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薬膳って「自然派でしょ?」と思ってるあなたへ

「薬膳って怪しいもの売ってそう」

友人に言われてからしばらくの間もやもやしていた言葉です。

最初のうちは「薬膳のことを良く知らないから怪しいと感じるのかな」と思っていたのですが、もしかして「食事で養生する=自然派(育児)」と思われているのかしら?
という考えが浮かびました。

自然派育児のイメージは「子どもにワクチンを打たせず、添加物を避け、電子機器の利用は電磁波が怖いから控える、オーガニックの野菜大好き」という感じです。

このイメージと薬膳が混ざってしまっているのではないでしょうか。

でも、これは全然別物!

薬膳は反医療ではないし、自然派育児でもない


この説明が最初に必要だったのが私の夫。

私自身、食品添加物は少ないほうが良いと思うし、対症療法的に薬を飲み続けるのには抵抗があるので、自然派の人の考え方は分からなくもない。

ただ、夫は自然派とは真反対の人間なので薬膳を勉強したいと伝えたときに、薬膳とはどんなものか理解してもらえるか心配でした。

私は元看護師だけど、夫も医療系の資格を持っている。関東にいたときは製薬関係のマーケティングの仕事をしていて、健康や医療に関する話題になると論文を読んでエビデンスを武器に会話をする人間。

そんな夫と話していて気づいたことが…

あ、なるほど。

薬膳と聞いたときに、「なんで薬で治るものを食事で治そうとするのか」という考えをする人がいるわけか。そこが自然派と結びつきやすい。

から咳が出る時に食べる自家製はちみつカリン飴

そもそも目的が違う。風邪をひいてから薬を飲むのではなく、風邪をひかないように食事に気をつけたり、風邪をひいても薬を飲む前に対処できるようにしたいのです。

風邪をひきにくい身体を作ることができれば、そもそも薬を飲む必要がなくなるだけで、薬の存在を否定しているわけではありません

そして風邪をひきにくい体をどうやって作るかと言えば、やはり毎日の食事が大事ということにつながります!

エビデンスベースで話す夫に対して苦労したのが、薬膳は個人の体質に合わせて食事を作ることが基本となるので、膨大な数の被験者を母数とする西洋医学的な治験によるエビデンスとは全く考え方が違う点でした。

人によって効果が違うことがあるって、プラセボとどう見分けるの?

そう言われても、何とも証明しようがないのが薬膳の難しいところ。
それぞれの体質に合った食事を作るという点において、どうしても n=1となってエビデンスに乏しい。

私がやりたことに関しては協力的な夫なので、

これはもうあなたがn=1になるしかないよね

ということで、夫の体質改善をやる事で理解をしてもらうようにしました。

薬膳は中国伝統医学の理論に基づく「食のケア」や「予防」の方法

近年、食に関する健康の意識が高まってきていて、料理教室のジャンルの中でもとりわけ「健康」をテーマにしたものがすごく増えました。

例えば、

  • オーガニック野菜

  • 発酵料理

  • マクロビ

  • ビーガン・ベジ

  • グルテンフリー

  • 豆腐料理

などなど。

それぞれに良さがあるし、色んな考えがあると思うけど、健康を求めるならその食事がその人の身体にあっているかというのがものすごく大事なことだと思います。
それをやった結果、体はどう変わったのか、前よりも健康になったのか観察してほしい。私も薬膳と出会うまでは色んな食事を試しました。一年以上お肉や乳製品を控えていたこともあるし、玄米と漬物だけ食べ続ていた時期もある。オーガニック野菜にこだわって買っていたこともあるし、オーガニック農家にインターンをしたこともあります。だけど、私の体調は改善しませんでした。

そして、これらの中に薬膳料理が含まれることが多いけど、薬膳はれっきとした「医学」であって、中国では古くから「食医」として病気になる前に治す医者こそが名医と言われていたのです。

医者の中で食医が一番上だった(日本中医学院の授業の教科書より) 

西洋医学は薬や手術によって体の悪い部分や病気そのものに直接アプローチをするものだけど、中医学では鍼灸や漢方、食養生などによって自然治癒力を高めたり病気の予防を重視する点が大きく違います。

