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完璧すぎる先客…生還者が語る戦慄の2時間


皆さんは、山で「一番恐ろしいもの」は何だと思いますか? 滑落、クマ、それとも低体温症…。
いいえ、本当に山に慣れた熟練者が口を揃えて言うのは、「極限状態に置かれた人間」です。
これは、ある登山雑誌の元編集者が、取材を通じて知り合った「Bさん」という男性から聞いた実話ベースの物語。2020年、大型の台風が列島を直撃した夜、北アルプスの無人避難小屋で起きた「記録に残っていない事件」の全貌です。

その夜、Bさんは死を覚悟していました。 予想を遥かに上回る天候の悪化。視界はゼロ。体温が奪われ、意識が朦朧とする中で辿り着いたのが、地図に辛うじて記されていた古い避難小屋でした。
重い扉をこじ開けると、そこには先客が一人いました。 その男は、嵐の中とは思えないほど落ち着いた様子で、小型コンロで湯を沸かしていました。「……災難でしたね。どうぞ、お隣へ。温かいお茶を飲みなさい」Bさんはその紳士的な振る舞いに、心の底から安堵したといいます。

深夜。外は暴風雨が叩きつけ、小屋が悲鳴を上げていました。 二人は登山の話で意気投合しました。男は驚くほど山に詳しく、その知識はプロ級。Bさんは完全に警戒心を解いていました。
しかし、男が空になったカップを置いた瞬間、空気が変わったのです。
「……実はね、」男は無表情なまま、淡々と話し始めました。 「私は昨日、この先の沢筋で、動けなくなっている遭難者を見つけたんです」
Bさんは驚愕し、身を乗り出しました。「救助を呼んだんですか!?」 しかし、男は冷徹に首を振りました。

「いいえ。助けようとすれば共倒れになる。だから、私は彼の『成果』だけを預かって、ここへ来たんです」

男がザックから取り出したのは、一台の高級カメラと、詳細に書き込まれた登山計画書。 そこには、登山界を揺るがすような「未踏ルート」の踏破記録が記されていました。
「彼はもう助からない。でも、彼がいなくなれば、この『素晴らしい写真』と『未踏ルートの記録』は、私のものになる。私は、完璧な登山家として歴史に名を残せるんです」

Bさんは背筋が凍りつきました。目の前にいるのは、親切な登山者ではない。 自分の名誉のために、瀕死の人間を見捨て、その功績を奪った略奪者。
「……でも、困ったことが起きた。あなたがここに来てしまった。私が彼を見捨て、荷物を奪ったことを、あなたが知ってしまった」
男がゆっくりと立ち上がり、唯一の出口である扉の前に立ち塞がりました。その手には、先ほどから手入れをしていたピッケルが握られていました。
男は静かに微笑み、こう言ったのです。 「山での事故は、悲しいけれどよくあることです。一人も二人も、ニュースになる数字はさほど変わらない。……そう思いませんか?」
Bさんはその時、気づきました。 男が研いでいたのは調理用のナイフではない。ピッケルの鋭利な先端が、鈍い光を放っていました。

この話の結末を、Bさんは多くを語りません。 ただ、Bさんは今も生きて、私たちの前にいます。
Bさんはあの夜、どうやってあの閉鎖空間から逃げ出したのか。 あるいは、男に「何」を突きつけて交渉したのか。
一つだけ確かなことがあります。 その翌日、嵐が去った後の沢筋から、一人の遭難者が遺体で発見されました。 しかし、その遺品の中にあったはずの**「カメラ」と「登山計画書」は、今も見つかっていません。**
そして、その数ヶ月後。 ある有名な登山雑誌に、それまで全く無名だった男による「北アルプス未踏ルート完全踏破」の記録が、輝かしい写真と共に掲載されました。
その記事に写っていた男の顔は……Bさんが避難小屋で見た、あの「親切な先客」と生き写しだったそうです。

山は、すべてを飲み込み、隠してしまいます。 もし皆さんが、避難小屋で「完璧すぎる装備を持った、親切な先客」に出会ったら……。 その男が研いでいるものが何なのか、どうか、確かめないようにしてください。

ユーチューブで上記、小説を動画にしてあります
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動画リンク
https://youtu.be/s-THMZA86ZY

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