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芥川賞/みやまるの本棚①

 自分がこれまで読んできた好きな本の話をする、「みやまる本棚」というシリーズをやってみようと思います。ひとつのテーマを毎回設定して、何冊か紹介していきます。

 今回のテーマは「芥川賞」。いろんなジャンルの本が好きで読んできましたが、あえて一番を決めるなら純文学小説です。どこまで小説、人文学というものは表現できるかを突き詰めたジャンルのように思います。


⚠️以下、ネタバレ注意⚠️


苦役列車 - 西村賢太

やっぱりこの作品は外せません。中卒・親が性犯罪で捕まるという著者自身の境遇を描いた私小説。人間の不完全な部分を「さらけ出す」という文学のあり方を、この作品で学びました。


火花 - 又吉直樹

いま自分がアマチュアながら人前で漫才をするようになったのは、この小説の存在が大きいかもしれません。純粋で、真っ直ぐすぎる青春とその終わり、そして芸人という人を笑顔にする職業でありながら、本人たちは不器用でどこか寂しそうというジレンマを、飾らない文体で描いた作品です。


猛スピードで母は - 長島有

子供のころに抱えていた、静かに大人を見つめる視点を思い出す作品、子供といっても、「元気いっぱい」ばかりが子供の側面じゃない。淡々とはしつつも、血の通ってる親子の関係性が好きです。


スクラップ・アンド・ビルド - 羽田圭介

「肉体」と「その老い」をテーマにした一作。小説という、文字情報だけのメディアでありながら、ここまでのバイタリティーを表現できるということに大いに感動しました。ぜひこの「雄々しさ」のようなものを味わってみてほしいです。


時が滲む朝 - 楊逸

中国のエリート大学生の苦悩と、文化大革命による挫折を描いた作品。日本からそう遠くない国で、こうした若者がいるんだということに読んだ当時衝撃を受けました。

余談ですがこの作品、Wikipediaが詳しすぎるので、未読の方はあんまり読まないことをお勧めします……。


共喰い - 田中慎弥

「もらっといてやる」発言で有名になったあの作品です。血筋、セックス、暴力性といった自分でも認識できない自分の内側との葛藤を、乾き、それでいて妙に落ち着いた文体がかえってグロテスクに感じるすごい作品です。


コンビニ人間 - 村田沙耶香

就職して、恋愛して、結婚して……、というのは果たして「普通」なのか? あのマニュアル化されたコンビニがどこにいっても大体同じようにあることと同じように「普通」なのか? 自分の「普通」に見つめなおすことのできる(あるいはせざるを得なくなる)小説です。

主人公が「自分」に目覚めるあのラストシーンは、「不思議なようで、不思議じゃないかも」というような感想を持った作品です。


 純文学というものを(まあまあ強引に)一言で定義するならば、「言葉の芸術」じゃないでしょうか。小説というジャンルを、ストイックかつ真っ直ぐに掘り下げるジャンルではないかと思いますし、どこまでも可能性を探求する姿勢が私はやっぱり好きです。



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