ひとり親がなぜ国立小学校受験に挑戦したのか【通塾なし】
「うちの子、国立小に入れよう。」
子供が年中の秋頃、そんなことを決心しました。まさか自分が、子供に小学校受験をさせるなんて、そんな日が来るなんて、夢にも思ってもみなかった中での決心でした。
我が家は都内で働く普通のシングルマザー。決して裕福ではありません。親は飛行機の距離で物理的には頼れず、一人でせっせと家事育児をする日々。朝は子どもを保育園に送り届け、夜は大急ぎでお風呂に子どもを入れて寝かしつける毎日を送る。本当にどこにでもいるありふれた家庭です。
在宅勤務なのを良いことにメイクは目だけ、スーパーの特売チラシが私の”経済ニュース"。そんな家庭が我が家なのです。
そんな我が家が、なぜ受験を決意したのか。今日はそのお話を書きたいと思います。
■「二月の勝者」で知った受験の世界
そもそもどこで「小学校受験」というものを知ったのかというと「二月の勝者」という中学受験をテーマにした漫画を読んだからです。
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どこで手に取ったかは定かではないんですが…最初は単行本だったかなぁ、と思います。その冒頭のお話で出てくるセリフの一つに「平凡な人間こそ中学受験」というものがあります。このセリフをみて「どういうことや…?」と感じたことを覚えています。
私は小・中校と公立で、中学受験なんてことも知らないぐらいド田舎うまれド田舎育ちだったのでまずカルチャーショックを受けました。とりあえず「中学受験」とはどんなものか、と調べているときに出会ったキーワードが「小学校受験」です。
え?!小学校って受験できるんだ…。でも私立だよね! お金かかるよね!
と思って調べたら、なんとそこには「国立」の文字が!
え、国立って…学費とかどうなるの…? とさらに調べたら、基本的には公立と同じで高い授業料や施設利用料はかからないというでは有りませんか!!!
しかも、公立と違い、独自のカリキュラムで創造や体験に富んだ、とても楽しい授業をしてくれる!?あの養老孟司や池上彰も国立小出身!?受験費用は2000円でいい?!なんだって。やるっきゃない!
そんな内容に浮かれた凡人の親は、すぐさま小学校受験の情報をネットで読み漁ったのです。
■ひとり親だからこそ、選びたかった“教育の質”という贅沢
勢いで調べ始めたものの、実際に小学校を受験をするかどうかは悩みました。すごく、ものすごく悩みました。
なにせ、国立小学校受験って、そんなに甘くない。調べれば調べるほどエグい。 「6人に1人受かれば御の字」と言われる世界で。圧倒的な受験倍率の前に桜と涙を散らした体験談の数々。過去の受験者の体験談やブログを読めば読むほど、生半可な覚悟と努力では到底合格はできないのだな、とこの時点で気付かされます。
しかも私はシングルマザー。時間もお金も、正直言って潤沢にはありません。当然学費のこともあり私立は最初から選択肢として外れます。残る小学校受験の選択肢は「抽選」という否応なき運ゲーがある国立・都立だけ。
それでも私は、子どもにできるだけ質の高い授業と、よい教育環境を届けたくて、小学校受験という選択肢を真剣に考え始めました。
理由は5つ。
1:子どもが大きくなればなるほど、塾という課金制度が物を言うため、合格を得るために大幅な出費が必要になる。
2:中学受験での国立、都立校の受験は日程の関係で1校しか受けられず、博打感が大きくなる。(小学校受験であれば、国立でも併願ができる)
3:国立小学校の受験に関して、抽選さえ突破出来てしまえば、しっかりと準備した子どもの合格率は、割と高いという事実。
4:国立小学校は「実験校」として、さまざまな取組を独自にしており、公立では得られない体験ができる。
5:その時住んでいた学区内の公立小学校の評判が、あまり良くなかった。
とくに2番目はこれまた「二月の勝者」の漫画で知ったのですが、子が大きくなればなるほど国立・都立といった中学校に進むのは至難の業になるのです。本編では「中学受験は課金ゲー」「都立は倍率が高い上に専用の勉強が必要」みたいなキーワードもでてきます。私立と都立だと試験内容も大きく異なるため、専用の塾に通わねば結局は合格しない、と漫画の中では描かれています。当然塾の費用もかかる…。

