秘密基地の約束
こちらの企画に参加しています⇩⇩⇩
みかんさん ちょっと長くなってしまいました。
よろしくお願いします。

昭和40年代後半のお話しです。
家の近くに木場がありました。その木場を所有してるのは幼馴染みたいな同級生の家でした。
高く積み上げられた平板の一角を利用し、ブルーシートで屋根を掛けたりしながら同級生と秘密基地をつくったのが始まりです。当時はお互いの家で犬を飼っていたこともあり、犬同士も仲が良かったので、散歩ついでにしょっちゅう一緒にいました。
学校のある日は秘密基地に入れませんでしたが、犬の散歩にかこつけて、夜遅くまで一緒にいたこともありました。休日ともなれば、朝から秘密基地に集まり一緒に宿題をしたり、トランプをしたり、漫画本を読んだり、話し込んだりしていたのです。
親に怒られても、せっかく馴染んだ秘密基地を解体されても、また新たな基地をつくり、二人で楽しんでいたのです。
あの日までは…………。
「話があるんだ」
「どうしたの? 正座なんかして」
「真面目な話しなんだよ」
「そうなの? じゃあちゃんと聞くよ」
「うん」
「話って?」
「もうすぐあんたと一緒にいられなくなる」
「親に怒られた?」
「ううん違う」
「言いにくいこと?」
「そうじゃない」
「じゃあ聞かせてよ」
「言いたくないんだ」
「聞かなくちゃわかんないよ」
「それでも言いたくないよ」
「じゃあ聞かない」
「やっぱり言う」
「どっちなんだよ」
「ゴメン」
「謝んなくていいけどさ」
「卒業したら引っ越すんだ」
「誰が?」
「私が」
「ホントに?」
「うん」
「遠いの?」
「京都の端っこ」
「もう会えないの?」
「今までのようにはいかないよ」
「そうか基地もなくなるんだね」
「父さんがそう言ってた」
「淋しくなるね」
「それだけ?」
「それだけって?」
「一緒にいられないのはイヤだとか言わないの」
「言えば叶うの?」
「それは無理」
「言うだけ悲しくなるよ」
「もっと悲しめ」
「意地悪か」
「もう会えないかもしれないんだよ」
「だから淋しくなるねって」
「ずっと一緒にいたかったな」
「僕もそう思う」
「そうなの?」
「ずっと好きだったんだよ」
「何が?」
「君のこと」
「ホントに?」
「嘘の方がいい?」
「それは困る」
「困る?」
「私もそうだから」
「知らなかった」
「私も」
「何だろね僕たち」
「仲良し」
「そうだね」
「好き同士」
「それもだね」
「どうするのよこれから」
「引っ越しは止められないんでしょ?」
「うん」
「これからも会えるのかな」
「お小遣いにも限りがあるからね」
「月に一回くらいかな?」
「そればっかりにお小遣い使えないよ」
「じゃあ半年に一回とか?」
「それぐらいならなんとかなると思うよ」
「半年って長いね」
「毎日一緒にいたのにね」
「手紙書くよ」
「最初は私が書く」
「どうして?」
「あんたんちの住所知ってるから」
「そうか。じゃあ待ってる」
「しばらくは慣れない環境で大変だと思うんだ」
「そうだろうね」
「だから落ち着くまでは待っててね」
「うん」
「我慢できる?」
「仕方ないよ」
「私が我慢できるかな」
「いつでもおいでよ」
「私ばっかりが来るの?」
「そうじゃないけど」
「いいけどね」
「いつ引越?」
「一週間後」
「それまでは一緒にいられるね」
「めいっぱい一緒にいようね」
「うん」
「できるだけ早く手紙書くよ」
「いっそ大人になるまで会わないってどう?」
「私そんなに辛抱強くないよ」
「辛抱はしなくてもいいと思うよ」
「じゃあ半年でいい」
「そうだね」
「不満なの?」
「ううん、どうなるのかなって不安なの」

結局二人の小さな恋は長くは続きませんでした。
住んでる場所が変わると、新しい友や仲間ができ、いつしか疎遠となっていったのです。
それから20年ほどの時間が経ちました。
小学校の担任だった先生が母校に校長として戻って来られることになり、同総会が開催されることになりました。
そして再会を果たすことになったのです。
同総会当日、再会した二人には…………。
※このお話しは、半分事実、半分空想です。
第47回 3つのお題(昭和ノスタルジー)
お題①:「秘密基地の約束」
お題②:「ビー玉の世界」
お題③:「帰りたくない夕方」
お題④:イラストから空想した世界を書いて下さい。
創作のルール(いつものゆるルール)
・3つすべて使ってもOK、気に入った1つだけでもOK
・詩、童話、掌編、ヘンテコ物語、なんでもござれ
・自由に、即興でも、のびのびと
・今回のお題は難易度高めですが、チャレンジお待ちしています。
参加について(自由参加・ゆるっと歓迎)
・このお題を使って、自由に表現してみてください。
・投稿の際には、ハッシュタグ「#3つのお題に空想のひらめきを」
・このページを貼り付けて下さい。
Chaka Khan / Angel
