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沖縄の古都、首里に思いを馳せて。小さなパン屋が紡ぐ「沖縄への思い」

あれはいつ頃だったろう。那覇市の高台にある坂道の街・首里。

ツアコン時代に歩いた首里の記憶は、いつも観光スポットばかりで、世界遺産の首里城公園、時間があれば金城町の石畳へ。稀に瑞泉通りを散策して、明治20年に創業した泡盛の老舗、瑞泉酒造で試飲や買い物を楽しむ。

ガイドの説明を何度も聞いて、首里城の歴史を知った気になっていたけれど、その記憶は部分的に抜け落ちてしまった。

1429年から1879年までの450年に渡り、歴史を刻み続けた琉球王国。戦後復元された城内には、琉球王国時代の儀式や風習を伝える施工があちこちに施され、首里城公園復元の歴史と経緯がこのPDF資料に詳しく綴られている。

1992年11月3日に開園したのちも復元作業は延々と続き、2019年2月1日に「御内原(おうちばら)」や、物見台の「東(あがり)のアザナ」などを含む、すべてのエリアが公開されて、朱塗りを塗り替えた豪華絢爛な首里城正殿へと生まれ変わった。

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その9カ月後、あの忌まわしい出来事が起こった。

深夜の静寂な時間にそれは訪れ、スマホのプッシュ通知から知らされた10月31日未明の火災による首里城焼失。放心状態のまま、一瞬で心が奈落の底へと突き落とされた。炎に取り囲まれ燃えさかる正殿の映像は未だ脳裏に焼きついたまま、心が迷子になって彷徨っていた。

「沖縄が泣いている」

映像を見ながらそう思った。テレビで大々的に報道されて、全国各地から悲しみのツイートが溢れ出し、沖縄の象徴ともいえる首里城正殿の現状は数日間映し出されていた。再建を強く祈る思いが勝ってようやく少し落ち着く。

皮肉なことに編集を担当した首里城の記事が、1日で1万PV超えを記録していた。

楽しい思い出ばかりだった取材記事が、こんな形で注目されたことに戸惑いを感じて、PVの数字を追うことはツライ行為にもなり得るのだと知った。

11月3日に控えていた「琉球王朝祭り首里 古式行列」は首里城祭そのものが中止となり、残念ながらきらびやかな光景を2020年は拝めていない。

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(国際通りで行われる「琉球王朝絵巻行列」を撮影したもの)

悲しみに明け暮れてばかりもいられないと、11月18日に異例のスピードで沖縄県知事公室の特命推進課が「首里城復興戦略チーム」を立ち上げてた。行政や民間、一般市民の団体が首里城再建に向けた支援金や募金を募るプロジェクトが始まり、那覇市が実施した「ふるさと納税のクラウドファンディング」を通して9億4000万円超え、募金箱や口座振込による募金が6億円弱、合計15億円超えの支援金が集まったと、最近発表された。

再建に向けた、長い長い首里城の復元プロジェクト。4月23日には、首里城復興基本方針の最終案版が公開された。日々更新されるニュースにまみれて大事なことが置き去りにならないよう、このnoteに書き記して心の片隅に留めておきたいと思う。

那覇市内には首里金城町、首里石嶺町など、「首里」とつく19個の地名が現存する。沖縄県内の世界遺産9カ所のうち、4カ所が那覇市内にあった。

・首里城公園
・園比屋武御嶽石門(1519年創建、王家の拝所)
・玉陵(琉球王国、第二尚氏王統の陵墓)
・識名園(琉球王家の別邸)

実は読み方が難しい。園比屋武御嶽は”そのひゃんうたき”と読むし、玉陵は”たまうどぅん”とか、読めますか?

