ひと休み(誕生日)
今日3月10日は、このストーリーのヒロイン(!)でわたしの母であるミヨ子の誕生日だ。
御年92歳(※38)。いまどき90歳を超える長寿は珍しくないが、施設のお世話にならず家族と同居し、短い距離でも毎日散歩を欠かさず、自分なりのやり方で体を動かし、三度のご飯を「おいしい」と残さず食べている。週2回通うデイサービスでは、他のお年寄りのお世話をすることもあるらしい。もっとも長年の農作業から体のあちこちを痛めているのは見て取れ、本人も「腰が痛い」「膝が痛い」「体がすっかりダメになった」が口癖だけれど。
母と同居しているのはわたしの兄一家で、義姉の心遣いにはいつも頭が下がる。義理の親との同居を受け入れるだけでも尊敬に値するのに、三食欠かさず、しかもお年よりが食べやすいように作ってくれるなんて超人的だ。今日も母の大好物である巻き寿司を用意してくれたらしい。ほんとうにありがたい。
母の誕生日は両親の結婚記念日でもあった。父の誕生日も3月だったので、父の生前は二人分の誕生日と結婚記念日のお祝いをまとめたことにして、父が他界してからは母の誕生日祝いとして、3月になると実家へ鉢植えの花を贈っていた。花を鑑賞した後は、母が株ごと大きな鉢や庭に植え替えていて、わたしが帰省したときなどは「これは去年の」「こっちは、いつだったかね」という感じで、1回の贈り物を長く楽しんでいるのがわかりうれしかった。
兄宅での同居が始まってからは、かさばる花を贈るのは母の日を除いて遠慮してカードのみ、でも電話はかけるようにしている。今年もカードはすでに送ってあり、今日電話でお祝いを伝えた。昔話を振ったら記憶があいまいなところがあったが(※39)、声には張りがあり、会話もちゃんと成立してほっとした。
義姉は常々「お義母さんが100歳まで生きるのは確実」と言ってくれている。「さすがに100歳は厳しいんじゃない?」と応えながらも、「そうだといいなあ」と願っている。
※38 「ひと休み(戦前の出生届)」で触れたとおり、ミヨ子の実年齢は戸籍の記載より1歳多い。
※39 昔話から、この「文字を持たなかった昭和」に書いている内容に、わたしの事実誤認があることもわかった。それらは順次訂正したい。
