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外に出る時は、気合いいれや


 7月11日の夜から、京都の自宅に帰ってきた。

     灼・熱・都・市

 関東は、10日夜の線状降水帯の発生からのゲリラ豪雨で思いがけなく涼しくなって、11日はかなり過ごしやすかった。その、落差たるや。
 道中、静岡あたりで空に浮かぶ雲の様子が、明らかに違った。新幹線から降りた瞬間の、むわっとした熱気。京都だ。

 エアコン無しで閉め切ってあった自宅のLDKは、壁も暑けりゃ床も暑い。
 キッチンに置いてあった、"未開封"の白ワイン。高いものではないので、室温保管をしていたのだが、コルクが膨らんで自力で開こうとしている。
 中身、沸いたんじゃないだろうか。
(昨日飲んだけれど、私の味覚では問題無し)

 三方の窓を全部全開にして、設定24度で、風力MAXにしてエアコンON。
 こうすると、暑い空気を屋外に押し出せるらしい。

 1時間後に、ようやく汗をかかずに過ごせるくらいまで下がって、窓を閉めての26度。
 まだまだ、フローリングはほんのり暖かい、というか
熱い。家の構造が重量鉄骨なせいだと思っているが、真偽のほどはわからない。
 この構造、冬場は暖かで、日中の暖房は少なくて済んでいるけれど、夏は最悪なのだ。

 それ以上に酷なのが、真昼間の屋外。
 暑い、暑いよー。
 太陽光ギラギラ。
 本当にギラギラしてるようにしか見えない。
 街ごと焼きにかかってるのか。
 肌に陽光が刺さってる気がする。
 誰かと会っても、暑いねぇと声をかけ合い。タクシー乗っても、運転手と暑いですねぇと挨拶し。

 その暑さの中、今年は梅雨がもう明けたことと、例年以上の酷暑が早々に始まったせいで、祇園祭の鉾建ても前倒しで始まっている。

函谷鉾

 12日は朝から出かけて、その後に大丸へ。ついでに近隣にある作業中の鉾を見学。
 函谷鉾は結構できてる。粽も売り始めている。

月鉾

 月鉾はまだ骨組みだけ。この、構造を組むのは荒縄だけで、釘などは使われていない。
 また、方法も口伝で、マニュアルとかがあるわけでもないそう。それなのにこの長い年月を受け継がれてきてる、町衆のプライド。
 鉾町に生まれた人は、仕事で地方に行っても、この期間は休みをとって帰ってくるとか。

 今週14〜16日の夜は、前祭の前夜祭である宵々々山〜宵山があり、烏丸、新町、室町などの通りの鉾町に屋台が出る。子供も大人も心が浮き立つ夏祭りの魔力だ。

 しかし例年、この期間、京都は大雨が降るのだ。
 その大雨でもって、梅雨が明けるのが京都の恒例。今年は梅雨だけが先に行ってしまった。などと、思っていたがさすが。
 明日から、チラチラと雨マークが天気予報に現れ始めた。さて、雨は降るのか降らないのか。降っても暑い。湿度が上がる分、蒸しが加わって息苦しくなる。

 そんな京都、日中に出かけるのには覚悟が要る。気合いも要る。
 自宅のトイレに行くのも、ギリギリまで我慢。だってエアコンが無いので、ほぼサウナだから。手洗いからは熱湯が出るから。外出するのと同じだ。

 熱波の中へ突入するぞ。
 汗かくぞ。
 日に焼けるぞ。
 これが、なかなか準備できず、他の季節に比べて家を出るのがギリギリ、もしくは予定先送りになりがちだ。
 昨日は、自宅からすぐ近くの郵便ポストに行くのも延期してしまった。
 髪をセットしても、化粧をしても、綺麗にした次の瞬間から汗で崩れていく。あぁ、虚しい。
 それでも、出かけるのに億劫になりながら、気合いを入れて髪を整え顔を塗る。

 17日は、前祭の山鉾巡行。
 京都の街に存在する厄を、巡行することで集約した鉾は、自分の鉾町に戻ってきたら、即座に解体される。
 そのままにしておくと、また厄が世に放たれる、集まった分より凶悪に、という考えからだ。
 同時に、来週の24日に巡行する、後祭の山鉾の組み立てが始まる。

 後祭の宵山は、屋台も出ず、鉾町で飲食店をしている店などが、店頭でテイクアウト販売をしたりする程度。静かな祇園祭、と言われる。
 ご存知の方も多いと思うが、『後の祭り』という言葉の語源は、この祇園祭の後祭だ。

祭のハイライトは前後の巡行、本当のクライマックスは17日の夕方の神輿がねりあるく神幸祭と、24日の夕方の八坂神社に三基の神輿が還っていく還幸祭だ。
 『ほいっとー、ほいっとー』
 神輿の掛け声だ。
 京都では、神輿を担ぐときの掛け声は『わっしょい』ではなく、『ほいっと』。
 テレビなどでよく見る料理屋さんの大将の姿なんかも、ちらほら担ぎ手の中で見つけることができる。
 山鉾巡行が終わっても、交通規制がまた夕方からあるので、油断してはいけない。

 暑さも、まだまだ続く。油断してはいけない。
 祇園祭が終わったら夏本番というが、それでもほんのり秋の気配を、気のせいかなと錯覚に思えそうなごくごく僅かな気配を、感じる。
 お盆の五山の送り火が終わると、秋の気配は一気に存在感を増してくるはずなのだが、近年はちょっと遅刻気味だ。

 修行のような京都の夏。
 茹でた素麺が冷やせない水道水の、京都の夏。
 出かけたら汗だくになるので、タオルハンカチと汗疹の痒み止めのムヒが欠かせない、京都の夏。
 そんななかでも、宵山には繰り出すし、粽も買う。
 気合いいれや、自分。
 覚悟を決めて、服を着て、髪をまとめて。
 さぁ、出かけるか。


 ⭐︎おまけ⭐︎

13日から始まった、長刀鉾の粽の授与。朝早くから行列が作られて、昼前は烏丸御池の新風館前まで続いていたとか。
並びたく無い我が家は、今年は函谷鉾の粽。

⭐︎⭐︎おまけのおまけ⭐︎⭐︎

14日の昼前、友人とランチの約束で、大丸前まで来たら、長刀鉾の粽授与の列が、あれ?短い?
最後尾案内のパネル持ちの人に聞いたところ、待ち時間10分という話。それならばと並んでみたところ、5分もしないうちに買えてしまった。
ということで、我が家用は久々の長刀鉾の粽にして、周りに配る用が増えたというオチ。

平日の昼前後、普通に買えるので、ご安心を。

長刀鉾の粽販売、注意書き

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