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どん底からのやり直しストーリー⑤初めてのウェビナー

第4話の最後に、「1年の積み重ねが、6月のあの日へとつながっていきます」と書きました。

その、あの日の話です。


伴走の1年が連れてきた日

延べ30名以上の受講生さんと、ひとりひとり向き合ってきた1年。

うまくいった人もいれば、途中で止まってしまった人もいました。「もう無理かも」と言っていた人が、最後にKindleをぽんとアップロードできたときのメッセージ。今でも残してあります。

そういう小さな積み重ねの先に、ウェビナー登壇の話が来ました。

「やってみませんか」

講師をやらせていただいている某オンラインスクールから、受講生向けのウェビナーをやってみないかと声をかけてもらったんです。

光栄に感じ、是非やらせてくださいと快諾しました。

しかも、ただ話すだけじゃない。受講生さんが見ている前で、私が実際にKindleを一冊、その場でアップロードしてみせる。生のKDPプラットフォーム上の操作を、リアルタイムで。

正直、怖かったです。原稿のチェックも、表紙も、ぜんぶ画面に映る。途中でエラーが出たら、その動揺もぜんぶ見られる。

でも、やると決めました。きれいに編集された動画じゃなくて、リアルなところを見せるのが私の役目だと思ったから。

日付は6月26日。題材は、ちょうど書き上げたばかりの17冊目、『2026年版クラウドソーシングのリアル』にしました。

台風の中を、ずぶ濡れで

ところが当日、よりによって台風です。

その日は、仕事がありました。職場からの帰り道、自転車をこいでいたら、あっという間にずぶ濡れ。

息子はまだ小学5年生。家にひとりにしておくわけにもいかず、おじさんの家にあずかってもらいました。

ウェビナーは、オンライン開催です。それでもこの天気では、回線が落ちやしないかと、そればかりが気がかりでした。

濡れた髪のまま、頭の中はウェビナーのことでいっぱい。今思えば、なんであんなに必死だったんだろうと笑えてきます。

優しいピンクの、ほんわかした回

司会は、女性の方でした。聞けば、その方もウェビナーの司会は初めてとのこと。初めて同士で、なんだか妙な連帯感がありました。

これまでのこのスクールのウェビナーは、どちらかというと、たくましい雰囲気のものばかり。「生成AI時代の最先端!」「今いちばん熱いツールはこれだ!」「こんなふうに使い倒せる、こうご期待!」。そういう、勢いのある男性的なノリ。

そこへ、女性講師の初登壇です。

スライドは、優しいピンクの色調。話し方も、私自身は脱力した感じで。気づけば、肩の力の抜けた、ほんわかした回になっていました。

「何だ、女か」と言われたこともある私が、今日は“女性だからこそ”の空気の真ん中にいる。そのことが、なんだかおかしくて、ありがたかったです。

受講生の前で、生アップロード

そして、本番。

深呼吸して、KDPの管理画面を開きました。タイトルを入れて、原稿のファイルをアップして、表紙を読み込んで。一つひとつの操作を、声に出して説明しながら進めていきます。

緊張しなかったと言えば、嘘になります。でも不思議と、途中からは落ち着いていました。だってこれは、この1年、受講生さんと一緒に何度もやってきた作業。画面共有し、実際の操作を説明しながら行う

「出版」のボタンを押したとき、画面の向こうから、あたたかい空気が伝わってきた気がしました。参加者の声は聞こえませんでしたが、その後の質疑応答で温かいコメントを寄せていただきました。

終わってお茶、そして地震

無事に終わって、どっと力が抜けました。オンラインから退出して、ようやく一息つこうと、お茶をいれて。「ふぅ、終わった」、と思ったその矢先。

ぐらり、と揺れました。

地震です。一気に現実に引き戻されました。真っ先に頭に浮かんだのは、おじさんの家にいる息子の顔。すぐに電話をかけました。

「大丈夫だよ」という声を聞いて、やっと、本当にほっとしました。ウェビナーの達成感はあっという間に、その一言に上書きされました。

私史上、最短記録

夜、一日をひとりで振り返っていました。

あそこはもっとこう説明すればよかった。あの操作で少し詰まった。反省ばかりが浮かんできます。我ながら、つくづく欲張りな性格だなと思います。

そんなとき、新着メールが。

KDPからの審査通過の通知でした。それも、これまでで一番早い。私史上、最短記録です。最大72時間以内で、これまでは24時間後くらいに通知が来ていました。

台風で、ずぶ濡れで、地震まであった一日の終わりに、その通知。なんだか、「よくやったね」と言ってもらえたみたいで。じわっときました。

どんな日も続けてきたから

傾聴サロンの爆死から、ここまで。

Kindleの1冊目も2冊目も売れなくて、詐欺にもあって、ポンコツ案件で消耗して、メンタルも何度も崩れました。

それでも、書くことだけは、やめませんでした

うまくいかない日も、ずぶ濡れの日も、揺れる日も、ぜんぶ続けてきた。その一日一日が積み重なって、6月26日の、あのウェビナーになりました。

派手な成功体験なんて、私にはありません。あるのは、転んでも起き上がってきた回数だけです。

でも、それでいいんだと、今は思います。

どんな日も続けてきたから、今日がある。

これからも、私は書き続けます。

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