森 翼/MIMIZUQ インタビュー
ヴォーカルに森 翼を新たに迎えたMIMIZUQが、
いよいよファンの目の前に帰ってくる。
10月17日、青山RizMでのワンマンライヴ
「MIMIZUQと時巡りの列車~君とプラットホームにて~」は、
森 翼にとって本当のスタートになるのだろう。
ライヴを目前に控えた彼に、今の心境を聞いた。
●いよいよ初ライヴが近づいてきましたね。
「以前は、早くライヴをしたいと言ってたんですけど、近づくにつれて今はドキドキしてます。ちょっと緊張感が増してきて。ステージで歌ってる夢を見たりしたんで、だいぶ緊張してるなって自分でも思ってます。この間、ライヴに向けて一回目のスタジオに入ったんですけど、いよいよやな、っていう感じがしました」
●MIMIZUQのメンバーだとか、MIMIZQUの森 翼だという自覚みたいなものも生まれたり?
「まだ全然そこまではいってないかな。4人でお客さんの前で演奏できるとだいぶ変わるんだと思うんですけど。過去の曲への思い入れとか3人で作り上げた期間とかを、僕がわかったふりをするのも違うと思うんですよね。自分なりに一回向き合って解釈してみて、それをお客さんにぶつけるのもドキドキがあるんですけど、初めてのワンマンライヴで3人にぶつけるみたいなところもあるから。そういうところが、今までにない不安と期待なんやろうなと思ってます」
●スタジオではどんな感じですか。
「スタジオでは、僕がくらいついてる感じですよね、既存の曲は特に。お客さんには関係のないことなんですけど、以前のスタジオとかワンマンライヴの前はどんな感じやったんかなって思ったりします。僕は全部が初めてやから全力でやるだけですけど、逆にみんなは何を思ってるんかなって思ったり」
●MIMIZUQへの加入が決まってからかなり時間が経ってるので、そういうことを考える時期は終わったのかなと思ってました。
「はじめは全然思わなかったんですけど、ライヴを目前にして、これまではソロとしてライヴはこういうものだという考えが自分の中で強くあったし、それを4人がひとつのステージに持っていくとどんなんやろって思うんです」
●バンドが初めてということもあって、ソロとは違うみたいな感覚が強いんですか。
「完全に違いますね。特にヴォーカルという役割をやるという点が違うんです。ひとりのときは、演奏、歌、MC、パフォーマンスの間を揺れ動いて、もうちょっと広いところで考えていたのが、ヴォーカルというところに焦点を当てて取り組むようになったんですよね。だから、歌うのってこんなに難しかったんやって思うようになりました」
●ひとりだけでコントロールするわけではないということでしょうか。
「MIMIZUQは世界観があるから、普通にロックバンドを組むというのとは違いますよね。ひとつの世界観があって、表現したい世界があって、それを再現するのが僕たちみたいな感じなんです。みんな、こういう世界があったらいいな、こういうことを日常にふと思うよね、みたいなことを、音楽を使って視覚的に聴覚的に表現することが、今からやりたいライヴとつながってる気がします。もっともっとその世界観をいっぱいアピールしていきたいです。MMIZUQはすごい可能性を秘めてるバンドやと思うんで、それを自分がヴォーカルという立ち位置からどうやって届けれるんかなって考えてます」
MIMIZUQが表現しているのは夢の国の物語じゃない

●これまで、バンドに誘われたり、バンドをやろうと思ったことはなかったんですか。
「バンドに誘われたことはありました。けど、そのバンドを楽しいとたぶん思わなかったんです。やりたいものとも違ったし。やってる人たちの音楽とのスタンスとかも違ったし。だけど他のバンドと違ってMIMIZUQの世界観は、自分の声質とか既存で書いてきた曲とかもリンクしているところが多かったので、ぜひっていう感じでした」
●自分に合うとか、自分が活かせそうというのが大きかったと?
