廃酸・廃アルカリの中和処理でポンプがすぐ痛む理由
工場や製造現場では、製品をつくる過程で大量の薬品が使われています。
半導体工場のエッチング工程、めっき工場の表面処理、食品工場の洗浄工程・・・。
それらに共通するある特徴が、じつはポンプを痛める原因となっているんです。
今回は、これらの工場に共通するポンプを痛める原因と、その対策についてご紹介していきます。
そのまま流せない水

当たり前ではありますが、薬品を使う工場では、その薬品が含まれた排水が出てきます。
いろいろな薬品が使われることから、その排水には酸性やアルカリ性のものが含まれています。
こういった廃液を、「廃酸」や「廃アルカリ」と言います。
廃酸で言うと、硫酸・塩酸・フッ酸・硝酸などがその代表格。
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)やアンモニア水などはアルカリ系に分類されます。
そして、これらの廃液は、そのまま工場外へ出すことはできません。

環境に悪いということはもちろん、水質汚濁防止法という法律でも、排水のpHは5.8〜8.6の範囲に収めるよう定められているからです。
(pH7が中性、それより小さいと酸性、大きいとアルカリ性です。)
では、こういった廃液はどうすればいいのか?
その工場、あるいは廃液処理の専門業者で、きれいな水へ戻していく必要があるんです。
廃液をきれいにする方法

具体的には、廃酸・廃アルカリは「中和処理」という工程で適切なpHに調整してから排水します。
大まかな流れは次のとおり。
まず、酸性の廃液にはアルカリ系の薬剤(消石灰や苛性ソーダなど)を加えてpHを中性に近づけます。
アルカリ性の廃液には酸(硫酸など)を加えて調整します。
中和が完了したら、生じた沈殿物(スラッジ)を沈降・脱水させ、排水と固形物に分離します。
これだけ聞くとシンプルに聞こえますが、この工程の各所で「液体を移送する」役割を担うのがポンプ。
廃液の受け入れタンクへの移送、薬剤注入、スラッジの脱水機への送り込み・・・。
こういった作業は、ポンプなしでは処理がまわりません。
二重苦の課題

そして、酸性やアルカリ性の廃液は、結構ハード。
だから、中和処理のポンプがすぐ壊れるという声がけっこうあります。
主な理由は、2つ。
① 強い酸・アルカリによる腐食

廃酸は金属を侵す性質があります。
硫酸や塩酸はステンレスでも太刀打ちできないほど腐食性が高いケースがあるんです。
使っているうちに、ポンプの内部がボロボロになっていた、というのはよくある話・・・。
② 中和で生まれるスラッジによる摩耗

中和処理で酸とアルカリが反応すると、水酸化物の沈殿(スラッジ)が出てきます。
硫酸カルシウム(石膏)や水酸化鉄といった粒子は見た目は白い粉状ですが、硬い粒子がポンプ内部を削り続ける研磨剤のような働きをします。

この「腐食」と「摩耗」が同時にかかるのが、中和処理ポンプの最大の課題。
腐食で表面がもろくなったところに、スラッジがヤスリのように削っていく・・・。
これが「ポンプがすぐ壊れる」という状況を引き起こすわけです。
やわらかいのに強いもの

では、どうすればいいのか?
この二重苦を解決するのが、みつわポンプのゴムライニングのポンプ、ラバーセルポンプです。
一見「やわらかいゴムなんて削れてしまわないか」と思うかもしれません。
でも実際は逆で、ゴムの弾力性が粒子の衝撃を「受け流す」ように吸収するんです。
逆に、金属のような硬い素材ほど、固い粒子にガリガリと削られやすいんです。
また、ゴムは酸・アルカリへの耐性も高く、腐食もしにくい特性があります(ゴムの種類にもよります)。
つまり、「腐食にも強く、摩耗にも強い」という一石二鳥の素材がゴム、ということ。
実際、ある廃酸・廃アルカリ処理の現場でステンレス製ポンプが数ヶ月で傷んでいたものが、みつわポンプのラバーセルポンプに切り替えたことで数年にわたって安定稼働している、という事例があります。
まとめ

廃酸・廃アルカリの中和処理は、環境規制を守るうえで欠かせない工程。
でも、その工程でポンプがすぐ傷む・・・というお悩みをお持ちの現場は少なくないと思います。
「腐食と摩耗が同時にかかる」という特殊な環境だからこそ、ポンプ選びが重要。
みつわポンプでは、このような廃酸・廃アルカリ処理にも対応できるゴムライニングポンプ『ラバーセルポンプ』を取り扱っています。
「ポンプの交換頻度を下げたい」「メンテナンスのコストを削減したい」といったお悩みがあれば、ぜひ一度みつわポンプへご相談ください。
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