あの電話の日、私は何を考えるべきだったのか──「学校に合っていない」と感じた親の思考整理
学校からの一本の電話で、
それまで「大きな問題はなさそう」に見えていた日常が、
音を立てて崩れました。
受話器の向こうから伝えられた次男の様子は、
私が知っている彼とはまるで違っていました。
とても怒っていて、同時に、とても悲しそうで。
自分の感情をどう扱えばいいのか分からず、苦しんでいるようでした。
いちばん強かったのは、罪悪感でした
次男は、いつも穏やかで、ひょうきんな子です。
その子が、ここまでの癇癪を起こすまで追い詰められていた。
それなのに私は、気づいてあげられなかった。
その事実が、親として何よりもつらく、胸が詰まるような思いでした。
同時に、こんなことも頭を駆け巡りました。
・親の都合で転校させてしまったこと
・居心地の悪い環境に連れてきてしまったこと
・入学してから今日まで、彼が抱えていたであろう気持ち
それらが一気に押し寄せ、強い罪悪感に飲み込まれそうになりました。
けれど、感情はそれだけでは終わりませんでした。
学校への怒りのような感情も、確かにあった
「学校は、本当に最適なサポートをしてくれていたのだろうか」
「ここまで追い詰められる前に、サインはなかったのだろうか」
そんな思いが、怒りに近い形で湧き上がってきました。
そして同時に、答えの見えない問いが、
毎日、頭の中を回り続けていました。
さらに頭を悩ませたことは、
この時点で次男は英語や自分が置かれている環境に
既に強い拒否反応を持ってしまっていたことです。
・これからどうやって立ち直らせればいいのか
・親として何ができるのか
・学校とどう連携すればいいのか
・自分自身まだ十分ではない英語力で、きちんと守れるのか
どれだけ考えても、確信を持てる答えは出ません。
子どもが苦しんでいるのに、何もできない自分がいる。
正直に言えば、私も泣きたい気持ちでいっぱいでした。
それでも、「学校に合っていない」という言葉は使えなかった
今振り返ると、当時の私はまだ、
「学校に合っていない」というはっきりした言葉を持っていませんでした。
ただ、言葉にならない違和感と、
学校任せにしてはいけないという感覚だけが、
静かに生まれていました。
そして今、あえてこの言葉を見つめ直すと、ひとつの危うさを感じます。
「学校が合っていない」
そう言った瞬間、原因を外側に置くことができてしまう。
その結果、本来いちばん大切なはずのこと——
・内省
・事実確認
・子どもの丁寧な観察
これらが、抜け落ちてしまう可能性がある。
私は、そこに怖さを感じています。
感情のまま動いてはいけない、と気づいた瞬間
子どもがある意味パニックのような状態にある中で、自分まで同じ状態になってはいけないと気づいた瞬間がありました。
そこから、本当に小さな一歩を踏み出します。
・まずは子どもと、よく話すこと
・次に先生と、よく話すこと
・その両方から、事実だけを受け取ること
そうやって少しずつ、余計な感情を手放していきました。
考えてみると、こんなふうに整理できました。
・親として「できること」
・親として「できるかもしれないこと」
・親として「本当はしたいこと」
これらは似ているようで、少しずつ違います。
だからこそ、一緒くたにせず、まずは必ずできることから始める。
そんな小さな整理が、私を落ち着かせてくれました。
見えてきたのは、「答え」ではなく「順番」でした
事実を一つずつ確かめ、感情を少し脇に置いてみると、
あることに気づきます。
必要なのは、すぐに出せる正しい答えではなく、
どう考えていくかの順番なのだと。
私はこのとき、自分の中に三つの視点を置きました。
1. 子どもの状態を見る視点
2. 学校環境を見る視点
3. 親の感情を分けて捉える視点
けれど、その中身をここで急いで語ることは、きっと違う気がしています。
なぜなら、大切なのは「結論」ではなく、
そこへ向かう思考の整え方だからです。
あのときの私に、今ならこう伝えたい
あなたの子どもは、ダメじゃない。
みんなと違うから、ダメなんじゃない。
どの子にも、助けが必要な瞬間や、つまずくタイミングがある。
ただ、それが訪れる時期が違うだけ。
そして——
その時のために、あなたがいるんだよ。
子どもが学校でつまずいたとき、親は強い感情に揺さぶられます。
でも本当に必要なのは、感情を消すことではなく、
考える順番を取り戻すことなのかもしれません。
次の記事では、
私があのとき実際に整理した「最初に考えるべきこと」を、
もう少し具体的に書いてみようと思います。
感情に飲まれそうになったとき、どこから手をつければいいのか。
子どもの本当の状態を見るために、何を聞き、何を観察すればいいのか。
学校との対話で、どんな姿勢が信頼関係を生むのか。
あのとき私が、ひとつずつ試しながら見つけた道筋を、お伝えします。