「違う道を通ってきた人たちやから、僕が今まで拾い集めてきたものを、“ええ、こんなん持ってんの?”って言ってもらえる場所なんじゃないかなと思ったんです。最初はそういう気持ちでした」
●自分がやる可能性があるという前提でMMIZUQに触れられたと思うんですけど、もう少し客観的に見るとMIMIZUQの魅力はどこにあると思われますか。
「みんなが口には出さないかもしれないけど心の中で思ったり、寝る前に考えたりするようなことを、ちゃんと言葉とメロディにして言ってくれてるところですね。ファンタジーなんですけど、違う場所に行きたくなる瞬間とか、もっとこうやったらいいいのにみたいに考えることが、MIMIZUQの音楽には詰まってると思ってて。それはやっぱりAYAさんの普通じゃない発想があるからで。何かやりたいことを思いついても、大人になるにつれて、それには何が要るとか面倒くさいこととか、やると発言するのに余計なことを考えちゃう。特に僕がそういうタイプなんですよ。でもAYAさんは、そんなんなしで、やりたいと思いついたことを、ポンポンって言ってくれるタイプなんです。僕の周りであんまりいなかったタイプのクリエイター、ほんまのクリエイターやなって思いますね」
●AYAさんがそういうタイプだというのは、出会ってすぐわかったんですか。
「すぐじゃないですね。会議を重ねたりとか、自分が作品を持っていったときのリアクションとかで、やりたいと思ってることがちゃんといつもあって、自分のコンパスがどこに向いてるかを一言目に言えるのが魅力的やなと思って。それは、自分もこのバンドで遠慮せずにこれをやりたい、あれをやりたいって言っていいんだと思えるきっかけにもなりました」
●先ほど、MMIZUQの世界観について、頭の中にあることを再現するという表現をされましたけど、ファンタジックな作り話をするのではなくて、誰もが感じていることを具現化するようなイメージなんですか。
「本当はみんなが普段感じていること、今の世の中への不満とか、会いたい人になかなか会われへんとか、そういう些細なこととか日常的なことを、ファンタジーに乗せてるんやと思うんです。だから、みんなが聴いたときに懐かしさを感じる。これは3人と確認し合ったことはないけど、リアルに自分が生きて感じてることを題材してるんだと思うんです。ファンタジー空間に仕上がっているけれど、現実とリンクしてるところとすごくつながってるんだと思います」
●現実から離れてるわけではなくて、すごくリアリスティックなものなんですね。
「僕の解釈で言うと、自分たちの中にあるものを、現実で作ってみたいと思って、MMIZUQは生まれたのかなって。まったく別の夢の国があるんだよっていう話をしてるわけじゃないんです。実際にライヴハウスの中でその世界ができてるんだと思うんですけど、もっともっとまだ知らない人たちが普段生活してる中にMIMIZUQを置いてほしい、それがそういう場所になるから。そんな感じがすごくします。そういう風に思うようになって、MIMIZUQの曲を自分の言葉として、自分を通して歌えるようになってきたような気がします」
●そうなってきて、たとえば次のライヴででも、MIMIZUQとして自分ができるのはどういうことだと思ってますか。
「具体的には、まだほんまにやってみなわからへんと思ってます。何も言えないというか、今僕が何を言っても説得力がないし。ライヴを一回やってみて、自分はMIMIZUQのヴォーカルとしてこれができるんだって言えるかな」
●一回ライヴをやってみる、ファンの前に立つというのが大きいんですね。
「大きいと思います。ワンマンライヴの1曲目が始まったとき、そこでやっといろんなものが更新されていくというか、スタートしていくと思ってるんです。その瞬間がくるまでは、ヴォーカルとして、と言っても、その言葉が自分でもズドンとこないというか」
●コロナ禍ということで、ライヴまでに時間がかかってしまったので、それがなかったらもっと早くMIMIZUQのヴォーカルですって言えたのに、とか感じたりします?
