向日葵|風まかせ文芸部
『向日葵って健気だよね』
『健気?』
『そう』
『逞しいとか勇ましいのイメージだけど』
『そりゃ夏空の太陽に挑むように真っ直ぐに大輪の花を咲かせてるからね』
『だろ?』
『でも健気なんだよ』
『そうなの?』
『向日葵ってどんなイメージ持ってる?』
『太陽の方を向くってぐらいしか知らない』
『それもイメージの一部だね』
『一部?』
『向日葵は東から西へ向かって太陽を追いかけるよね』
『そうらしいね』
『次の日の太陽はどっちから昇る?』
『そりゃ当然東でしょ』
『向日葵は夕方西を向いてるんだよ』
『エッ?あっそうか』
『夜の間に東に向きを戻して次の日の太陽に備えるんだよ』
『知らなかったぁ』
『でもそれは子供の間だけ』
『どういうこと?』
『大人になったら太陽を追い掛けなくなるようなんだ』
『そうなの?』
『中には続けて追い掛ける向日葵もあるらしいんだけど』
『俺は成人したからもうあんたの力は借りないよって感じ?』
『光合成の量が追い掛けなくても足りてるってことだろうね』
『追い掛けてんのは光合成のため?』
『何のためだと思ってたの?』
『太陽を慕うあまり…………』
『花言葉に憧れとか敬慕があるから間違いではないかな』
『どっちが先かの話だよね』
『それは太陽を追うのが先でしょ』
『それに向日葵って夏だけのイメージだけど』
『そう、キク科の一年草で、夏に咲いて季節が終われば枯れてしまうから』
『なんか潔いね』
『縁起もいいらしいよ』
『そうなの?』
『風水的には金運アップに効果があるんだって』
『金運かぁ』
『太陽に向かって咲くから陽の気がたくさん含まれてるんだそうだよ』
『なるほど』
『黄色もお金を呼び寄せる色だし』
『それはよく聞く、財布も黄色がいいとか言われるし』
『そうなんだけど、難点が一つだけ』
『なんなの?』
『枯れる前のひまわりは首が垂れて、打ち首のように見えるんだよね』
『益々潔いじゃない』
『役目を終えたら死も辞さないって?』
『そうだね、でも金運はどこ行くんだろ?』
iさま 今回もお世話になります
よろしくお願いいたします
小柳ゆき / ひまわり