首里城以外はあまり知られていない。というか、首里城と比較すると訪れる観光客が圧倒的に少ないのだ。個人的に一通りを周遊してみて、風光明媚な「識名園」の庭園はお気に入りだ。一眼レフで撮影していると、2時間は滞在してしまう。惹きつけられる撮りたい風景が散らばっているのだ。

池に反射する御殿の美しさ。池が緑色なのにも理由がある。開花する春先や緑がまばゆい新緑の時期が狙い目だと思っている。

だいぶ前に書いた記事ですが、ご参考まで。


そんな識名園の近くに、紹介したい沖縄の小さなパン屋がある。オーナーの経歴を聞くとフランスやマレーシア、東京でパン修行を積んだ選ばれしパン職人!といった印象を持つが、ご本人はもの凄く穏やかな人柄で、取材で伺うとすこぶる協力的なライター冥利に尽きるインタビュイーなのだ。

沖縄のパン屋のレベルは、東京と比較しても引けを取らないと自負してるので、ライター人生のプライドをかけて「沖縄に来たら、必ずパン屋に寄るんだよう〜」と伝えたい。

ちなみに、オススメのパン屋はこの記事にまとめてある(他にもまだまだあるけれど…)

識名園近く、沖縄のパン屋「いまいパン」で入手する手土産

「ああ。食べるのがもったいない…」

そう思うときは大抵、盛りつけの美しさに偶の音も出ず、箸やフォークを入れるタイミングを躊躇して、カメラのシャッターを何度切っても飽き足らず、ニヤリと笑顔のまま幸福感を噛み締めて、まだ眺めていたいと思ってしまう。

以前、取材した際にいまいパンで王様と王妃のサブレを見つけたときも袋から開けてその可愛さに「食べるのがもったいない…」と感じた。

どこから食べればいいの?と迷ってしまう「琉球国王の黒糖サブレ」と「琉球王妃の紅芋サブレ」は、アルバイトの学生がデザインしたイラストらしい。沖縄県立芸術大学に通うデザイナーの卵が描いたものをサブレの型にして、真地本店で焼いている。

「ラムレーズンウィッチ」はオーナーの奥さまが描いた店名のロゴを。スタッフによる遊びを取り入れたアートな焼き菓子づくりと、こだわりのパンづくり。『いまいパン 真地本店』の朝は早い。早朝4時から仕込みを始めて、朝7時30分からオープンする。

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HereNow OKINAWAの記事「早朝からオープンする、いま沖縄で注目のベーカリー5選」でも紹介したが、識名園は世界遺産でありながら売店や土産屋はなく、長閑でひっそりとした観光スポット。そこで織名でも何か地元名物になるお菓子や沖縄土産を作りたいと開発したのが、「識名園るうまんぺい 浪漫餅」だった。

いまいパンのオーナー今井さんが、地元の和菓子店『丸吉塩せんべい』に声をかけて一緒に開発した「識名園るうまんぺい 浪漫餅」は、下に敷いた沖縄風の塩せんべいの塩味がアクセントになって、アーモンドやココナッツで甘さを引き出した焼き菓子。これは癖になる美味しさだと思った。

カレー味も仲間入りして、アーモンド、ココナッツの3種類を販売。1枚ずつ購入できる手軽さと地域の食とのコラボ。岩手名物・南部煎餅のように那覇市や首里の名物にならないかな?と密かに思っている。


先日訪れると「訳あり/識名園るうまんぺい」を1枚100円で販売していた。自分で食べるに分には味も全く問題なく、色の濃さから少し焼きすぎたのだろうと推測できた。

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世界遺産の識名園からほど近く、那覇市首里赤田町にたたずむ小さなパン屋から紡ぐ、沖縄への思い。琉球王国時代の王様や王妃を想像しながら食べるサブレは、ほんの少しわくわくするだろう。


この夏、どう切り抜けていこうかと不安もとない心境を抱えている沖縄の飲食店さんは多いだろう。だからこそ、noteを書いてSNSで発信して、応援している気持ちが少しでも伝わったらいいな、なんて思ったりしている。

この先、前人未到の未来に向けて、コロナと共存できる暮らしを築いていくことが大切だと思うから、今は手探り状態でも一歩ずつ少しずつ前向きに歩んでいきたい。そして、美味しいもの食べたい。するとまた紹介できる…w

noteで紹介した首里のカフェ「CONTE(コント)」さんではテイクアウトができます。営業日時の詳細は、CONTEのFacebookページをご覧ください。

P.S.
テイクアウトや通販の準備など、沖縄のライター・編集者チーム「OKINAWA GRIT」が少しでもご協力できることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

MAIL:info@okinawagrit.com

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みやねえ @ 沖縄在住ライター・編集者 ご覧いただきありがとうございます。疲れたときに甘〜いオヤツ食べます♫