頭が痛い時に鎮痛剤を飲むと症状は治まるけど、頭痛が起きないようにする薬はありません。それに対して根本的に頭痛が起きないようにしようとするのが薬膳であり中医学(東洋医学)の考え方。

私自身が色々見てきた中で、本当に体質を改善することができて、今現在体調不良で困っている人を治すことができるのは、この中では薬膳だと思うのです。

薬膳には「食べてはいけない食材」は無い

一番よく聞かれるのが「食べちゃダメな食材ってあるの?」という質問だけど、薬膳にはそもそも食べてはいけない食材は無いです

これ言ったらイメージと違うとビックリされるかもしれないけど、添加物がはいってるお菓子や加工食品も、時々なら楽しんでもいい。でも、そればかり食べないで楽しんだ後は養生する食材でバランスを取りましょう、と考えるのが薬膳。

私も家族でマクドナルドに行くことが年に何回かはあるけど、そういう時は晩御飯の献立をちょっと工夫したりするだけで、ハンバーガーもポテトも楽しみます。中医学は心を体をわけないので、美味しく食べる時の心の幸せもとても大事なこととして捉えています。

食べ過ぎた次の日の朝は消化を助け、胃腸を整える大根の味噌汁が定番

マクロビの場合は、基本的なところでは薬膳に似ていると思いますが、肉・卵・乳製品や精製された砂糖や白米はあまり推奨されていないはず。

栄養の観点から白米よりも玄米を推奨していますが、玄米は白米に比べて消化に負担がかかるので、合う人と合わない人がいます。現に私は発酵玄米を食べていた時は口内炎が出まくっていました。胃腸が弱い私には発酵している玄米でも消化にかなり負担がかかっていた様子。

栄養学的な観点ではなくて、食材そのものの性味(体を温めるのか、冷やすのかなど)や帰経(食材がどの部分に作用するか)に注目して、それぞれの体質に合った食材を選ぶことが大事というわけです。

ビールを思い浮かべれば薬膳の理解は深まる

面白いのが「ビール」も薬膳的な効能がしっかりあって、「肝火上炎(かんかじょうえん)」という、ストレスや怒りで体内に熱がこもって、イライラして頭に血が上る体質の人にはビールはピッタリ。

ビールには苦みと発泡成分があって、「解鬱(げうつ)」「清熱・消炎」の作用があるので、熱っぽくてイライラしている人にはすごく合っている飲み物。

「かんぱ~い!」スカッとしますよね。

健胃作用もあるので食前に飲むと効果が高い。
つまり「仕事終わりの一杯が、とりあえず生」ってのは、中医学的にも理にかなった立派な薬膳。

飲むとスカッとするでしょ? 
胃を冷やしてしまうので飲みすぎは良くないけど、こういう知識をもとに適材適所でうまく取り入れるのが薬膳なんです。

だから「食で健康に」と言っても、禁止されてる食材や、苦い生薬を食べなきゃいけないわけでもないので、誰でも取り入れやすいのが薬膳の良いところ。

まとめ

私が常々感じている薬膳の持つマイナスイメージや取り入れるハードルの高さみたいなものは、似たような食の健康ジャンルとの誤解や違いが分かりにくいところが原因としてあるのかもしれません。

薬膳は、

「食材はオーガニックじゃなくてもいい」
「添加物=悪ではない」
「我慢してストレスがかかるくらいなら、たまにはジャンクフードも美味しく食べればOK」
「食べちゃダメな食材は無い(肉・卵・お酒なんでもOK)」
「アンチ医療でも自然派でもない」
「スピリチュアルでもないよ!怪しいものも売らないよ!」

で、

「できるだけ旬のものを食べる」
「その人の体質・体調に合ったものを食べる」
「食材の帰経や性味を学んで、その人のバランスを整える献立にする」

などを知ってもらえたら万々歳!

今は夫も子どもたちも、自分の体調に必要な食材がわかってきて、自分である程度養生ができるようになってきました。

これからもnoteで薬膳について発信して、少しでも皆さんの健康が守られるよう記事を書いていきたいと思います。


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三浦真理  薬膳スパイス家庭料理研究家 宜しければ応援お願いします☺いただいたチップは薬膳の活動費に使わせて頂きます。

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