文字を持たなかった昭和 帰省余話(2024秋 4) ふるさと再訪準備④

 帰省の折りに、介護施設入所中のミヨ子さん(母)を郷里へ連れて行くための準備のお話である。外出日が施設(グループホーム)の入浴サービスと重なったため、3時間半程度の外出にすることをようやく決めたが、準備すべきことはまだ多々あった。(より続く)

 車椅子に座ったままのミヨ子さんが外食するには、車椅子対応可のお食事処でなければならない。郷里の小さな町にはお食事処自体が多くなく、ひとつずつ思い浮かべてみても車椅子でそのまま入れそうなところは思いつかない。

 ふと、思い出した。同じ鹿児島県出身の友人から以前「帰省に際して娘が、二三四さん(わたし)の郷里にある海鮮食堂に行ってみたいと言っている」と言われ、食堂について調べてあげて、帰省後「娘も喜んでいた」とお礼をいただいたことがあった。成人されているそのお嬢さんは脚が不自由で、車椅子を使っているのだ。あそこなら車椅子対応できるのかもしれない。

 早速その「市来えびす食堂」に電話する。食堂は海鮮主体の物産館の奥にある。電話に出たスタッフの応対は親切で、利用の際のコツや注意点をいろいろ教えてくれた。予約はできないが早めに行けば大丈夫だろう。これで昼食場所は「確保」した。

 最も重要な(と思われた)のは、足、すなわちレンタカーである。なにぶん車椅子を搭載しなければならない。レンタカー手配は毎回、ドライバー兼運搬担当のツレの仕事だ。連休にかかることを考慮して早めに申し込んであったのは正解だったが、車椅子を載せられるだろうか?

 順序が逆だったが、車椅子は折りたためるのか、車に乗せられるのか、ミヨ子さんの乗降は大丈夫そうか、ついでに外出着や履物の問題などを、改めて施設に問い合わせたが「ケアマネ(ケアマネージャー)でないと判断できない」と言われ、ケアマネさんがいる時間帯を確認して再度電話するという手間をかけた。

 これらがクリアになったあとは、レンタカー会社に問い合わせだ。「現在車種指定なしで申し込まれており、通常車椅子を載せるには後部座席を倒すしかなく、乗れる人数が限られる。昨今車椅子を載せて利用されるケースはしばしばあるが、搭載できる車種が決まっているので、指定する場合は指定料が加算される」とのこと。

 ここは一も二もなく車種指定だろう。申込者本人のツレに車種指定の連絡を入れてもらい、トランク部分が車体の天井と同様に高く、後部座席を倒さなくても車椅子を搭載できる車種に変更してもらった。ついでに追加料金もツレに負担してもらう(2000円程度です)。

 あとは当日の準備のように思えた。天候次第では上に羽織る服なども必要だろうが、これはお嫁さん(義姉)に相談すればよいだろう。ミヨ子さんの服はほとんど、施設入居まで同居していた息子のカズアキさん(兄)の家にそのままになっている。わたしとツレは前日そこに泊めてもらうのだ。

 もっと重要なのは、ミヨ子さん本人の体調や状態、何より車で遠出してもよいかという意向確認だろう。それもまた、当日本人に会ってからだ。

 久しぶりにミヨ子さんに会える。ふるさとへ連れて行ける。期待は高まる一方だった。

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