我が家はひとり親のため、教育につかってあげられるお金は限られています。でも、だからといって「教育の質」は落としたくない。むしろ、ひとり親だからこそ、教育の質は高めて行かねばならない。
なぜなら、ひとり親の子どもは収入などが理由で学業に投資をしてあげられず、その結果として低学歴低収入の職につくことが多く、その子どももまた…と貧困の連鎖につながる、という統計がすでに出ているからです。
親の勝手で離婚しておいて、子どもの将来を犠牲にはしたくない。絶対にしたくない。
そして、あとから戦いに挑むより、今挑むほうが難易度の高い国立中学校への入学ハードルが低いという事実。
もちろん、公立小でも素晴らしいところはたくさんあります。進学時に引っ越しをして、その素晴らしい公立小にいれる、という選択肢ももちろんありました。
でも、どうせ引っ越しもする前提なら、今ここで挑んでもいいんじゃないか。やることは小学校入学に向けた勉強の下地づくりで、無駄になることはない。じゃあ、やるだけやってみよう。そう思ったのです。感化された私は、さっそく「国立小学校合格バイブル」に手を伸ばしたのです。

■今が一番、時間をかけてあげられる
「子どもに時間をかけてあげられるのは、きっと今が一番長い」という事実も、小学校受験を後押しをしました。
私はありがたいことに正社員フルタイムで働いておりますが、会社には小学3年生までは時短が認められることと、育児のために業務内容を調整させてくれる制度があります。
お気づきになられましたでしょうか。時短が認めてもらえるのは、小学校3年生までです。業務の調整が効くのは、この時まで。
最終的に私はフルタイムで乗り切りましたが、受験のために仕事を辞めてサポートに徹する人もいる世界。時間はいくらあっても足りません。
ただ、時短という制度も会社としてはあくまで「育児のために」と認めてもらえる制度です。使えるのは「手がかかる小さな頃」だけ。
そう、現状では中学受験のサポートのために時間を使おうと思っても、会社からの支援は受けられないんです。

ひとり親の私にとって、現状の家庭環境でもフルタイムで働かせてもらい、ある程度職場理解もある今の会社を離れる。という選択肢はありません。生きていくためにはそれなりに収入だって必要ですから。もちろん受験にだってそれなりにお金はかかります。
中学受験において、早い人は小学4年生から塾通いなんかを始めますが、小学校受験は年長になる年の1月から始めてもまだ間に合う。子どもを支援しなければならない時間も段違いに短い。そのため、最悪時短も許してくれる制度が使える今のうちに挑んでしまおう。と思ったのも理由の一つです。
■子どもが言うことを聞いてくれるうちに
中学受験をするとして、実際に受験する際は小学6年生。12歳です。
12歳だった自分を思い返してみても、とてもじゃないが、本人が本気で、ガチで、絶対合格してやら!!!と強い意気込みを持っていない限りこの難易度の勉強についていくことなんてできない!
と二月の勝者を見て思いました。
志望校の偏差値にもよりますが、通塾したらほぼほぼ休みなし。夏休みも休みなし。正月すら休暇は1日で、それ以外はずーっと勉強をします。中学受験未経験者の私にとっては「自分がやりたい」と思わなければ到底そこまでの気力を出せるとは思えないほど、非常に過酷に見えました。
そして、中学受験を体験したことがないド田舎出身の私に、子供をその気にさせる方法は分からないし、子供が「中学受験をしたい」と言い出すかも分からないのです。
それならば、小学生のうちから「勉強するのが楽しい」と感じられるようなカリキュラムをしている学校に入れてしまおう。自ら進んでやりたくなるような環境にしてしまおう。そうすれば、本人も自然と楽しんで勉強をしてくれる。そして、そのための勉強をするのに、親の言うことを聞いてくれるのは今だけだ。
と、そう感じました。
子供本人がどうしても、絶対なにがなんでもあそこの学校に行きたい! と望んでいるから親が渋々…。なんてことはほぼないと思っております。中学校ならまだし、大抵の子供は小学校の違いなんて分からないでしょう。その殆どは親の希望でさせるものだと感じています。

ならばこそ、余計な衝突が起きにくい今のうちにやってしまおう。と思ったことも事実です。
他の受験生よりお金も時間もかけてあげられない大ハンデを背負って中学受験をさせるよりかは、まだ平等に戦えて、かつ自我が薄めで親の言うことを素直に聞いてくれる今のうちにやってしまおう。と思いました。
■朱に交わり、朱くなって欲しい
そして私が最も重視した一つが「環境」の大切さでした。
凡人がそれなりに頭が良くなるにはどうしたらいいか。
それは小学校受験も中学校受験もしていない私でもなんとなーくわかります。
日々色々なことに興味を持ち、それを書き溜めたり調べたり、毎日コツコツ勉強することを「楽しい」と思いながらやることです。勉強を勉強と思わずに、楽しみながら「継続」してやることです。
それが簡単にできたら苦労はしないでしょう。それが簡単にできたら、この世は努力の天才で溢れています。ではどうやったらそれがとっても簡単にできるのか。
私はそれを「環境」だと解きました。

