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理想のインテリアには「絵地図」が必要です|リノベで後悔しない設計 #23


一級建築士・インテリアプランナーの関美和です。

住宅設計やインテリアに携わる中で、多くの住まいづくりに関わってきました。リノベーションは、“見た目”だけでも、“性能”だけでも暮らしやすくなりません。

このシリーズでは、設計とインテリアの両方の視点から、後悔しない住まいづくりの考え方をお伝えします。



私はこれまで、住宅設計だけでなく、インテリアデザインやインテリアコーディネートにも携わってきました。

その中で感じるのは、
素敵な空間は、色や素材の組み合わせで印象が大きく変わるということです。
そして、その組み合わせには、空間を美しく見せるためのセオリーがあります。

今回は、その前段階として、

理想の住まいを形にするために、一番最初にやっていただきたいこと

についてお話ししたいと思います。



理想の住まいには「絵地図」が必要です


住宅の設計では、
図面がなければ家づくりは始まりません。

同じように、
理想のインテリアにも、
頭の中の「絵地図」が必要だと思っています。

目的地が決まっていなければ、
どこへ向かえばいいのか分からないように、

理想の空間も、
「こんな暮らしがしたい」
「こんな雰囲気が好き」
というイメージがなければ、
形にすることはできません。

そのため私は、インテリアは
家具選びや床材選びよりも、
まず理想のイメージを描くことが大切と考えています。


「どんなインテリアがお好きですか?」


リノベーションの打ち合わせでは、
必ずお聞きすることがあります。

「どんなインテリアがお好きですか?」

すると、
意外と多くの方が困ってしまいます。

「ナチュラルな感じで…」
「ホテルライク?」
「北欧っぽい感じでしょうか…」

もちろん、
間違いではありません。

しかし、
この言葉だけでは、
実はインテリア担当者には伝わりにくいことがあるのです。



同じ「北欧モダン」でも全く違います

例えば、
ある方が思い浮かべる北欧モダンは、

白い壁に、
明るい木の床。
植物のある、
優しい雰囲気です。

一方、

別の方が思い浮かべる北欧モダンは、
濃いグレーの壁に、
黒い照明。
ホテルのような落ち着いた空間です。

どちらも
「北欧モダン」
です。

でも、
完成する空間はまったく違います。

同じ「北欧モダン」でも、こんなに印象は変わります。
左は明るくナチュラルな雰囲気。
右は落ち着きのあるシックな雰囲気。
好きなインテリアは、人それぞれ違って良いのです


つまり、
「〇〇風」
という言葉だけでは、
理想の空間は共有できないのです。



好きな写真が、あなたの「絵地図」になります


そこでおすすめしたいのが、
好きな写真を集めることです。

・Pinterest
・Instagram
・Googleの画像検索
・住宅雑誌
・ホテル
・カフェ
・モデルルーム

どんなものでも構いません。

大切なのは、
「理由は分からないけれど好き」
と思う写真を保存することです。

※集める際のポイント
 やみくもに集めるのでなく
 必ず、好みのものや、気になったもの
 だけを集めるようにしてください



写真(画像)を集めるツールとして
私が特におすすめしているのは、

Pinterest(ピンタレスト)というサイト(アプリも有)です。

Pinterestでは、
テーマごとに「ボード(いわゆるファイル)」を作り、
気に入った写真を自由に保存できます。

例えば、
・リビング
・キッチン
・洗面所
・照明
・カラーリング
・家具
など、

場所ごとに整理しておくと、
自分の好みがとても分かりやすくなります。

さらに、
作成したボード(ファイル)は、
そのまま設計担当者やインテリア担当者、
ご家族とも共有できます。

言葉では伝わりにくいイメージも、
写真なら一目で伝わります。

私自身も日頃から活用しています。
リノベーションをご計画のお客様にも、
初回のお打合せでPinterestをご紹介し、
イメージ共有のツールとして活用しています。

