焼肉のキャベツを貪り食った日のこと
今、キャベツの価格が高騰している。少し価格は下がったものの、それでもまだまだ高い。
そんなキャベツを見ていたら、また昔話を思い出してしまった。
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新卒で入った会社は歳の近い女性が多く、私の教育係は1歳上と2歳上の先輩がして下さる事になった。
1歳上の先輩は、同じ高校で私の友達の所属していた部活の先輩でもあった。高校時代、私は友達から先輩の事を聞いていて、入社当時から親近感が湧いていた。
1歳上の先輩(Y先輩)と私は似た名前をしていて、漢字で書くと苗字だけが1文字違いの同じ名前でとても紛らわしかった。会社では「〇〇・・・じゃない〇△さん」などと言われるのは日常茶飯事だった。しかも、打ち解けるまでは一応さん付けだったのに、仲良くなるとみんなからは呼び捨てで呼ばれるようになっていた(もちろん親しみを込めて。たぶんw)
Y先輩は可愛くて明るくて、面倒見がよく、私の事も可愛がってくれた。私と二人だけで遊んだりなどはあまりなかったけど、それはY先輩には高校の時から付き合っている彼氏がいたからだ。
Y先輩は彼氏と仲良しで、その事は会社のみんなが知っていた。会社でも彼氏の話をよくしていたので、会った事が無くてもすっかり彼氏も自分の知り合いのような気分になる位だった。
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そんなある日の事、Y先輩は私達にあるお誘いをしてくれた。
「来週、みんなで焼肉に行こうよ。彼氏の会社の人も来るからさ」
なんでも、Y先輩の彼氏が会社の人達と焼肉会をするので、それに私達の事も誘って下さったようなのだ。
私達の会社は、若い女性が多く年頃の男性が少なかった。そのせいなのか何なのか、彼氏がいる人が少なかったりした。もちろん私も彼氏はいなくて、その頃は彼氏募集中の状態だった。
だからその焼肉会は、もしかしたら合コン的な感じのものだったのだろうかと今になって思う。焼肉会には、私達の会社からは5~6人位が参加したんじゃないだろうか。
焼肉会のある所までは、車で1時間ちょっとのドライブだ。車2台に分乗して仕事終わりに向かう。車内は若い女性数人が乗っているから、おしゃべりして賑やかだ。私は後部座席で喋り倒しながら「ああ、お腹空いたな。早く肉食べたい」などと呑気に考えていた。
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着いた焼肉屋さんは、国道沿いで駐車場も広く大きなお店だった。中に入った私達は広間に通された。そこには、もうY先輩の彼氏の会社の方々も揃っている。
「はじめまして。よろしくお願いします」
とみんなで挨拶して、席に着いた。
ただ、私にしては珍しくここでの記憶があまり無いのだ。
テーブルにY先輩の彼氏の会社の方が一緒に座っていたのかも、私達だけで固まって座っていたのかも覚えていない。
ただ覚えているのは、お腹いっぱいお肉を焼いて食べ、ご飯にお肉をバウンドさせてご飯もいっぱい食べた事だけだ。おいしいお肉をたくさん食べてご満悦だった。スタミナが付き過ぎて、変なテンションになっていたかもしれない。
そのせいか、私の食欲が変な方向に振れてしまった。
焼肉の時は、途中で焼き野菜を挟むものだ。
玉ねぎやピーマン、かぼちゃ、人参などの他にキャベツも投入された。焼いてたれを付けて食べる野菜はおいしかったけれど、私は何となく食べたキャベツにドハマリしてしまったのだ。
大きめにカットされた、ただのキャベツ。なんておいしいのだろう。ただ焼いただけなのに。
私はお肉もそっちのけで、ひたすらにキャベツを焼いて食べた。お皿のキャベツはあっという間になくなり、私はキャベツを追加した。
青虫のようにキャベツを貪り食う私をみんなドン引きして見ていたに違いない。
「みゆ、あんたキャベツばっかよく食べるねぇ(呆)」
「だって、キャベツおいしいんですよぅ」
そんな会話が出るほどにキャベツを食いまくった。もしかして、私の前世は青虫だった事があるのだろうか。もちろん、青虫が成長した先には美しい蝶になるという前提ではあるのだけど。
やがて2時間ほどが過ぎ、焼肉会はお開きとなった。お腹いっぱいで満足して帰途についた。
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この焼肉会で誰かに彼氏ができたとかそういう事は全く無く、往復2時間半を掛けて、ただただおいしい焼肉を食べに行ったというだけの話であった。やっぱり、私達には色気も何もないという事がここでも証明されただけのようだった。
もしかして、あの時の私の喰いっぷりはY先輩とY先輩の彼氏の面目丸つぶれだったんじゃないだろうかと長い長い時を経て思いを巡らせてしまった。
今更ながら、ここで謝罪してみる。
Y先輩、彼氏さん(現だんな様)、あの時はバカみたいに食べまくってごめんなさい。若気の至りでした。どうかしていましたね。ほんとごめんなさい。私も大人になりました。だから、いつか一緒に焼肉に行きましょう!
⭐2歳上の先輩とのお話はこちら
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