X-T5を愛しすぎた結果
X-H2のバックアップとしてX-T5を購入した。
……ところが、これが予想以上に気に入ってしまった。
「バックアップ機」のはずだったカメラは、いつの間にかお気に入りの一台になっていた。そして僕は、バックアップのバックアップという、少々奇妙な行動に出る。
そうして迎え入れたのが、X-Pro1だった。
ところが、ここでもまた予想は裏切られる。
X-Pro1が見せてくれた世界は、不思議なくらい穏やかだった。派手さはない。それなのに、目に映る景色のすべてを、ゆっくりと色づかせてくれる。どこか懐かしく、そして優しい。
気づけば、すっかりその描写の虜になっていた。
……しかし。
ここで、また僕の悪い病気が発動する。
「X-Pro1のバックアップが欲しい。」
ここまで来ると、自分でも「どうしようもない人間だな」と苦笑いしてしまう。
そして、X-Pro1と近い世代の1600万画素X-Trans CMOS IIセンサーを搭載したX-T1を購入した。
我ながら、なかなかである。
実は、このX-T1を迎えるまでにも、ちょっとしたドラマがあった。
購入した個体には不具合があり、一度は返品も考えた。購入先の某大手カメラ店へ相談にも行ったのだが、手続きの手間を考えているうちに、「まぁ、いいか」と、そのまま持ち帰ることに。
そして帰り際には、なぜかバッテリーグリップまで注文していた。
もう、自分でも意味が分からない。
X-T1については、すでに多くのフォトグラファーが素晴らしいレビューを書いているので、ここでは詳しくは語らない。
ただ一つだけ言えるのは、このカメラは散歩の相棒として、本当にちょうどいいということだ。
実はX-T1を買う少し前から、「いつもとは違う写真を撮ってみたい」と思うようになっていた。
これまでは花や自然を撮ることが多かったけれど、これからは街、人、そして何気ない日常にもレンズを向けてみたい。
まだ手に入れたばかりだし、この猛暑ではなかなか歩き回る気にはなれない。でも、そのぶん涼しくなった頃には、新しい景色との出会いが待っている気がしている。
このX-T1と歩く時間は、きっと楽しいものになるだろう。
そして願わくば――
次の「バックアップ」が欲しくならないことを祈るばかりである。






