堤真一 × 山田裕貴 いてこそ成立する映画「木の上の軍隊」戦後80周年の平和を思う
沖縄先行上映中、映画「木の上の軍隊」やっと観てきました。7月25日の全国公開前、三連休に観る予定が沖縄の映画館も鬼滅の刃で盛り上がり、国宝も満席に近く、なんと「木の上の軍隊」も残席少なっ…! 仕方なく別の日に見に行くと、平日なのに座席がほぼ埋まってました(夏休みかー
そして、7月22日の夜。今作の平一紘監督作品「ミラクルシティコザ」が沖縄テレビで放送されて、コメディ映画かと思ったら不覚にも泣いてしまった。何だ、いい映画じゃないか……
6月13日から沖縄で先行上映された、堤真一さん × 山田裕貴さんW主演の映画「木の上の軍隊」。まだ観てない方に一つお伝えすると、エンドロールを見逃すなかれ。えっ… えええっ!? となります。笑
エンドロール驚いた…!沖縄先行上映中、映画 #木の上の軍隊 やっと観てきた。鑑賞後もジワジワくる感情の揺れ。サバイバルでいて、これが戦争か。生きることを諦めなかった二人が対峙し変化し、自分の心と対話する。堤真一と山田裕貴いてこそ成立する作品。戦後80周年の今年、観るべき映画だと思った pic.twitter.com/9evg15fSTu
— みやねえ/映画好きライター・編集者 (@miya_nee3) July 22, 2025
1945年の惨劇、沖縄での地上戦。伊江島での実話をもとに描かれた今作品は、終戦を知らずに木の上で2年間生き延びた2人の兵士、安慶名セイジュン(山田裕貴)と上官の山下一雄(堤真一)の物語です。
戦争の準備を始めていたら、いつの間にか米軍の戦闘機に追撃され、島が軍艦に囲まれていた。伊江島での地上戦の始まりだった。
戦後80周年に合わせて公開された戦争映画。最初はそう思ってたんですね。しかし何かが違う。物語が進むにつれて、安慶名と山下上官の生き様が浮き彫りとなり、最初は対峙するも次第に影響を与え合い、変化を受け入れて、木の上の暮らしに馴染んでいく。まるで家で寛ぐように…… そこには、生きることを諦めなかった男たちがいた。
あーーーっ水筒!!!
ええええっ…… 食べてる!?
客席からクスクスと笑い声が聞こえたり、安らぐ描写で優しい気持ちになって、ハラハラする場面では自分ごとのように緊張が走る。サバイバルのようでいて、これが戦争ということか。もし自分がこの状況に置かれたら、不安と恐怖で自暴自棄になりそう…… 映像から伝わってくるリアリティと、キャストの台詞が当時の様子を物語っていた。
この先、少しだけネタバレ踏みます、ご注意ください。
安慶名の幼馴染・与那嶺(津波竜斗)がとてもいい。映画が進行するにつれて作品に影響と潤いを与える役柄と演技に目が釘付け。沖縄にこんな役者さんがいたのか…… 津波竜斗という名前が記憶に刻まれた。
観賞中にふと疑問がよぎった「僕も上官も、最初から狂っていたのかもしれない」どういうことだろう? 軍事教育が擦り込まれた固定観念を指すのか、生き抜くために木の上で暮らし足掻いたことを指すのか。要所要所で放たれる、あとを引く台詞が気になってしょうがない。
魔王の異名を持つ織田信長もビックリな威圧感と凄みをまとった堤真一さん。人間味ある伊江島出身・安慶名を演じる山田裕貴さんの台詞と表情が、いちいちジーンと来る。夢から現実に引き戻されるシーンなど、戦争がもたらす心の傷跡をあらわにしてる気がした。
「もう、元には戻らない。僕も、この島も…」
伊江島出身の安慶名だからこそ抱く真摯な思いが伝わって、終盤の「2年前に終戦していたこと」を初めて知った2人の葛藤が、壮絶な2人劇としてラストに心震わす。鑑賞後にじわじわと感情の揺れがやって来る。平一紘監督の脚本ありき、伊江島の方々の協力ありき、堤真一さんと山田裕貴さんがいてこそ成立する。それが映画「木の上の軍隊」だった。
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ちょうど映画館の向かいに本屋があったので、小説を即買いしました。著者が平一紘監督(原案は井上ひさし)というのでどんな文章を書くのだろう?と好奇心が弾けて購入したら、約200ページの書籍は読み応えがあり、語彙力巧みな小説でした。ラストの答えが記されていて、やはりそういうことかと納得感。映画の鑑賞後に書籍を読むと、より深く理解できると思います。

最後に余談です。
山田裕貴さんがアンバサダーを務めるCoCo壱番屋とのコラボキャンペーンとか、いろんなテレビ番組に登場しては番宣しまくり、ご本人たちの熱意とプロモーション戦略がすごいなと。
公開日も絶妙だと思う。まず東京での完成披露試写会が6月23日、沖縄の「慰霊の日」に開催されて、全国公開が鬼滅の刃とTOKYO MER 南海ミッション(沖縄で撮影)の間、7月25日に持ってきて公開初速の3日間で動員数に勢いをつける。そして、8月5日と8月9日の原爆の日、8月15日の終戦記念日の前に鑑賞できるように公開日を設定したのかなと勝手に推測しました。
堤真一さんと山田裕貴さんの俳優魂こもった桁違いの演技に引き込まれる、128分でした。戦後80周年の今年。観るべき映画だと思ったので、ぜひ足を運んでみてください。
当たり前に水があって、食事ができて
クーラーで涼める平和な日々に感謝を。
鑑賞後、車で立体駐車場を出ると、そこには青空が広がっていて、毎日見ている沖縄の空なのに、何だかとてもホッとしました。

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