この話を聞いて、環境の大切さってあるんだな、と実感しました。
「みんながもっているから◯◯を買って欲しい」
「みんなと遊びたいから◯◯をやりたい」
「みんなでやりたいから、◯◯したい」
なんてよく聞くセリフのように、小さな子どもが周りと同じ様になりたがる現象は常々確認できるものです。
ならば、その「みんな」が素晴らしく意欲的で挑戦心に溢れ、活動的な子たちばかりが集まるところに入れたら、我が子も同じ様になるのではないでしょうか。
もしそうならなかったとしても、素晴らしいお手本に学友達はなってくれるのではないか。その生き方を、考え方を参考にできるのではないだろうか。何かをするきっかけになってくれるのではないだろうか。
では、そんな理想的な子供たちが集まりやすいのはどこだろう。
そう、わざわざ受験して入る学校です。
みなさんも、「たまたま同じ地域に住む同年代」といた小中よりも、「自ら選んで行った」高校、大学の方が友人付き合いも深く、仲良くなれる人が多かったな。という経験もがありませんでしょうか。私はそうでした。
それはきっと「似た気質」の持ち主が多いからでしょう。
小学校受験をする子は、少なくとも親側は同様の考え、気質の人が多いと思っております。すなわち、自分のお子さんの脳力を信じ、そして可能であれば小学校から伸ばして欲しい。そのために時間や労力を惜しまないと考える親御さんです。
そしてお子さんもその影響を受けていて、「たまたま同じ地域に住む同年代」よりかは似た気質の持ち主たちである可能性は高いのではないでしょうか。私はそう考えました。
私自身が、子どもをどういう風に導いていけばいいかまだまだ試行錯誤中です。ですが、小学校受験をして入学した学校では、学友たちがきっと良いお手本、いい仲間になってくれるとその時は強く思っていました。そして結果として、それは間違っていなかった、と思います。
■今が一番、国立に入れるチャンスがある
漫画「二月の勝者」にも記載されていましたが、中学受験の場合は国立・都立の中高一貫校は併願ができません。なぜなら、全て同じ日に試験を行うから。すなわち、受けられるのは1校だけです。倍率も4~7倍程度と中学受験にしてはかなり高いです。
一方小学校受験。国立小学校は容赦なき運ゲー「抽選」がはいること、また希望者の数に対して入学可能者数がかなり少ないため倍率こそ「20倍~70倍」とアホみたいな数値になりますが国立・都立小学校は併願は可能です。日程もほとんど被っていません。
なにより、ライバルになる受験者の総数は小学校受験のほうが圧倒的に少なく、子どもの能力的に見ても6歳と12歳では比べたときに大きな差がでにくいです。
さらに、どんな強力なライバルであっても、この「抽選」の前には無力。ふるい落とされる可能性すらあります。

では、どっちのほうが勝率は高く行けるのか。
運に左右されるのは間違いないです。でも、家庭状況を考えた際には中学受験よりも圧倒的に受かりやすい。そう考えた時、我が家は断然「小学校受験」だと判断をしました。
■学費を安く抑えられるかもしれない
生命保険などでよく聞かれますが、お金のライフプランを立てる時、子どもがいる場合は「どの段階で私立に行くか」でトータルの教育費の算出が変わってきます。
一番高いのは幼稚園から大学(理系)まで私立。一番やすいのは全てを国立・都立・市立・公立でいくこと。
そして、国立小学校は内部進学があり、高校までは一定の割合で国立中高への内部進学ができます。もちろん、内申点や進学のためのテストで一定以上の評価を受けることが絶対条件です。ですが、外部から受験をするよりも条件はゆるいです。
もちろん、子どもの人生です。
中学に入った段階、もしかしたら中学に入る前の段階で「あそこの学校に行きたい」という自我と希望が芽生えるかもしれません。そして、それは私立かもしれません。もしもそうなったら、仕事を増やしてでも踏ん張って応援する覚悟でいます。

ただ、もしもそうならない場合。すなわち、特に強く行きたい、と思う学校や進路がない場合は、高校までは国立ルートで進められる可能性があります。
しかも、学校も学友の環境もとても良い状態で。
中学高校へは内部進学が可能で、受験塾も不要であれば、そこで浮いたお金をさらに習い事などで子どもに再投資することだってできます。大学を多少余裕を持って送り出したり、海外進学や留学など、新たな選択肢を増やすことだってできるようになるかもしれません。
私の費用負担が減るだけでなく、結果として息子の将来の選択肢の幅が広がる可能性があるのです。
ならば、その可能性に近づきやすい道を選ぼう。と小学校受験を決めました。
我が家が受験に挑んだ背景はこんな感じです。それ以外にも、細かいことも含めて本当に多くのことを考えました。年少なったぐらいの頃からうだうだと考えていたので、トータルするとかれこれ1年ぐらいは決断するまでに考えたり、情報収集していたと思います。
だいぶ簡略化して書いてありますが。概ねこんな所です。
今後も小学校受験、その後のことも含めてつらつらと書いていこうかな、と思っております。良ければコメントやいいね、お待ちしております。
それではまた次の記事でお会いしましょう。
