゴムライニングポンプ)。
接液部(液に触れる部分)を天然ゴムでライニングした構造になっているポンプです。
一見、「ゴムなんてすぐ削れるんじゃないか」と思うかもしれません。
でもじつは逆で、ゴムはやわらかいぶん、粒子の衝撃を「受け流すように吸収」するんです。
金属のように硬い素材だと硬い粒子に真っ向勝負でガリガリ削られてしまいますが、やわらかいゴムのほうがスラリー摩耗に強いということ。
しかも、ゴムは酸性・アルカリ性にも耐性があります(種類にもよります)。
水マグ法の「摩耗+腐食」という二重苦に、ぴったり対応できる素材なんです。
実際、先ほどのユーザーにラバーセルポンプをテストで納入したところ、
ポンプメンテナンスが大幅にコストダウン
接液部ゴムライニングで耐久性がアップ
部品コスト・納期の面でも改善
という高評価をいただきました。
ほかの脱硫方式でも

今回は水酸化マグネシウム法のお話でしたが、石灰石膏法の現場でも似たような摩耗・腐食問題は起きます。
石灰スラリーや石膏スラリーの移送でも、ラバーセルポンプは同じ強みを発揮します。
「排煙脱硫のポンプがすぐ傷む」「オーバーホール費用を抑えたい」「スリーブの腐食に悩んでいる」・・・。
こんなお悩みがあれば、ぜひ一度みつわポンプへご相談ください。
▼水マグ法で活躍するゴムライポンプ▼
