気づかぬうちにメンタルを蝕む「隠れ栄養失調」ストレスに打ち勝つ「食」の処方箋
疲れやすい、イライラする、子どもの落ち着きがない…。現代の心身の不調は、ストレスや生活環境だけでなく、見過ごされがちな「栄養素の不足」、つまり「質的栄養失調」が深く関わっていることがあります。
特に、ダイエット志向の女性や成長期の子どもたちにとって、この問題は深刻です。このnote事では分子栄養学」の視点から、現代人に潜む「栄養的に残念な食習慣」とその影響を紐解き、「ストレスに負けない心と体」を育むための具体的な栄養戦略を提案します。
【落とし穴1】カロリー不足が招く「省エネモード」:心と体の機能低下スパイラル
現代の食生活で指摘される最大の問題の一つが「摂取カロリーの不足」です。特に若い女性では、推奨されるエネルギー量を下回っているケースが多く見られます。
カロリー不足の影響
体がエネルギー不足を感じると「省エネモード」に入ります。すると、次のような問題に発展してしまいます。
筋肉の分解:エネルギー源として筋肉が分解され、基礎代謝が低下し、疲れやすく太りやすい体質に。
基礎代謝の低下:体温維持などの生命活動レベルが低下し、冷えや活力低下を招きます。
免疫力の低下:免疫細胞の活動も低下し、感染症リスクが上がります。
ホルモンバランスの乱れ:甲状腺ホルモンや性ホルモンの産生が滞り、月経不順や精神的な不安定さに繋がります。
厚生労働省「国民健康・栄養調査(令和元年)」では、20代女性の平均エネルギー摂取量が推定必要量を大幅に下回っていることが示されています。エネルギー不足は慢性疲労や身体機能の低下に直結します(Jäger, R., et al., 2017)。
【落とし穴2】朝食抜き・菓子パン朝食の罠:血糖値ジェットコースターと体内時計の乱れ
「朝はコーヒーだけ」「菓子パンで済ませる」という習慣も要注意です。
血糖値の乱高下(血糖値スパイク)
朝食抜きや糖質偏重の朝食は、血糖値を急上昇させた後、インスリンの働きで急降下させます。この血糖値ジェットコースターは、以下を引き起こします。
集中力・思考力の低下
日中の眠気・だるさ
イライラ、不安感などの情緒不安定(特に子どもに影響が出やすい)
ストレスホルモンの分泌
体内時計(概日リズム)の乱れ
朝食は、体内時計をリセットし、1日のリズムを整える重要なスイッチです。朝食を抜くと体内時計が乱れ、睡眠の質の低下や代謝異常(肥満リスク上昇など)に繋がる可能性があります(Harada et al., 2020)。
精神安定物質セロトニン
バランスの取れた朝食は、精神安定に関わるセロトニンの分泌を促します。セロトニン合成には、材料となるトリプトファン(タンパク質)に加え、炭水化物やビタミンB群、鉄が必要です。
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