3つのお題 ファンタジー編
願いを食べる竜の森

「願いを叶えてほしいというのはそなたか?」
「はい」
「それで、そなたの願いとは?」
「わたし、お菓子の家に住みたいんです」
「ここが願いを食べる竜の森と知ってのことか?」
「願いを叶えてくれるところはここしか知りません」
「それにしても食い物の願いとはのぅ」
「叶えてもらえるのでしょうか?」
「そのお菓子の家はどこに造るんじゃ?」
「どこでもいいんです。なんならここでも」
「ここはわしの住処だぞ」
「存じてますわ」
「土地を用意してないのか?」
「あなたさまのお仕事は誰かの夢を叶えることでしょ? そんな前提条件があるとは存じませんでしたわ」
「しっかりした物言いをする娘御じゃな」
「お褒めにあずかり恐縮でございます」
「誰も褒めておらんが、それにしても建物を造るには土地が必要だということぐらいわかるじゃろ? その場所や広さによって、建蔽率や容積率でお菓子の家の大きさが決まるんじゃぞ」
「わたしはお菓子の家に住みたいだけなんです。それ以外の些事はすべてお任せいたしますわ」
「任されても困るんじゃが、大きさだけでも希望はないのか?」
「希望などはいくらでも語れましょうが、すべて絵に描いた餅。ここはお任せした方がよろしいかと」
「じゃが、犬小屋のようでは困るじゃろ?」
「それは小屋であって家ではありませぬ」
「口の減らぬ小娘じゃ」
「もともと口は一つだけ。減っては困ります」
「では、願いを食べる竜の在り方を示してやろう」
「それはどういう?」
「そなたの夢そのものをわしが喰う。すると、あ〜ら不思議、そなたの夢は跡形もなく消える。ここに何をしに来たのかさえ忘れる。そして、わしの姿を見て驚いて逃げる。ハッピーエンドじゃ」
「お菓子の家は?」
「夢そのものがなくなるのじゃ、当然お菓子の家もない」
「わたしの夢は叶わぬということでしょうか?」
「夢そのものがなくなるのじゃ、叶うも叶わぬもあるまい」
「イヤです」
「イヤと言われてもなぁ」
「どうしてもお菓子の家に住みたいんです。それがわたしのステキな夢」
「夢を叶えるかどうかを決めるのはわしじゃ」
「だからお願いに来ました。自分で叶えられるならとっくにやってます」
「ああ言えばこう言う」
「わたしの夢は叶わぬのですか? 夢など見るなということですか?」
「夢を見るのは良いことじゃ。この世知辛い世の中、夢の一つもないと生きるのもしんどいじゃろうて」
「では叶えていただけるの………」
「じゃが、夢が叶わぬこともあるということも学ばぬとな」
「そんなことは、よーく存じ上げております。今までどれだけ夢を諦めてきたと思ってるんですか」
「それは残念じゃったな」
「それでも新しい夢を見つけて、やっとここまで来たんです」
「辛い思いもしたんじゃろうなぁ」
「そしてようやくあなたさまに巡り逢えたんです。なのに夢が叶わないなんて………」
「わしが悪いのか?」
「その自覚もおありではないのですか?」
「う〜ん論点がすり替わってるようにも思うんじゃが………」
「わたしの夢をどうか叶えてください」
「わかった、そなたの夢、叶えてやろう。わしの住処の一部も貸してやろう」
「ホントですか?」
「乗り掛かった舟じゃからな」
「やったぁ!」
「して広さなんじゃが、四畳半くらいのワンルームで良いか?」
「四畳半?」
「京間ならどうじゃ?」
「京間?」
「あまり広いと補充のお菓子代もバカにならんからな」
「さっきからいったいなんのはなしですか?」
第46回 3つのお題(ファンタジー)
お題①:「願いを食べる竜の森」
お題②:「音のない世界の歌姫」
お題③:「夢を閉じ込めたガラス瓶」
お題④:イラストから空想した世界を書いて下さい。
みかんさん お世話になります。
よろしくお願いします。
結局ファンタジーにはなりませんでした。
オチをつくりたがるのは僕の悪い癖。
LOVE PSYCHEDELICO / Love Is All Around
#3つのお題に空想のひらめきを #ファンタジー編 #願いを食べる竜の森 #LOVE_PSYCHEDELICO #Love_Is_All_Around
