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【シロクマ文芸部】シャボン玉飛ばそう


 シャボン玉が急にやりたくなってしまった私は居ても立っても居られなくて、バッグを手にドラッグストアへ向かう。時刻は14時。カレーの材料は揃っているから買い物にも行かなくていいし、夕飯の支度をするまでまだ時間はある。

 ドラッグストアでシャボン玉とどうしても食べたかったポテトチップと、それからロング缶のチューハイを2本買って公園に行った。公園でシャボン玉をしようと思ったのだ。

 平日の午後の公園は誰もいない。私はベンチに腰を下ろしてシャボン玉のパッケージから液と吹き具を1つずつ取り出した。そして、レジ袋からチューハイを1本出して思い切りプルタブを開けた。レモン味の液体はシュワシュワと私の喉を通っていく。昼間から外でお酒を飲むなんて初めてだ。こんな事してもいいかなと思ったけれど、せっかくパートが休みなんだから、たまにこんなお楽しみがあってもいいというものだ。

 シャボン玉をするのは何年振りだろう。だけど、思っていたより大きなシャボン玉を飛ばす事ができた。ブランクがあっても私やるじゃんと思えてちょっと気持ちが弾んだ。吹き具を液に浸して強めに吹くと今度は小さなシャボン玉がたくさんできた。

 空に浮かぶシャボン玉を眺めていたら、なぜか涙が浮かんできた。少し胸がきゅっとしたので、私はチューハイをゴクンと飲み込んだ。飲み込んだチューハイは喉と胸を熱くした。

 なんとなく視線を感じたので横を見てみると、隣のベンチにおじさんが座っていて私の方を見ている。お酒を飲んでいたせいか、私はおじさんに声を掛けた。

 「あの、シャボン玉します?」
 頷くおじさんに私はシャボン玉をパッケージごと手渡した。それから、チューハイも1本あげるとおじさんは驚いた顔をした。
 「ありがとう。なんでお姉さんはこんな事してるんだい?」
 「急にシャボン玉がやりたくなったんです。それに、昼間からお酒飲んだら気持ちも晴れるかなあって」
 「シャボン玉はともかく昼間から酒を飲んでも何も変わりやしないさ。でも、たまにはいいかもな」

 おじさんもシャボン玉を飛ばす。おじさんのシャボン玉は2つがくっついたり、小さなシャボン玉がたくさんだ。おじさんはチューハイのプルタブを開けると私に缶を掲げてきたので、私も缶をひょこっと上げた。

 私とおじさんは無言でチューハイを飲みながら、ひたすらシャボン玉を飛ばす。誰もいないからいいものの、傍から見たらおかしな光景だろうなと思う。おじさんをチラッと横目で見ると、おじさんの目にも涙が浮かんでいるような気がした。

 チューハイを飲み終わった私はレジ袋にシャボン玉と缶をしまった。
 「それじゃ、私帰りますね」
 おじさんはチューハイの缶を上げながらぺこりと頭を下げた。

 公園を出ると、私は振り返って空を見上げた。そこにはおじさんが飛ばしたシャボン玉がふわふわ浮いている。おじさんはシャボン玉にどんな思いを込めて飛ばしているのだろう。私が飛ばしたシャボン玉にも思いが込められていた。やっぱりまた涙が浮かんできたけれど、それはきっと昼間からお酒を飲んだからだろう。そう、それはお酒のせい。私は右手で涙を拭うと家に向かって歩き出す。通りの向こうから下校中の子供たちの声が聞こえてきた。


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シロクマ文芸部に参加します💛
今週のお題は「シャボン玉」です。

なんか色々と突っ込みどころのある設定ですが、まあいいか💦

小牧部長、よろしくお願いします😊



今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪



#シロクマ文芸部
#シャボン玉

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