映画『AGITO─超能力戦争─』批評のためのレジュメ(1)


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 まったく好い年齢をしてヒーロー映画を観に行くという時点でだいぶ不格好な話ではある。「仮面ライダー55周年」記念作品である、本作をハーバーランドの映画館で鑑賞した。道路交通法の規制強化のため、バイクシーンは合成。アギトのバイクは登場しなかった。

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 悪の遠近法というものについて最近考えている。遠くから見れば絶対悪なのだが、近寄ってしまうと、途端「悪の凡庸さ」というアーレントの辞にぶつかってしまうのだ。今回はオリジナルTV版の木野薫が悪のボスに成り下がっているのだが、なぜそこに至ったのか、まるで描写がない。主人公である氷川誠が無実の罪で投獄されているというのも突飛過ぎた。罪をかぶって黙り込んでいるのも、その理由づけもなんだか説得力に欠ける。

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 映画『AGITO』はいろんな意味で躓いた作品だった。随所にでるオリジナルTVシリーズでのギャグの再演がキツい。加齢臭のする役者のアップもキツい。木野がせっかくTV版できれいに死んだのに、映画でまたも闇落ち+ラスボス化。葦原涼が過去に死んでたという設定など脚本そのものがまじめに書いたとはおもえなかった。べつにCGがどうだとか、照明がどうだとかはいまさら云わない。日本のヒーロー映画は基本、CGはちゃちで、絵作りが平面的だ。肝心な人物設計や世界設計がおざなりだから、よけいに無粋なギャグ・シーンばかりが目立つ。同等の予算を『仮面ライダー555 20th』に与えてたらともおもったが、あれだって無用なギャグを入れてた。そんなものは話の骨子がちゃんとできあがってから味つけ程度にするものじゃないかとおもう。

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 井上敏樹は長尺ものの脚本を書けないのではないかとおもう。今回はせっかくの尺をファンサービスのために使ってしまった。そりゃ、やさしいファンなら歓迎するだろうが、やはりやり過ぎたというのが印象。ひとつやふたつでいいようなギャグを何発も入れるから破綻しているように見えた。

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 奥浩哉『いぬやしき』の獅子神をパクったような人物が登場する。素手を拳銃のように構えて「バン!」と叫んで攻撃するのだが、あれはいったい・・・・・・?

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