▶️Pinterest


10枚、
20枚と集めていくと、
不思議なことに、
共通点が見えてきます


好みには、必ず共通点があります


例えば、
集めた写真を見返してみると、

・木の色が明るい
・白い壁が多い
・植物がある
・丸い照明が好き

あるいは、

・グレーが多い
・黒い家具が好き
・間接照明が多い
・ホテルのような雰囲気

など、

自分でも気づいていなかった
“好き”
が見えてきます。


理想のインテリアを実現するお手伝いをさせていただくために

インテリア担当者が知りたいのは、
「北欧が好き」
という言葉だけではなく、
こうした具体的な好みをお聞きしたいのです。


例えば、このような一枚の画像でも十分です。

「こんな空間で暮らしたい。」

そう思える一枚が見つかれば、それが理想の住まいづくりの第一歩です。

好きなポイント(床・家具・照明・色・素材など)を意識しながら眺めてみると、自分の好みが少しずつ見えてきます。

インテリアイメージのコラージュを作ってみましょう


Pinterestなどで集めたお気に入りの写真は、
こんなふうに一枚のコラージュにまとめてみるのもおすすめです。

インテリアイメージの『コラージュ(絵地図)』の一例
(北欧モダンをテーマに作成)



私はこれを、住まいづくりの「絵地図」だと思っています。
好きな家具や照明、木の色、ファブリックなどを一枚にまとめることで、

「自分がどんな空間で暮らしたいのか」
が自然と見えてきます。

このコラージュは、設計者やインテリア担当者との打ち合わせで共有する資料としても役立ちますし、

好きな写真を一枚にまとめ、
目に付く場所へ貼っておくことで、インテリアの方向性がぶれにくくなり、
理想の住まいへ少しずつ近づいていきます。



「イメージできるものは、形にしやすい。」
そんな第一歩として、ぜひ一度作ってみてください。

※このようなコラージュを作るのは難しく感じるかもしれません。

まずはお気に入りのインテリア写真を一枚見つけるだけでも十分です。

「こんな雰囲気が好きです。」

その一枚があるだけでも、設計者やインテリア担当者にイメージはぐっと伝わりやすくなります。


写真と一緒に伝えてほしいこと


打ち合わせでは、
ぜひお気に入りの写真を見せてください。

そして、
もしできれば、
次のことも教えていただけると、
ご提案がぐっとしやすくなります。

① この写真のどこが好きですか?
 ・床の色
 ・家具
 ・照明
 ・雰囲気

② 逆に苦手なものはありますか?
 ・黒っぽい部屋は苦手
 ・無機質すぎる空間は苦手
 ・可愛すぎる雰囲気は苦手

③ どんな暮らしがしたいですか?
 ・友人を招きたい
 ・ホテルのようにくつろぎたい
 ・植物を楽しみたい
 ・掃除をラクにしたい
 ・ゆっくり読書をしたい

インテリアは、
見た目だけではなく、
暮らし方を形にするもの
だからです。


まとめ


理想の住まいは、
偶然できあがるものではありません。

まず、
頭の中に
「こんな空間で暮らしたい」
という絵地図を描くこと。

その絵地図があるからこそ、
床材も、
家具も、
照明も、
一つの方向へ向かって選ぶことができます。

リノベーションで後悔しないために、
最初にやるべきことは、

床材選びでも、
クロス選びでもありません。

理想の住まいを思い描くことです。

私は、
住まいづくりでも、
「イメージできるものは、形にしやすい」
と感じています。

だからこそ、
まずはスマートフォンの中に、
「好きなインテリア写真」を10枚集めることから始めてみてください。
その一枚一枚が、
あなたらしい住まいづくりへの“絵地図”となり、
理想の空間への第一歩になると思います。

住まいづくりは、図面を描く前から始まっています。

* * *

このブログが、リノベで後悔しないためのヒントとして、少しでも参考になれば嬉しいです。


関 美和|一級建築士
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