「いや、今までのMIMIZUQを応援して愛してくれた人たちみんなでつくった思い出とかが絶対あるから、その看板の前ではよう言われへんなと思ってます。逆にコロナ禍で、バンドとファンがつながるとか支え合うことの大事さとか素晴らしさとかも感じたし、ファンの人に対してもっと感謝するようになったんで、前までのMIMIZUQの思い出を持ってる人の気持ちは大事にしてあげないとあかんと思ってます」
●すごくゆっくりフェイドインしてるような状態ですけど、それはそれでいい期間だったと。
「発表してすぐライヴがあったりしたら、今のこの不安な気持ちとかなく、勢いでいけたかもしれないけど、でも、そうしてると勢いにまかせて見落としてたことや冷静になられへんかったこともありそうなんで。この期間があってよかったんじゃないかなとは思います」
●いろいろ考える期間があって、そのうえでの今の緊張感なんですね。
「そうですね。めっちゃ長かったと言えば長かったから。発表すると決めたのはもっと前やし、加入すると決めたのはもっと前なんで。でも、それだけ慎重に丁寧にみんなに伝えていってるのも、MIMIZUQのカラーというか、すごくいいところやと思います。そういうところは、すごく信用できる、そんな感じはしてます」
メンバー、ファンがいるから言えることがある

●ライヴに向けて楽しみにしてることはどういうことですか。
「1曲目の4人でスタートしたときに、自分が何を思うんやろうっていうことですね。めっちゃ興奮すると思うんですけど、僕らにとってもお客さんにとっても、普段生きててそんなに興奮することってないじゃないですか。それを感じられるのは、つまり生きてるということやし、バンドの奇跡やと思うし。ワンマンライヴの1曲目のその興奮、その奇跡が最後までずっと続くような1日にしたいと今は思ってて、想像したらワクワクするんですけど、“じゃあお前、それを作るために何ができんねん”って言う、もうひとりの僕が出て来て、そいつがめっちゃ僕のことを不安にさせてくるんです(苦笑)」
●それだけバンドのメンバーという形で一緒に音を出すのは特別なことなんですね。
「特別ですよ、やっぱり。僕は、音楽をしてるときは普段よりも自分の思ってる気持ちがポロッと出るんですね。言われへんことを言えるのが音楽なんです。それをメンバーみんなで鳴らすってすごいことやと思う。これ、わかりにくいかな。めっちゃいいことも、めっちゃ悪いことも一緒やる感じというか」
●自分が言えないことを言える音楽に、自分じゃない人が参加することにためらいとかとまどいはないんですか。
「自分にしか言われへんことを言うときに、隣におってくれるんやと思うんです。それを言うことに不安があっても、“いいやん、いいやん、隣におるわ”って言ってくれるみたいな。ワンマンライヴを目前にした僕が思ってるのは、メンバーは味方、なんかな。そうかな、ん~、難しいな」
●バンド、MIMIZUQに入ることで、今までは言えなかったことも言えるようになる可能性がありますか。
「あると思います。たとえば謝罪しないといけないことがあって、誰かがついてきてくれるから謝りに行けたりすることってありますよね。誰かがついてきてくれるからもっとイケイケで言えることもあるし、ついてきてくれるから新しいことを思いつけたりもすると思うし。それはきっとファンに対しても言えることですよね。たくさんついてきてくれる人がおるから、もっともっと自分を表現していこうと思うから。僕も、加入してメンバー3人のファンになりましたね。それで、これからライヴをやってみて、それからですね、ほんまにどう思うかな。今僕が思ってることなんて、ライヴをしてしまえば、真逆になるかもしれないし。ライヴは僕からすると、それぐらい重要な、みんなで何かを成し遂げる瞬間なんです。今はそれに向かって全力で頑張るだけですね」
●今の段階だと、17日のライヴが終わった後にどういう気持ちになっていたいとかも、想像つかない感じ?
「そうですね、はい。17日に向けて今はやるだけ。一番いいのは、終わってまたすぐワンマンライヴをやりたいと思えたらええなって。そういう気持ちになってれば嬉しいです」
●もちろんですけど、初ライヴは一回しかないから、見届けてもらいたいですよね。
「一回しかないですもんね。さらに緊張してきました」
●こんなに緊張されてると思わなかったです。
「僕も、こんなに緊張すると思ってなかったです。最近、今までのMIMIZUQのライヴ映像をまた観たりしてるんですけど、僕がそれを再現したってしょうがないと思うんです。だから、僕がやりたいことをやらせてもらおうと思ってるし、できるだけいろんな人に観てもらいたいですね。楽しみにしていてください」
森 翼さんがセレクトした文庫本(サイン入り)のプレゼント応募と、『森 翼に10の質問! PART2』インタビューは、以下から。(応募締切は、10月30日まで)

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